肥満による健康への害を体験した英国のリーダーは介入するのか?、ほか|NNBマガジン2020年6月号

こんにちは、GNGの和泉です。

6月30日、EUは7月1日の国境再開時にEU国内へ入国が許可される15ヶ国のリストを公表しました。ここには日本も含まれています。これは国籍ではなく居住地が基準だそうです。米国については現在COVID-19の新たな感染が1日で48,000件を超え、12万6千人の総死者数をみてもリスクが高すぎるという理由で、リストには含まれていません。

今号では、英国の肥満についての記事が取り上げられています。

少し前の英国の日刊紙The Sunの記事になりますが、2016年の経済協力開発機構 (Organisation for Economic Co-operation and Development)の発表によると、英国の成人の肥満率は27%で西ヨーロッパでは最も多く、1996年から92%も増加しているそうです。

さらに2018年の英国保健サービス(NHS)の発表では、英国の男性の67%女性の60%が太りすぎ(うち肥満は男性26%、女性29%)だということです。2030年までに英国の人口の約半数が肥満になる可能性があるといわれています。

そして6月24日の英国Daily mail誌では、50代で肥満になると認知症を発症するリスクが大幅に上昇する可能性があるという記事が掲載されました。
英国University College Londonの研究チームが50歳以上の6,582人のデータを分析したところ、BMI値18.5~24.9の人と比較して、調査開始時のBMI値30以上の人の認知症発症リスクは、平均11年後で31%高いことが判明したそうです。
研究者たちは、肥満脳内のアミロイドタンパク質または病変の蓄積の一因であり、ある種の認知症の原因となる可能性があることを示唆しています。

日本とは比較にならないほどの肥満率を誇る英国ですが、2005年、英国の人気シェフであるジェイミー・オリヴァー氏が、学校給食の栄養バランスの質を高めるため「給食革命」に挑みました。
しかし10年にわたる活動にもかかわらず、高脂肪・糖分過多の給食を提供する学校は減らず、2015年8月、オリヴァー氏は敗北を認めます。その理由として英国ならではの階級問題があるといいます。健康的な食品、味の良い料理を食べようというのは裕福な中産階級の関心事であり、英国の人口の大部分を構成する労働者階級は見向きもしないとのことでした。

英国の肥満対策は単純にはいかないようです。

(株)グローバルニュートリショングループ 和泉 美弥子

この記事について

GNGでは、会員向けに英国発信の食品・栄養・健康分野の業界専門誌【NNBマガジン(New Nutrition Business)】を日本語に要約し、定期的にお届けしています(月1回)。

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本日配信したNNBマガジンでは、肥満による健康への害を体験した英国のリーダーは介入するのか?、ニューノーマルとなりつつある低炭水化物食、古いものを再び新しくすることに秀でるには、などを取り上げています。

この記事では、その会員向けマガジンの一部を抜粋してご紹介させていただきます。

■NNB(New Nutrition Business)6月号 トピックス

今回、会員向けに日本語要約してお届けしたNNBの話題は以下の通りです:

●売上が急減したプロテインアイスクリームのスーパースター
●肥満による健康への害を体験した英国のリーダーは介入するのか?
●ニューノーマルとなりつつある低炭水化物食
●つまづいたHershey社のスナック
●古いものを再び新しくすることに秀でるには
●たくましい筋肉はヨーグルトを超え複数カテゴリーに関わる
●サプリメントと勝負するグラスフェッドのフィットネス食品
●売上高の急増、チーズスナッキングの勢いを物語る
●ミレニアル世代の母親は、健康的なストレス緩和剤としてCBDに目を向ける
●野菜でいっぱいの冷蔵庫における楽しみのためのスペース

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[今号のハイライト]
肥満による健康への害を体験した英国のリーダーは介入するのか?

政府は30年にわたり、過体重および肥満クライシスの改善という問題に対し、留意(または実行を伴わない賛同)を続けてきた。しかし、急務として政治家の心を集中させるような、命を脅かす出来事と並ぶものはなかった。

主要メディアによると、英国の首相Boris Johnson 氏は、新型コロナウイルスとの闘いの一環として、肥満問題に取り組むと明言している。同氏は、肥満に対する「より介入的な」アプローチを支持する、と報じられている。
一部の研究者は、肥満による新型コロナウイルスの死亡リスクは 2 倍に高まると考えている。

(会員向けニューズレター「NNBマガジン2020年6月号」日本語要約版より抜粋)

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