SupplySide West 2023より速報｜ウェルネスフード・ワールド第111回

こんにちは、GNG武田です。

SupplySide West視察のために、Las Vegasに来ています。初日である現地時間10月25日の視察を終えて、このメルマガを書いています。細かい情報の整理は今後行いますが、初日の印象をいち早く読者の皆様にお伝えします。

■Opportunities to tap into more health benefits

会場入り口に、調査会社INNOVA MARKET INSIGHTSのパネルがあり、” Opportunities to tap into more health benefits”として、４つのトピックスが挙げられていました。

  • Vitamins & minerals
    現在、新しいサプリメントの40%にビタミンが含まれ、34%にミネラルが含まれている。ミネラルの中では、亜鉛がその多くのヘルスベネフィットのおかげで大いなる勝者となっている。
  • Opportunities in Functionality
    Informaの消費者調査は、ブレインヘルス、ヘルシーエイジング、ハートヘルスが未開拓の分野である可能性を明らかにしている。
  • Gut-brain axis
    腸の健康は、生物学的成分を考慮する際にアメリカ人が最も重視することである。プロバイオティクスは、腸脳相関に対する意識の高まりの恩恵を受けて、脳とムードの人気が高まっている。
  • Supplements in demand
    アメリカ人の38％が定期的にマルチビタミンを摂取しており、シングルビタミンや腸や免疫をサポートするサプリメントも人気がある。サプリメントをまったく利用しない人は22％にすぎない。

この調査結果を反映するように、腸脳相関の原料が目に付きました。
プロバイオティクス原料の代表的なProbi社も、新製品として腸脳相関のエビデンスを持つ”ProbiⓇ Sensia“を前面に出していました。この原料は、認知機能、ムード、睡眠の質の改善の臨床試験があります。

■オーラルフローラの改善

また、腸脳相関とは別に、オーラルフローラの改善を訴求した原料も、少ないですが現れていました。日本発の、L8020乳酸菌は今回初出展とのことです。Probi社もBLISⓇ（BLIS K12 & BLIS M18）という製品を紹介しており、米国ではまだあまり知られていないオーラルフローラ改善分野も、今後期待されそうです。

睡眠の質改善では、トウモロコシ由来の「天然のメラトニン代替品」も面白そうです。こちらの原料も、臨床試験は実施されています。

WOMEN’WELLNESSも、増えているようです。
出展社数は、正式な発表はまだですが、パンフレットには1,444社がリストになっていました。実際に会場を回ってみたところ、もう少し多いようにも思えました。

■NDIの審査

SupplySide Westの会場が開く前、GNGも加盟している業界団体UNPA（The United Natural Products Alliance）があり、参加しました。

FDAの人事が変わり、以前よりも食品の安全性に対する考え方が変わり、影響が出始めているようです。例えば、NDI（New Dietary Ingredient）の審査が非常に厳しくなっており、最近は殆ど受理されていないようです。

■歴史を振り返ることの重要性

来年は、DSHEA（Dietary Supplement Health and Education Act）施行30周年の年になります。

DEHEA立法時のブレインだったUNPAのPresidentであるLoren Israelsenさんとの個別面談で、来年9月にユタ州のソルトレイクシティで、米国の健康食品（DSHEA施行以前から）の歴史を総括するイベントを企画していると教えてもらいました。Lorenさんは、歴史を振り返ることは大切である、何故なら、歴史を知らない業界人が増えているので、原点回帰をすることで業界をより良くしていきたいと話してくれました。
私も、昨今の日本の業界を見て、同じようなことを感じていましたので、とても共感しました。

来年はGNG創業20周年の年になります。このイベントから何かを学ぶ機会を作りたいと思いました。

SupplySide Westは明日も続きます。更に注意深く視察し、内容を整理して、改めてお伝えする機会を作りたいと考えています。

（株）グローバルニュートリショングループ　武田　猛

＜GNG研究会について＞

GNG研究会では、過去十数年にわたるニューズレターのバックナンバーを会員ページにてすべて公開しています。

そして、例えば「免疫」、「プロテイン」、「乳酸菌」、「腸内細菌叢」など特定のキーワードで過去の記事を見出し検索できるので、トレンド把握に役立ちます。
GNGでは、国内および「海外のいま」をお届けできるよう全力で取り組んでおります。

グローバルニュートリション研究会

皆様のウェルネスフードビジネスに少しでもお役に立てましたら幸いです。

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武田 猛（たけだ　たけし）

代表取締役 ： 株式会社グローバルニュートリショングループ
18年間の実務経験と20年間のコンサル経験を積み、38年間一貫して健康食品ビジネスに携わる。国内外750以上のプロジェクトを実施。「世界全体の中で日本を位置付け、自らのビジネスを正確に位置付ける」という「グローバルセンス」のもとに先行する欧米トレンドを取り入れたコンセプトメイキングに定評がある。世界各地にネットワークを築き上げ、情報活用サービス「グローバルニュートリション研究会」主宰。食品会社、化粧品会社、製薬会社の健康食品部門に対して、商品開発・マーケティング・海外進出などのコンサルティングを行っている。人が幸せに生きるためには健康が第一である。健康食品産業は「幸せ創造産業」である、という信念のもと、クライアントの成功を通じ、消費者に支持される業界を目指し、業界で働く人すべてが自分の仕事に誇りと自信をもてるようにしたいという想いから、業界健全化活動にも取り組んでいる。

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