FDAが食品表示における「Healthy」の主張定義の更新を提案、ほか|GNGグローバルニュース2022年10月12日号

こんにちは、GNGの和泉です。
10月12日号のグローバルニュースをお届けいたします。

今号も、海外業界メディアから数多くの業界最新ニュースを取り上げています。ぜひご覧ください。

注目されていた方も多いかと存じますが、10月3日から10日にかけて、2022年のノーベル賞受賞者が発表されました。
日本からは受賞者こそ出なかったものの、報道を見る限りでは各分野で日本人の候補者がリストアップされ、数年前から言われている、日本からノーベル賞受賞者が消えるかもしれないという懸念は杞憂に過ぎないようにも思われました。
しかし、日本は研究論文の数が減っているとされ、研究者向けの研究開発費予算が他の先進諸国に比べて桁違いに低く、頭脳流出が顕著になりつつあると言われています。日本の将来のためにも、政府による研究開発分野への支援の増加を切に願っています。

先日、米国メディアのUS News & World Report(以下US News) から世界85 カ国を対象とした『Best Countries 2022(世界最高の国ランキング 2022年)』が発表され、1年ぶりにスイスが「世界最高の国」として首位に返り咲きました(2021年の1位はカナダ)。同ランキングは73 の異なる基準に基づいたカテゴリー別スコアにより評価されており、毎年世界中から注目されています。

スイスはなかでも、「Open for Business(ビジネスの開放性)」、「Quality of Life(生活の質)」の評価が際立っていました。
US Newsの定義によると、「Open for Business」は、官僚主義でない、安価な製造コスト、腐敗していない、有利な税制環境、透明な政府慣行の5項目で評価され、「生活の質」の評価は、食、住宅、質の高い教育、医療、雇用への幅広いアクセスのほか、雇用の安定、政治的安定、個人の自由、環境の質などの無形資産も含まれるそうです。
スイスに続く国別ランキングトップ10は、2位:ドイツ、3位:カナダ、4位:米国、5位:スウェーデン、6位:日本、7位:オーストラリア、8位:英国、9位:フランス、10位:デンマークとなりました。

日本の評価で最も高いカテゴリーは、昨年に引き続き「Entrepreneurship(企業家精神)」でした。カテゴリー名だけ見ると意外に感じますが、これは「他国との連携」「革新性」「習熟した労働力」「インフラの発達」など、“起業しやすい環境”が評価の対象となっています。カテゴリー順位はドイツ、米国に続く3位でした。
評価が低かった主なカテゴリーは、「ビジネスの開放性」39位、「Adventure(冒険的な観光資源)」28位、「Social Purpose(社会的目的:市民の権利)」23位、「生活の質」14位でした。特に39位の「ビジネスの開放性」については昨年の26位から大幅に順位を落としており、製造コストや税制面などがビジネスフレンドリーではないことが、低評価につながっているようです。
私たちの生活に直結する「生活の質」については、良質な雇用市場、経済的、政治的な安定性や教育制度の発達において高い評価を得たものの、所得の均等、製品価格などは昨年に引き続き低評価となっています。

US Newsによる日本のランキングは残念ながら2021年の2位から6位へダウンしていますが、世界トップ10の国として評価されていることに違いはありません。順位に一喜一憂するのではなく、良い面は引き続き伸ばし、評価の低かったカテゴリーを課題として認識し、改善に向けた一歩を踏み出すことこそが重要だと考えています。

和泉 美弥子

この記事について

GNGでは、会員向けに世界各国の健康・食・栄養に関するニュースをセレクトし、日本語に要約したものを月に2回、ニューズレター「GNGグローバルニュース」として配信しています。

本日配信したグローバルニュースでは、Natural Products Expo Eastにおける10大トレンド:Natural Foods Merchandiser、機能性食品としての麻、オーストラリアで研究開始、スピルリナ抽出物が軽度認知障害の高齢者の記憶力を高める可能性、FDAが食品表示における「Healthy」の主張定義の更新を提案、など13の記事を取り上げています。

この記事では、その会員向けニューズレターの一部を抜粋してご紹介させていただきます。

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■GNGグローバルニュース 2022年10月12日号 トピックス

Market News マーケット
●Natural Products Expo Eastにおける10大トレンド:Natural Foods Merchandiser
●プラントベース食品への「超加工」「超不健康」認識、企業が反論
●アップサイクル事業の推進に向けて:イベント「Climate Smart Food」
●精密発酵や細胞農業はどのように規模を拡大していけるか
●機能性食品としての麻、オーストラリアで研究開始
●砂糖削減トレンドの次は

Science News サイエンス
●プロバイオティクスヨーグルトは重金属から体を解毒する可能性
●脱脂米ぬかの摂取が血圧とHbA1c値を改善することがRCTで示される
●調査:インドで新型コロナウイルス感染症患者を対象にビタミンDと亜鉛の補給を評価
●スピルリナ抽出物が軽度認知障害の高齢者の記憶力を高める可能性
●Orbillion Bio社とLuiten Food社が提携、世界初の「細胞培養Wagyu Beef」を欧州で販売へ

Regulatory News 法規制
●英国の肥満対策が施行延長
●FDAが食品表示における「Healthy」の主張定義の更新を提案

[今号のハイライト]FDAが食品表示における「Healthy」の主張定義の更新を提案

[2022/9/28] [fda]

米国食品医薬品局(FDA)は、食品表示に「Healthy(健康的)」と表示する際の基準を改定することを提案した。この改定案では、「Healthy」の定義を現在の栄養科学、最新の食品表示、および現在の米国栄養ガイドラインと一致させるとしている。
この改定案は、消費者が栄養と食事パターンを改善し、慢性疾患の負担を軽減、健康の公平性を高めることを支援するという、当局の継続的な取り組みの一環である。
最新の栄養科学に基づく「Healthy」の定義案では、ナッツ類や種子類、高脂肪魚(サーモンなど)、特定の油、水など、健康的な食事パターンの一部として食事ガイドラインで推奨されている多くの食品がこの主張を使用できるようになる。
消費者が健康的な食品をより簡単に識別できるよう、当局は、メーカーが自社製品が「Healthy」主張基準を満たすことを示すために、使用できるシンボルの開発についても調査、検討を行っている。
FDAはすべての消費者が健康的な選択をし、それを利用できるようにするための国家戦略を支援するための措置を引き続き講じていくとしている。

(会員向けニューズレター「GNGグローバルニュース2022年10月12日号」より抜粋)

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