フランス、フードサプリメントのラベルに「プロバイオティクス」表示を認可、ほか|GNGグローバルニュース2023年1月25日号

こんにちは、GNGの和泉です。

1月25日号のグローバルニュースをお届けいたします。

今号も、様々な市場調査結果や最新の研究等、海外業界メディアによる業界最新記事が盛りだくさんです。

特に今号ではアジア、欧州、米国の規制関連ニュースを数多く取り上げています。2023年も様々な規制の動きが予想されるため、是非ご覧ください。
既にご存じとは思いますが、昨年末、大手チョコレートメーカーのHershey社が米国で基準値を超えるレベルの重金属を含む製品を販売しているとして、消費者から500万ドル(約6億5千万円)規模の訴訟を起こされました。

英国メディアBBCによると、訴えた消費者側は、同社のダークチョコレートバーに含まれる鉛とカドミウムの量を開示しなかったことで消費者に誤解を与え、「知っていればその製品を購入しなかっただろう」と主張しています。

記事にもありますが、ダークチョコレートは豊富な抗酸化物質を含有し、様々な研究により健康への効果が期待できると多くの消費者に認識されています。また、比較的低糖であることから、全米製菓協会の最近の調査によると、回答者の半数以上がダークチョコレートを「より体に良い」と評価したそうです。

この訴訟は、米国の非営利消費者組織であるConsumers Unionが発行する月刊誌 Consumer Reports の最近の調査結果を引用したものです。
同誌はチョコレートメーカー各社のダークチョコレートバー28銘柄の、カドミウムおよび鉛の含有量を測定した結果を公開しました。

それによると、検査対象商品すべてが重金属を含み、前述のHershey’s、そしてGodivaやLindtブランドを含む23 銘柄が「比較的高いレベルの重金属を含有」していることが判明しました。さらにこれらのチョコレートを1日に1オンス(28g)食べた場合、2種類の重金属のうち少なくとも1種類はカリフォルニア州の1日最大摂取量(MADL: Maximum Allowable Dose Levels)を超える重金属に晒される可能性があると指摘しました。

さらに5銘柄のチョコレートバーは、カドミウムと鉛の両方が基準値を超え、特にHershey社、および低糖スイーツで知られる同社傘下のLily’s社の商品の含有量が高いことを報告しています。

なお、2022年8月には米国の非営利団体であるAs You Soも同様の検査結果を公表しており、カリフォルニア州で販売されている469銘柄のチョコレート商品のうち、285銘柄に含まれる重金属がMADLを超過していることが判明しました。

上述の2つの調査結果は共に、全米でもっとも厳しい基準を定めているカリフォルニア州法Proposition 65 (1986年の安全飲料水および有害物質施行法)」に基づいており、CODEX委員会が策定した国際基準値とは若干異なる可能性があります。

しかしながら基準値以上の重金属を長期間摂取し続ければ様々な健康上の問題を引き起こす可能性があるため、食品の重金属含有量に関しては改めて注意する必要があるかもしれません。

和泉 美弥子

この記事について

GNGでは、会員向けに世界各国の健康・食・栄養に関するニュースをセレクトし、日本語に要約したものを月に2回、ニューズレター「GNGグローバルニュース」として配信しています。

本日配信したグローバルニュースでは、2023年、成長が見込まれる3つの食品・飲料分野、食生活を長期的に改善する効果的なツール:野菜や果物の消費を増やすためのアプリを開発、ポリフェノールと心の関係:より精密なマイクロバイオームシーケンスの必要性、腸内細菌叢は年齢を表すバイオマーカーになりうる、など19の記事を取り上げています。

この記事では、その会員向けニューズレターの一部を抜粋してご紹介させていただきます。

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■GNGグローバルニュース 2023年1月25日号 トピックス

Market News マーケット
●2022年のオメガ3類における課題と問題点
●乳製品代替品に対する意識調査
●2023年、成長が見込まれる3つの食品・飲料分野

Products News 商品情報
●食生活を長期的に改善する効果的なツール:野菜や果物の消費を増やすためのアプリを開発

Science News サイエンス
●アミノ酸プロファイリングはカスタマイズされた認知症介入を促進する可能性:分析
●ポリフェノールと心の関係:より精密なマイクロバイオームシーケンスの必要性
●睡眠不足は腸内細菌叢を破壊し、サルコペニアを悪化させる可能性
●ブルーベリーの神経保護効果は抗酸化作用にとどまらない

Company News 企業情報
●腸内細菌叢は年齢を表すバイオマーカーになりうる
●地中海食ダイエットを用い妊娠中の問題を軽減する可能性
●アーモンドは代謝の回復をサポートし、有益な脂肪を増加させる
●スパイス化合物の抗大腸がん効果については、さらなる研究が必要

Regulatory News 法規制
●培養肉は大きな成長を遂げることができるか:Upside Foods社に聞く
●2022年における健康栄養食品分野の規制をレビューする
●韓国はオーダーメイド栄養食品産業を支援するため、規制見直しを計画
●DSHEA除外条項に関するFDAの解釈を分析:Marc Ullman弁護士
●FTC、新しい「ダイエタリーサプリメントコンプライアンスガイダンス」を発表
●APACにおけるニュートラシューティカル分野の新しい規制
●フランス、フードサプリメントのラベルに「プロバイオティクス」表示を認可

[今号のハイライト]
フランス、フードサプリメントのラベルに「プロバイオティクス」表示を認可

[2023/1/9] [nutraingredients.com]

国際連合食糧農業機関 (FAO)/WHO の公式定義では、ヘルスクレームとは「適切な量を投与されたとき、宿主に健康上の利益をもたらす生きた微生物」とされているため、欧州当局はこれを暗黙のヘルスクレームとみなしており欧州全域で用語の使用について異論があった。

その中で最近、スペイン、デンマーク、イタリア、ギリシャ、ポーランド、チェコ、オランダ、ブルガリアを筆頭に、この言葉の使用を認める国が増えてきている。
フランス経済省の競争・消費者問題・不正防止総局は、サプリメントのラベルに「腸内フローラのバランスに寄与する」という表現とともに「プロバイオティクス」という言葉を、1 回あたりの生菌数を規定するなど一定の条件を満たせば使うことができると発表した。

この発表はプロバイオティクス分野の多くの関係者から歓迎され、国際プロバイオティクス協会(IPA)ヨーロッパのエグゼクティブディレクターである Rosanna Pecere 氏は、「IPA と IPA ヨーロッパは、プロバイオティクスに関する欧州環境で熱心に活動しており、用語の使用に対する姿勢が軟化し、またヘルスクレームの使用が追加されたことを嬉しく思っています」と述べている。

IPA グローバル本部長の George Paraskevakos 氏は、「この取り組みは、現在世界的に進められているプロバイオティクスに関するすべての取り組みと連携しており、今年後半に再開されるコーデックス規格におけるプロバイオティクス規制のハーモナイゼーション提案の継続にうまくつながっていく」と述べている。
「Lumina Intelligence」の Ewa Hudson 氏の報告によると、2022 年のオンライン販売の観点から見ると、欧州市場が最大の成長率を示しており、他の地域の伸び率を 5%近く上回っている。このことは、欧州の消費者のプロバイオティクス製品に対する渇望をさらに強調するものであり、IPA EU と IPA が欧州のみならず世界規模で行っている、品質、安全性、効果をもたらすプロバイオティクスの普及活動の重要性をさらに強調するものである。」と強調する。さらに、これからの課題として用語の使用に関して欧州圏全体での統一性の確立を呼びかけている。

(会員向けニューズレター「GNGグローバルニュース2023年1月25日号」より抜粋)

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