こんにちは。
(株)グローバルニュートリショングループです。
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今号からのウェルネスフード・ワールドは注目のテーマごとに記事をセレクトし配信させていただきます。
今号のテーマは「機能性表示食品届出の動向」です。
2015年4月の制度開始よりGNGが蓄積してきた「機能性表示食品届出動向レポート」をもとに、お届けいたします。
下記は、GNGが作成する「機能性表示食品届出動向レポート」となります。
1. 機能性表示食品一覧
●届出番号順・企業名、商品名●機能性関与成分、表示しようとする機能性●評価方法一覧
2. 企業別、成分別、ヘルスベネフィット別概要
●機能性表示食品届出状況形態別/届出件数総数●月別受理数●企業別、成分別、ヘルスベネフィット別の届出状況
3. 届出撤回リスト
●商品名、企業名、機能性関与成分名、撤回理由
2025年3月末日時点では、届出総数は6,703件となります。
食品形態別トップ10は、下記の通りです。( )内はシェア。
1. サプリメント 3,735件(56%)
2. 飲料 720件(11%)
3. 粉末飲料 41件 (10%)
4. 菓子類 347件 (5%)
5. 乳製品 265件 (4%)
6. 生鮮食品 218件 (3%)
7. ティーバッグ 118件 (2%)
8. 食用油・スプレッド 87件 (1%)
9. 豆加工食品 85件(1%)
10.レトルト食品 80件 (1%)
2015年の機能性表示食品制度開始当初、届出された製品のほとんどはサプリメント形状の加工食品でした。
しかし現在は、サプリメントが全体の約半分、飲料が11%、粉末飲料が10%と上位3カテゴリーで約8割弱を占めます。残りの約2割は菓子類、乳製品、生鮮食品などの食品となります。
届出企業別にみると、上位10社は下記の通りです。
1. 株式会社伊藤園 (107件)
2. 株式会社森永乳業 (77件)
3. 株式会社明治 (72件)
4. 株式会社ファイン (71件)
5. 株式会社東洋新薬 (56件)
6. 株式会社ZERO PLUS、味覚糖株式会社 (52件)
7. 明治薬品株式会社、株式会社日本予防医学研究所 (51件)
8. OPI・50株式会社 (48件)
9. 株式会社ファンケル、アサヒ飲料株式会社、雪印メグミルク株式会社 (44件)
10. 株式会社カーブスジャパン (43件)
機能性関与成分別の上位10成分は下記の通りです。
1. GABA (1,038件)
2. ブラックジンジャー由来ポリメトキシフラボン (341件)
3. 難消化性デキストリン (252件)
4. ルテイン・ゼアキサンチン (228件)
5. イヌリン (174件)
6. EPA・DHA (167件)
7. エラグ酸 (158件)
8. アスタキサンチン (154件)
9. イチョウ葉フラボノイド配糖体・テルペンラクトン (147件)
10. 有胞子性乳酸菌SANK70258 (122件)
GABAが圧倒的に多く、GABAには主に、ストレスの緩和、睡眠の質向上、認知機能の維持などの機能性が報告されています。
ヘルスベネフィット別の上位10カテゴリーは
1. 生活習慣病予防(16種類の総数) (4,082件)
2. 整腸 (859件)
3. 肌の健康 (767件)
4. 睡眠サポート (701件)
5. 疲労感軽減 (697件)
6. メンタルヘルス (670件)
7. 目の健康 (494件)
8. 関節の健康 (410件)
9. 認知機能(記憶力) (365件)
10. 血流・体温維持 (198件)
です。生活習慣病(16種類)が圧倒的に多くなっております。
届出撤回件数は3月末時点で2,708件となります。届出件数(撤回含む)9,370件の内28%となり、全体の約3割が撤回されております。
実は、今回のテーマ「機能性表示食品市場の動向」ですが、2017年の3月号にも取り上げております。食品形態別、ヘルスベネフィット別の上位3つは8年経った今でも変わっておりません。
一方、機能性関与成分別ですが、2017年は難消化性デキストリンが最も多く、ブラックジンジャー由来ポリメトキシフラボンはランキングに入っておりませんでした。
