世界初、「食」と「ウェルビーイング」の関係性を明らかにする研究調査を発表、ほか|GNGニューズレター11月1日号

本日配信のGNGニューズレターでは、冒頭の巻頭言にて、公益財団法人 安藤スポーツ・食文化振興財団と日清食品株式会社が発表しました「Recipes for Wellbeing Report」(食とウェルビーイングの関係性レポート) を取り上げています。

国内ニュースからは、日常的なチーズの摂取が認知機能の高さと関わることが判明、サントリーホールディングス株式会社がフル・パーソナライゼーションを探求、世界初、「食」と「ウェルビーイング」の関係性を明らかにする研究調査を発表などといった話題を取り上げています。

この記事では、その会員向けニューズレターの一部を抜粋してご紹介させていただきます。

こんにちは、GNGの有松です。

今号の記事の一つである、「日常的なチーズの摂取が認知機能の高さと関わることが特定の地域在住の日本人高齢者を対象とした疫学研究により判明」の中で、チーズの摂取が認知機能の高さと関連することを明らかにしています。

毎年、敬老の日に合わせて総務省統計局は日本の高齢者人口を発表しています。最新の発表によると、2023年9月現在の高齢者人口は、3,623万人、高齢者人口率(総人口に占める65歳以上人口の割合)は29.1%となりました。日本の高齢者人口を世界と比較してみると、2022年の日本の高齢者人口は世界1位となっています(総務省統計局 「統計トピックスN0.138 統計からみた我が国の高齢者-「敬老の日」にちなんで―」)。また、厚生労働省からは100歳以上の高齢者の人口も発表されており、2023年の100歳以上の高齢者の人口は92,139人で、2022年より1,613人増加しました。

内閣府の「平成29年度高齢社会白書」によると、今後認知症の高齢者はさらに増加し、2025年には65歳以上の5人に1人が認知症を発症すると言われています。WHO(世界保健機関)は、現在、日本を含めた世界中の認知症有病者数は5,500万人以上であり、毎年1,000万人近くが新たに認知症を発症していると報告しています。これを365日、1日、1時間と細かく割っていくと約3秒に1人が世界のどこかで新たに認知症を発症している計算になります。

記事の中ではチーズの摂取について触れていますが、国立長寿医療研究センターの研究によると、牛乳乳製品の摂取の他に、魚油に多く含まれるDHAの摂取が認知機能低下を抑制する可能性があるとしています。一方で、うどんなどの麺類のように、副菜(おかず)が少ない穀類中心の食事をとる傾向にある人は認知機能低下のリスクが上昇していることを示しました。

また、食品摂取の多様性の高い人は認知機能の低下が抑制されたことを明らかにしています。食品の多様性の高い人は、低い人に比べて、たんぱく質や脂質、ビタミン類、微量栄養素などの様々な栄養の摂取量が高く、脳の機能維持に良い効果をもたらしたと考えられるとのことです。さらに、データでは確認できませんが、食品摂取の多様性が高い食事をとるためには、様々な食材を手に入れること、献立を考えること、作ることなど,脳だけでなく体も動かす必要があります。このような行動も脳の機能維持に貢献したと考えられています。

同研究所ではチーズや牛乳、ヨーグルトなどの乳製品や豆類など、食と認知機能についての研究が行われています。今すぐに実践できることとして、身近に手に入る栄養価の高い食品を上手に取り入れて、バランスの良い食事を日頃から心掛けたいと思います。

皆様のビジネスのお役に立てますと幸甚です。

有松 志寿子

GNGニューズレター(国内情報) 2023年11月1日 トピックス

<国内ニュース(要約)>

NEW PRODUCTS 新商品
●【達成率 780%・累計販売数 4000 食を突破】日本初となる「パーソナライズ味噌汁MISOBOX」、Makuake にて先行発売中
●機能性表示食品、次世代型ジョイントサプリメント「コラーゲン II パワー」10 月 6 日発売
●アヲハタ株式会社、機能性表示食品「果実たより ゆずジンジャー」を発売
●築野食品工業、こめ油で機能性表示食品

MARKET NEWS マーケット
●マイボイスコム、健康のための摂取成分と方法に関する調査を男女約 1 万人に実施
●ネスレヘルスサイエンス、 女性約 1 千人のプロテイン使用に関する実態調査結果を発表
●クラシエ、ダイエットに関する意識調査を女性 1 万人に実施
●世界初、「食」と「ウェルビーイング」の関係性を明らかにする研究調査を発表

COMPANY NEWS 企業情報
●サントリーホールディングス株式会社がフル・パーソナライゼーションを探求
●DAIZ 株式会社、経済産業省・農林水産省の融資制度を併用し資金調達、累計調達額は131 億円超に

SCIENCE NEWS サイエンス
●ココアの継続飲用による子どもの精神的健康度の改善効果
●日常的なチーズの摂取が認知機能の高さと関わることが判明
●カイコハナサナギタケ冬虫夏草摂取による睡眠改善効果
●犬の飼育が認知症の発症リスクを 40%低下させることが明らかに

[今号のハイライト]
世界初、「食」と「ウェルビーイング」の関係性を明らかにする研究調査を発表

公益財団法人 安藤スポーツ・食文化振興財団と日清食品株式会社は、米国の世論調査会社であるギャラップの協力のもと、「食」と「ウェルビーイング」の関係性を世界で初めて明らかにした研究調査「Recipes for Wellbeing Report」(食とウェルビーイングの関係性レポート) を発表した。
今回、『「食」を楽しめているか?』『自身が食べたものは健康的だったと捉えているか?』『食事の種類に幅広い選択肢があると感じているか?』の 3つの質問項目について 142の国と地域の人々を対象に調査を行い、これら 3つの質問すべてに「はい」と答えた人の割合を「Food Wellbeing Index」として新たに定義した。「Food Wellbeing Index」と、ギャラップが行う世界規模の世論調査「GALLUP WORLD POLL」で得られた「主観的ウェルビーイング」を測定する指数「Life Evaluation Index」を掛け合わせることで、「食」と「主観的ウェルビーイング」の関係性を分析した結果、3つの質問にすべて「はい」と答えた人は、1つでも「はい」以外の回答をした人に比べ、「ウェルビーイング」を実感する可能性が 1.62倍高いことが分かり、「食」と「ウェルビーイング」の間には強い関係性があることが世界で初めて立証された。
同財団と日清食品は、今回公開した調査結果をもとに、「ウェルビーイング」の向上につながる「食」のあり方を大学や国際機関などと連携しながら探究していくとした。

(会員向けニューズレター「GNGニューズレター2023年11月1日号」より抜粋)

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