精密発酵のたんぱく質開発が活発化、ほか|GNGグローバルニュース2022年8月26日号

こんにちは、GNGの和泉です。
8月26日号のグローバルニュースをお届けいたします。

今号も海外の多彩な最新ニュースを取り上げています。ぜひご覧ください。

さて、International Alliance of Dietary Supplement Associations (IADSA) が公開している「Mind the Gap」シリーズで最近公開されたデータによると、各国および各地域の機関ごとにビタミンC推奨摂取量(RDA)にかなりの違いがあることが分かりました。

調査によると、ベースとなる科学的根拠はほぼ一貫しているにもかかわらず、ビタミン C 推奨摂取量は世界中で大きく異なり、最低摂取量と最高摂取量の差が 3 倍近くになることが判明しました。

例として、EUにおける成人男性のビタミンC推奨摂取量は110mg/日であるのに対し、英国、インドでは40 mg/日とされています。

IADSAはこの理由として、元々はビタミンC欠乏症予防に基づいた数値で設定していたのが、近年になって体内の十分なビタミンCの状態を維持することを目的とした数値に更新している国が増加していることを挙げています。

なお、日本の成人(15歳以上)におけるビタミンC推奨量は100mg/日とされています(厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」より)。

いくつかの疫学研究では、体重の多い人ほどビタミンCの数値が低いことが判明しており、世界的に肥満が蔓延している現在、多くの専門家が体重を考慮した推奨量を設定すべきであると考えているそうです。さらに、高齢者はビタミンC摂取量が少ない可能性があることも研究により示されています。

皆様もご存じ通り、ビタミンCは体内における骨や腱などの結合タンパク質であるコラーゲン生成に必須の化合物であり、毛細血管・歯・軟骨などを正常に保つ働きのほか、抗酸化作用、免疫および神経機能のサポートなど、多くの重要な機能を果たしています。

世界各国のガイダンスが統一され、世界中の全ての人々が適切な量のビタミンC を摂取できる日が来ることを願っています。

和泉 美弥子

この記事について

GNGでは、会員向けに世界各国の健康・食・栄養に関するニュースをセレクトし、日本語に要約したものを月に2回、ニューズレター「GNGグローバルニュース」として配信しています。

本日配信したグローバルニュースでは、精密発酵のたんぱく質開発が活発化、栄養のパーソナライズ化は、大規模統計データとシミュレーションが不可欠、Beyond Meat社の売上が低迷、第二四半期は1.6%減、ニュージーランド、自己評価システムを介したサプリメント規制へ、など15の記事を取り上げています。

この記事では、その会員向けニューズレターの一部を抜粋してご紹介させていただきます。

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■GNGグローバルニュース 2022年8月26日号 トピックス

Market News マーケット
●精密発酵のたんぱく質開発が活発化
●EUの消費者72%が、サプリメントの安全性と品質を信頼
●最新データ:韓国の健康機能食品生産額が昨年20%近く増加

Science News サイエンス
●栄養のパーソナライズ化は、大規模統計データとシミュレーションが不可欠
●高たんぱく食はアスリートの持久力を低下させる可能性あり
●酢の物が腸内環境に影響を与え、男性の血圧を下げる可能性
●腸内細菌が痛みの耐性と感覚を管理する可能性あり
●プロバイオティクスがCOVID-19に対する免疫反応を高める可能性
●ケルセチンと運動の組合せが運動単独より筋肉の質を高める可能性
●アマゾンで販売の免疫系サプリメント、大半で内容とラベルが不一致

Company News 企業情報
●Beyond Meat社の売上が低迷、第二四半期は1.6%減
●Amazonの実店舗売上が2桁増
●Metagenics社、Nutri Advanced社の買収によりEUでの規模拡大

Regulatory News 法規制
●ニュージーランド、自己評価システムを介したサプリメント規制へ
●イタリア、ターメリック含有商品の健康強調表示を禁止、警告文の記載を求める

[今号のハイライト]精密発酵のたんぱく質開発が活発化

[2022/8/10] [foodingredientsfirst.com]

世界的にたんぱく質の需要が高まる中、食品・飲料企業は非動物性のたんぱく質を効率的に生産するサステナブルなイノベーション開発に注力している。

例えば、この分野で頭角を現しているフードテックスタートアップのImagindairy社は、プラントベース成分を始めとし、多様なたんぱく質源を持続的に模索している。同社CEOのEyal Afergan氏によると、「現在、AIを活用して、費用効果の高いアニマルフリーのホエイたんぱくの生産を目指している」と話した。たんぱく質の生産には精密発酵を用いるが、費用対効果を狙うプロセスの核は高度微生物発現システムだという。「結果として、味、機能性、口当たり、栄養の点で一般乳製品に負けない質を提供できた」と自信を示した。

ビーガン用「ミルク」を開発しているスタートアップ、Perfect Day社は精密発酵技術を駆使して、アニマルフリー乳製品を生産している。同社のAnne Gerow氏は、「味、食感、栄養、機能性において、妥協なしの成分の生産を目指している。さらに、私たちの生産システムは従来のシステムに比べ、水使用が99%、温室効果ガス排出も97%まで削減している。アニマルフリーのたんぱく質はサステナブルな未来を形成する代表的な要素である」と強調した。また、同社のたんぱく質に興味を示す企業が増加していることで、ビジネス機会の拡大が期待できるという。例えば、betterland foods、Tomorrow Farms、Strive、Gneral Mills、N!cks Ice Creamなどがパートナーシップを結んでいる。同社は昨年、高まる需要に対応するため、アニマルフリーたんぱく質生産を500%増加している。

(会員向けニューズレター「GNGグローバルニュース2022年8月26日号」より抜粋)

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