Expo West2023、GNGが注目したトレンド|ウェルネスフード・ワールド第112回

こんにちは、GNG武田です。
来月(3月)13日(水)から16日(土)にかけて、米国アナハイムにおいて、世界最大規模の展示会「Natural Products Expo West 2024(ナチュラルプロダクツ・エキスポ・ウエスト:Expo West)」が開催されます。

Expo Westについてはこれまで何度もお伝えしていますので、メルマガ登録をされている方や、GNG研究会会員企業の読者は既にご存知の方も多いと思います。GNGは、昨年に続き今年もExpo Westの視察に出かけます。今年の視察に先立ち、昨年のExpo Westで注目したトレンドを振り返りたいと思います。

■GNGが注目したトレンド

  1. プラントベース
  2. サステナビリティ
  3. Women’s Wellness(女性の健康)
  4. プロバイオティクス・プレバイオティクス
  5. コラーゲン
  6. サプリメントの非ピル化
  7. マッシュルーム
  8. 海藻

■上位6つのトレンドのポイント解説

以下に、これらの中の上位5つのトレンドのポイントを解説します。

1.プラントベース

チーズ、ミルク、スナック、ミートなど、あらゆる種類のプラントベース代替品が会場を埋め尽くしていた。目を見張るような新商品などは特に無く、多くは「me too(ミートゥー)」商品だった。全体的に味や食感は大きく改善され、特にチーズのイノベーションは目覚ましい。どのブランドもパッケージデザインやコミュニケーションに力を入れている。パッケージに「プラントベース」の文言が大きく表示され、「○○フリー」表示の数が以前よりさらに増加した印象を受けた。

2.サステナビリティ

オーガニックだけでなく、再生型農業(リジェネラティブ農業)、アップサイクル原料の使用を謳うブランドが増加していた。Expo Westの基調講演で提示されたデータによると、消費者全体の66%、18歳から34歳までの80%が、よりサステナブルな製品を購入すると回答している。同様にExpo Westで講演を行ったNIQ (旧 NeilsenIQ)の調査によると、69%の消費者が過去2年間で「サステナビリティがより重要になった」と回答。過去5年間で、サステナビリティ関連の表示がない製品の年間平均成長率は4.7%、表示がある製品の平均成長率は約6.5%だった。同社は更に「ESG※を謳った商品はリピート購入率がより高い」と述べている。

※ESG:(Environment(環境)、Social(社会)、Governance(ガバナンス(企業統治))を考慮した投資活動や経営・事業活動

3.Women’s Wellness(女性の健康)

昨年のExpo Westでは、大小問わず多くの企業が女性の健康をターゲットにしていた。特にメンタルと更年期障害に大きな焦点が当てられていた。これは、女性の健康市場が今後数年間、力強い成長を遂げる可能性を示している。Nutrition Business Journalによると、米国における女性の「General Health(健康全般)」は24億4,000万ドル市場、さらに「更年期障害」は 9億3,100万ドル市場だとされている。

4.プロバイオティクス・プレバイオティクス

プロバイオティクスは、特定の健康問題に対処するために特定の菌株を使用することで、拡大し、差別化され続けている。会場ではプロバイオティクス、プレバイオティクス配合のスパークリング飲料を多く目にした。プロバイオティクス、プロバイオティクスの栄養となるプレバイオティクス、生菌でなくとも健康効果を発揮するポストバイオティクス、これらを組み合わせたシンバイオティクスは、今や消化器系のダイエタリーサプリメントという枠を超えた広がりを見せている。

5.コラーゲン

 コラーゲンの研究は現在も進行中であり、ほとんどのヒト試験は比較的小規模なものだ。しかし、特に肌の老化に対するコラーゲンサプリメントの効果を調べた最近のメタ分析では、肌の水分補給、弾力性、シワを改善する効果があることが支持されている。 また、別の最近のレビューでは、変形性関節症の症状を改善するのに役立つことが示唆されている。研究の結果は、使用されるコラーゲンが、コラーゲンペプチドとして知られる加水分解コラーゲンかどうか、海洋または牛由来であるかどうかで異なる。コラーゲンペプチドはより体に吸収されやすいとされている。

6.サプリメントの非ピル化

 2019年に非ピル形状のサプリメントがピルを抜いたとき、アメリカ人はグミに54.8億ドルを費やした。2021年には、その消費額は74.8%の成長で129.7億ドルにまで上昇した。Nutrition Business Journal (NBJ)は2022年に13.5%の堅実な成長を予測している。NBJはグミが流行ではないと分析している。2022年、NBJ が1,005 人の消費者に好みのフォーマットを尋ねたところ、27.4% がグミを選び、25.1% がタブレットを選び、19.7% がカプセルを選び、13.1% がソフトジェルを選んだ。 グミの SKU が急増し、人気が急上昇していることを考えると、売上が世界中で急上昇しているのも不思議ではない。米国だけでも、グミ サプリメント市場は 2021 年に 75% 急成長したとNBJ は報告しており、売上高は 130 億ドル近くに達し、史上初めて、グミが錠剤やカプセルを超えてベストセラーの単一サプリメントとなった。

■Expo West2024

Expo Westでは、毎年多くの新規出展があり、新しい会社や新しい商品がたくさん出展されています。いまからとてもワクワクしています。

また、現地ではインフォーマ・マーケッツ・ジャパンさんの視察ツアーの皆さんに今回の見どころなどをお話しさせて頂くことになっています。参加される方とは現地でお目に掛かれると思います。

(株)グローバルニュートリショングループ 武田 猛

<GNG研究会について>

GNG研究会では、過去十数年にわたるニューズレターのバックナンバーを会員ページにてすべて公開しています。

そして、例えば「免疫」、「プロテイン」、「乳酸菌」、「腸内細菌叢」など特定のキーワードで過去の記事を見出し検索できるので、トレンド把握に役立ちます。
GNGでは、国内および「海外のいま」をお届けできるよう全力で取り組んでおります。

皆様のウェルネスフードビジネスに少しでもお役に立てましたら幸いです。

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18年間の実務経験と20年間のコンサル経験を積み、38年間一貫して健康食品ビジネスに携わる。国内外750以上のプロジェクトを実施。「世界全体の中で日本を位置付け、自らのビジネスを正確に位置付ける」という「グローバルセンス」のもとに先行する欧米トレンドを取り入れたコンセプトメイキングに定評がある。世界各地にネットワークを築き上げ、情報活用サービス「グローバルニュートリション研究会」主宰。食品会社、化粧品会社、製薬会社の健康食品部門に対して、商品開発・マーケティング・海外進出などのコンサルティングを行っている。人が幸せに生きるためには健康が第一である。健康食品産業は「幸せ創造産業」である、という信念のもと、クライアントの成功を通じ、消費者に支持される業界を目指し、業界で働く人すべてが自分の仕事に誇りと自信をもてるようにしたいという想いから、業界健全化活動にも取り組んでいる。

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