こうして過去のデータと比べることで、機能性表示食品市場の動向を学ぶことができます。
**上記の数字は、全て2025年3月末日時点のものとなります。
さて、今号のテーマ「機能性表示食品市場の動向」について、マーケット分析・洞察、国内業界ニュースをまとめました。
どうぞ最後までご覧ください。
■「機能性表示食品届出の動向」
【1】マーケット分析・洞察
配信のテーマに沿った過去の武田のマーケット分析・洞察です。
【2】業界ニュース (国内)
テーマごとに記事をセレクトし
ウェルネスフード・ワールドをお読みの皆様にお届けしていきます。
【1】マーケット分析・洞察
(今号より配信のテーマに沿った過去の武田のマーケット分析・洞察を
ご提供していきます。)
機能性表示食品の届出撤回が止まりません。
10月9日現在、撤回件数は、2,127件となっており、届出件数8,897件の内24.0%に相当し、届出商品の内1/4が撤回されたことになります。
届出の理由の多くが「販売見込みがないため」「販売予定がなくなったため」「終売のため」と、販売に関することに起因しているようです。
(件数はGNGの集計による)。
機能性表示をすることで直接商品のベネフィットを訴求することが出来る様にはなりましたが、期待したような業績が得られていない事例も増えてきているようです。
機能性表示食品の市場規模を正確に算出することは難しいのですが、可能な限り情報を集め、GNGのこれまでの知見を反映させて、機能性表示食品のヘルスベネフィット別市場規模を推計してみました。
今号では、この分析結果の一部をご紹介します。
但し、機能性表示食品の市場規模には注意が必要です。
それは、それまで「いわゆる健康食品」で販売されていて一定の売上のある商品でも、機能性表示食品として届出されれば、最初から一定の売上が計上されることです。
いわゆる健康食品から機能性表示食品へのリニューアルの場合、ゼロから作られた売上ではないということです。
例えば、「健胃サポート」領域の市場が対前年700%として計上されますが、これは明治さんの「LG21」が過去に築き上げた市場を最初から受け継いでいるということで、機能性表示の力だけとは言えません。
このような例が少なくありませんので、歴史をしっかり確認することも重要です。
なお、2023年までの推計値となりますので、「紅麹」事故の影響は反映されていません。
当たり前のことですが、成功事例がある一方で、上手くいっていない事例も少なくありません。
一言で「機能性表示食品市場は・・・」と断言することは出来ませんが、2024年は踊り場を迎えているのではないか、という思いが強くなっています。
これまで以上に、機能性表示食品の開発には戦略が求められるようになっていると思います。
機能性表示さえすれば売れる、という「ヘルスクレームの幻想」は、ますます現実のものとなってきたと思います。
(2024年10月16日発行 GNGニューズレター より抜粋)
【2】業界ニュース (国内)
●2024年3月1日:機能性食品の臨床試験を元にした広告への問題提起
機能性表示食品の市場が拡大するに伴い、開発受託機関(CRO)が機能性食品の臨床試験を行うことが増えてきたが、それらの研究の質や、研究の結果がどのように消費者に伝えられているか、ということについて今まで十分検討されてこなかった。
国保旭中央病院総合診療内科の染小英弘(兼:臨床研究ピアサポートグループ)、岡山大学大学院医歯薬学総合研究科疫学・衛生学分野の山本乃利男(兼:臨床研究ピアサポートグループ)、和歌山県立医科大学薬学部医療情報薬学講座の伊藤達也教授ら研究グループは、UMIN 臨床試験登録システムに、日本の大手 CRO5社によって登録された食品の臨床試験をランダムに抽出し、それらの研究の質を検討した。また、研究結果のプレスリリース、あるいは研究結果をもとにして販売された食品の広告において、研究結果がどのように広報されているかも検討した。
その結果、多くの臨床試験が、有利な結果ばかりを強調し、不利な結果については消費者に伝えられていないことが明らかとなり、機能性食品の研究およびそれらの広告について規制を強化するべきことが示唆された。
