GNGが注目するEXPO WESTトレンド振り返り｜ウェルネスフード・ワールド第107回

こんにちは、GNGの和泉です。

ご存じの通り、米国は世界トップの市場規模を誇るサプリメント大国です。
さらに、オーガニック野菜栽培面積は世界第1位、世界のオーガニック食品市場の半分近くを占めるオーガニック大国でもあります。

その米国アナハイムにおいて、2023年3月7日から11日にかけて、世界最大規模の展示会「Natural Products Expo West 2023（NPEW /ナチュラルプロダクツ・エキスポ・ウエスト）」が開催されます。

NPEWについては同メルマガでも過去に何度かお伝えしているため、以前よりメルマガ登録をされている方や、グローバルニュートリション（GNG）研究会会員企業の読者は既にご存知の方も多いと思います。

NPEWについて初めて聞く方のためにご説明しますと、この展示会はNew Hope Networkが主催する、ナチュラル、オーガニック、健康、美容の最新トレンドが集結する世界最大規模の展示会です。業界に関連する様々な教育プログラムも同時開催されます。

同展示会は1981年にスタートし、今年で42回目の開催となりますが、2020年はCOVID-19パンデミックの影響で初の開催中止となり、2021年はオンラインのみでの開催でした。
2022年、2年ぶりに対面式での開催が再開され、2019年から比較するとまだ完全復活とは言えないものの（2019年：出展企業3,600社、参加者86,000人超）、2,700 を超える出展企業と 57,000 を超える参加者を集めました。

そして世界各国で経済活動の正常化が進む2023年は、出展社数、来場者数共に昨年よりも増加することが予想され、初出展企業は800社にのぼることが判明しています。初出展のほとんどがスタートアップ企業で、彼らにとってこの展示会はビジネスの大きな足掛かりとなる重要なものであることが分かります。

GNGも2023年からNPEWの視察を再開いたします。2019年以来の3年振りの視察となるため、どれほどの変化が見られるのか確認したいと考えています。

そこで2023年NPEW視察に先立ち、GNGが2019年NPEWで注目したトレンドを振り返りたいと思います。

■2019年GNGが注目したトレンド

1.  CBD（カンナビジオール）

2.  ブレインヘルス（認知関連商品）

3.  ケトダイエット

4.  睡眠・リラクゼーション

5.  コラーゲン

6.  プレバイオティクス、プロバイオティクス

■2019年NPEWに見る各トレンド概要

1.　CBD
2019年はCBD製品が一気に台頭した年です。出展社数が大幅に増加したことで大きな話題になった。
その経緯として、2018年、米国食品医薬品局FDAが大麻（ヘンプ）由来製品として初めてEpidiolexを医薬品（重度の小児てんかん発作治療薬）として承認したことが挙げられる。同年12月には産業用ヘンプを規制対象植物から除外する米国農業法案が成立し、同市場は爆発的に成長した。ただし、FDAは現在までCBDを食品およびサプリメント成分として認めてはおらず、法規制についてはいまだクレーゾーンである。現在、CBD製品を合法化するため様々な法案が立案されている。

2.　ブレインヘルス（認知関連）
ブレインヘルスサプリメントは、医薬品、サプリメントを含め「スマートドラッグ」、「ヌートロピック（Nootropic）」とも呼ばれる。米国のブレインヘルスサプリメント市場は2014年以降、二桁増の成長となり市場は急拡大している。
2019年のNPEWでは多種多様な訴求のヌートロピック製品が見られた。

3.　ケトダイエット
ケトダイエットとは、厳密には食事の総カロリーのうち約75%を「脂質」、約20%を「タンパク質」、約5％を「糖質（炭水化物など）」とすることで、体をケトーシス状態にする食事法。カロリー制限なし、空腹感なし、短期間で体重を落とせると話題になり、「ケトダイエット」という言葉は2018年、米国のGoogle検索用語「ダイエット」部門のトップになった。
2019年時点では、ほとんどのケト商品が「ケトーシス促進（ケトーシス状態を早める、簡単にするなど）」を表示･訴求していた。

4.　睡眠・リラクゼーション
サプリメントに使用される人気の成分は、マグネシウム、バレリアン、L-テアニン、
ホップ、レモンバーム、カモミール、パッションフラワーエキス、メラトニン等。
2019年はCBDも急増した。「ナチュラル・ヘルシー」トレンドを受け、天然由来原料を使用した製品が増加している。

5.　コラーゲン
米国で近年人気が再燃している。プロテインパウダー、ブロススープからショット飲料、
エナジーバーに至るまで、数多くのサプリメントや食品に配合されていた。以前は「関節の健康」がメインであったが、2019年は、「美肌」「髪」「アンチエイジング」など、美容目的の製品が数多くみられた。

6.　プロバイオティクス・プレバイオティクス
プロバイオティクス製品は定番人気となりつつあるが、2019年時ではあまり目立っていなかった。キムチ、ザワークラウト、ピクルスなどの発酵食品は、植物性乳酸菌由来商品として小規模ながら注目されていた。
プレバイオティクス市場は小規模だが、2019年時点で、3年連続で売上高は倍増し、成長率120％以上である。プロバイオティクスの成長が平行線をたどる中、プレバイオティクスは腸脳相関が注目され始めたこともあり、成長を続けている。

7．その他
Beyond Meatをはじめとする肉代替品の人気が高まり、様々なプラントベース代替品としてヒヨコ豆・エンドウ豆・カリフラワー製品が盛況。

以上、2019年のGNG注目トレンド概要を振り返ってご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。
今年に入り、経済活動が通常に戻っているとはいえ未だ海外の展示会に行くことが制限されている企業様も数多くいらっしゃいます。

そのためGNGでは、『GNG研究会』会員企業様向けに、2023年Natural Products Expo West報告会の開催を決定しました。

報告会および展示会レポートは共に有料となりますが、米国のサプリメント・ナチュラルプロダクト業界の最新トレンドやGNG独自の分析を掲載したレポートをご提供する予定です。

GNGでは、国内および「海外のいま」をお届けできるよう全力で取り組んでおります。
GNG研究会にご興味を持たれた方は、下記より詳細をご覧ください。

グローバルニュートリション研究会

皆様のビジネスに少しでもお役に立てましたら幸甚です。

（株）グローバルニュートリショングループ　和泉　美弥子

＜GNG研究会について＞

GNG研究会では、過去十数年にわたるニューズレターのバックナンバーを会員ページにてすべて公開しています。

そして、例えば「免疫」、「プロテイン」、「乳酸菌」、「腸内細菌叢」など特定のキーワードで過去の記事を見出し検索できるので、トレンド把握に役立ちます。

グローバルニュートリション研究会

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