こんにちは、GNGの武田です。COVID-19の影響で、毎年3月にカリフォルニア州アナハイムで開催されるNatural Products Expo West の開催が見送られました。

毎年、最新のトレンドを肌感覚で掴むために視察に行っていましたが、今年は残念ながらそれが出来ませんでした。
そこで、昨年から続いている、今ホットな米国ウェイトロストレンドをお伝えしたいと思います。

大注目の「KETO」

昨年、展示会、自然食品店の視察を行った際、例年にも増して「KETO」の文字が目立ちました。

ケトダイエットとは

高脂肪低炭水化物をコンセプトとしたダイエット(ウェイトマネジメント)法であり、医療現場ではケトン食療法として用いられています。ケトン食療法は糖・炭水化物を減らし脂肪を増やした食事で、脂肪が分解されてケトン体が体内で作られ効果を発揮します。食事中の脂肪/(糖+炭水化物+タンパク質)の比率(ケトン指数)を3~4:1 にするのが一般的です。バランスの偏った食事なので医師と栄養士の指導が必要であるとされています。

米国では、アトキンス・ダイエットに端を発した低炭水化物ダイエットローカーボ・ダイエット)がウェイトマネジメント主流となり、今日に至っています。現在のケトダイエット市場における商品は以下の3つのタイプがあります。

ケトダイエット市場における3つのタイプの商品

  1. 低炭水化物、高脂肪のシェイクやバーを用いてケトーシス(体内のケトン体が増量した状態)にもっていき、エネルギー源として炭水化物の代わりに脂肪分を使う状態にする

  2. 中鎖脂肪酸(MCT:Medium Chain Triglyceride)を積極的に摂取し、血中のケトン体を増量させる

  3. 直接ケトン体(BHB:Beta-Hydroxybutyrate、β-ヒドロキシ酪酸)を摂取する

    実際には、上記1~3を組み合わせた商品も多くあります。

KETO認証マークのスナックバー

展示会場では「KETO CERTIFIED」という認証マークまで登場していました(少なくとも一昨年のExpo では見かけませんでした)。認証は、PALEO FOUNDATIONが行っており、食品、食事代替型食品、スナック、調味料それぞれに炭水化物の規格基準が設けられています。

  Meals、Meal replacement 10g 以下/サービング
  Snack 6g 以下/サービング
  調味料 2g 以下/0.5oz(約14g)

展示会場ではKETO 認証マークの付いた“GOOD TO DO”というスナックバーが展示されていました。バー1 本(1.4oz)あたり、炭水化物3g、脂質13g 以上、プロテイン5g 以上となっていました。

ケトダイエット市場は、ダイエット(ウェイトマネジメント)を訴求する商品だけでなく、ケトーシスケトジェニック訴求した商品も多く見られます(“Quick and easy ketosis”、“Helps you stay in ketosis”など)。

幅広く活用される中鎖脂肪酸 (MCT)

米国におけるココナッツオイルの普及は、パレオダイエットにより促進されました。パレオダイエットとは、旧石器時代の食事法を再現したダイエット法で、人工的に手の加えられていない野菜全般魚、果物ナッツ主な食物とします。

炭水化物、豆類、砂糖や塩を含む調味料、乳製品、添加物を摂りません。 穀物を摂取しないため、油はオリーブオイルココナッツオイルを使用します。

MCTが認知症改善にも!

MCT が注目されるようになったのは、2008 年にココナッツオイルによる認知症改善のレポートが米国の医学博士によって発表されたことによります。

南フロリダ大学のメアリーニューポート博士が、アルツハイマー病の初期であった夫にココナッツオイルを毎日数杯服用させることで、全く書けなかった時計の文字盤が書けるようになったという症例を報告したことがブームの火付けとなりました。

そのため、ケトーシスは、脂肪燃焼だけでなく、認知機能を活性化するブレインヘルスとしても期待されています。

“Zone Perfect KETO”は体脂肪燃焼を訴求した商品ですが、”KETO ZONE MCT OIL POWDER”には“BRAIN FOOD”、”ENHANCEKETONE LEVELS”、“KETO ZONE MCT OIL SOFTGELS”には、”SUPPORTS MENTAL FOCUS”とも表示されています。

米国のBHB市場

日本ではまだ使用された商品はありませんが、米国BHB 市場は、2014 年~2015 年にかけて形成された、比較的新しい市場であり、2018 年の小売市場は約288 百万ドルでした。粉末タイプが主流で、続いてカプセル商品、少ないですがリキッド商品もあります。

MCT オイルとの相乗効果を狙う商品が多く、ミールリプレイスメント(食事代替型食品)、運動前・後のサプリメントカテゴリーがメインとなっています。 主要販売チャネルはオンライン販売で約7 割を占めており、その約6 割をAmazon が占めています。

ほとんどの商品が「ケトーシス促進」を表示・訴求しています((ケトーシス状態を)“早める”、“簡単にする”、“長くする”など)。その他、“エナジー促進”“集中力を高める”“ダイエット” を訴求する商品もみられます。

BHB 塩はMCT とのコンビネーションにおいて「ケトーシスまでの時間を短縮し、血中ケトン体レベルを長時間維持できる」というベネフィットが訴求されています。また、カフェインとのコンビネーションも見られる他、スポーツニュートリション商品も関心が高まっています。メディカルフードでの採用はケトンダイエット、脂肪酸酸化異常症の治療で用いられるケースが増えているようです。

「10 Key Trend」 の中の “Fat reborn” の理由の1つにケトへの関心

英国New Nutrition Business誌は、毎年、食品・健康ビジネスのトレンドとして「10 Key Trend」を分析しています。2020年の「10 Key Trend」の1つに、“Fat reborn”(見直される脂肪の価値)が取り上げられています。その理由の一つが「低炭水化物低糖質ケトへの関心」となっています。

今後、日本でもケトダイエットが話題になることが増えると思いますが、3つのタイプを理解した上で、トレンドとして取り入れる必要があると思います。

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18年間の実務経験と16年間のコンサル経験を積み、34年間一貫して健康食品ビジネスに携わる。国内外600以上のプロジェクトを実施。「世界全体の中で日本を位置付け、自らのビジネスを正確に位置付ける」という「グローバルセンス」のもとに先行する欧米トレンドを取り入れたコンセプトメイキングに定評がある。世界各地にネットワークを築き上げ、情報活用サービス「グローバルニュートリション研究会」主宰。食品会社、化粧品会社、製薬会社の健康食品部門に対して、商品開発・マーケティング・海外進出などのコンサルティングを行っている。人が幸せに生きるためには健康が第一である。健康食品産業は「幸せ創造産業」である、という信念のもと、クライアントの成功を通じ、消費者に支持される業界を目指し、業界で働く人すべてが自分の仕事に誇りと自信をもてるようにしたいという想いから、業界健全化活動にも取り組んでいる。