関連リンク:京都大学 研究成果
(2024年3月15日発行 GNGニューズレター より抜粋)
●2024年11月7日:消費者庁、機能性関与成分に関する検証事業(買上調査)の調査結果を公表
調査対象101商品について関与成分等の分析試験を実施した結果、許可等申請又は届出の際に提出された資料(以下「申請等資料」という。)の記載どおりであることが確認された中で、機能性表示食品2商品について、申請等資料に記載された含有量を下回る結果となった。
事案1:製造時、原材料中に機能性関与成分は十分含有されていたが、喫食時の状態では機能性関与成分の量が申請等資料に記載された含有量を下回っていた分析結果となったことが判明した。なお、当該届出者は当該ロットを含め当該商品の販売を中止し、届出を撤回した。
事案2:機能性関与成分の量の分析結果が申請等資料に記載された含有量を下回った分析結果であったが、その後に届出者が分析機関に依頼して同一ロット品を分析したところ、申請等資料に記載された含有量を上回る結果であった。なお、当該届出者は当該ロットを含め当該商品の販売を中止し、届出を撤回した。
関連リンク:消費者庁 ニュースリリース
(2024年11月14日発行 GNGニューズレター より抜粋)
●2025年3月19日:さくらフォレスト株式会社に景品表示法に基づく課徴金納付命令
消費者庁は、3月19日、さくらフォレスト株式会社に対し、同社が供給する「きなり匠」と称する機能性表示食品及び「きなり極」と称する機能性表示食品に係る表示について、景品表示法第8条第1項の規定に基づき、課徴金納付命令を発出した。
表示内容としては、例えば2022年4月25日、同年5月17日及び同月18日に、自社ウェブサイトにおいて、「高めの血圧を下げる機能性サプリ」、「血圧をグーンと下げる」、「機能性表示食品 きなり匠」、「酸化LDLコレステロールを減少させる機能性取得 ○」、「血圧を下げる機能性取得 ○」、「中性脂肪を低下させる機能性取得 ○」と記載のある表等の表示などがあった。
消費者庁は、それぞれ、景品表示法第8条第3項の規定に基づき、同社に対し、期間を定めて当該表示の裏付けとなる合理的な根拠を示す資料の提出を求めたところ、同社から資料が提出されたが、当該表示の裏付けとなる合理的な根拠を示すものであるとは認められないものであった。
同社は、2025年10月20日までに、課徴金1億903万円を支払わなければならない。
関連リンク:消費者庁 お知らせ
(2025年4月1日発行 GNGニューズレター より抜粋)
●2025年3月25日:消費者庁、4月1日以降の機能性表示食品の届出等告示を公布
消費者庁は3月25日、機能性表示食品の届出等告示を公布した。施行は4月1日からで経過措置は行わない。
告示の他に、機能性表示食品の届出等に関する手引きと質疑応答集も発出された。 手引きは令和7年4月1日から適用され、昨年8月に発出された届出マニュアルについては、同日付けで廃止された。質疑応答集は、以前から運用していたものを全部改正の上で発出された。
機能性表示食品の新たな要件になる、食品表示基準に規定された遵守事項の遵守状況等の自己点検・評価及び報告に関するチェックリストも規定されている。
機能性表示食品の届出情報データベースについても4月1日から新システムに移行した。
関連リンク:消費者庁 政策
(2025年4月1日発行 GNGニューズレター より抜粋)
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今回ご紹介した情報には、「グローバルニュートリション研究会」
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└https://global-nutrition.co.jp/gng-lab/
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└ http://global-nutrition.co.jp/inquiry/inquiry.html
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