NZの国民的フルーツ、フェイジョアの糖尿病予防効果に関する研究が開始される、ほか|GNGグローバルニュース2023年9月25日号

こんにちは、GNGの和泉です。

9月25日号のグローバルニュースをお届けいたします。

今号では、欧州の消費者の多くが健康問題で最も重要だと考えられる分野についてブレインヘルスを挙げていることが判明した消費者調査、また、米国のブレインヘルス関連サプリメントの売上が急上昇するなど、ブレインヘルスへの関心が高まっていることが分かるニュースをとり上げています。さらに、中国保健食品の新規機能性表示のための技術ガイドライン、ニュージーランドの国民的フルーツであるフェイジョアの健康効果を検証する長期臨床研究が開始など、様々な記事を紹介しています。是非ご覧ください。

米国タフツ大学フリードマン栄養科学・政策大学院の研究者らによって実施され、American Journal of Clinical Nutrition誌に掲載された最近の研究によると、米国の4分の1の学校給食で、いまだに適切な栄養が不足しているという結果が出たそうです。研究者は、最新の「米国人のための食事ガイドライン」に完全に準拠した(より少ない砂糖、塩、より多くの全粒穀物)学校給食を提供することで、学生の短期的・長期的な健康問題が大幅に削減される可能性があると述べています。

この研究ではまた、上記の変更によって食事に関連した病気による年間10,600人以上の死亡を防ぎ、成人後の医療関連費用を年間190億米ドル以上節約できると推定しています。この研究結果は、学校給食の内容を少し変更するだけで、生徒の長期的な健康および医療費にプラスの影響を与える可能性を強調しています。

給食によって成人後の年間医療費にここまで差が出ることに驚き、幼少期の栄養摂取がいかに大切かを改めて実感しました。

皆様のビジネスのお役に立てますと幸甚です。

和泉 美弥子

この記事について

GNGでは、会員向けに世界各国の健康・食・栄養に関するニュースをセレクトし、日本語に要約したものを月に2回、ニューズレター「GNGグローバルニュース」として配信しています。

この記事では、その会員向けニューズレターの一部を抜粋してご紹介させていただきます。

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■GNGグローバルニュース 2023年9月25日号 トピックス

Market News マーケット
●欧州の消費者は脳の健康を最優先
●全世代で脳の健康に対する関心が急拡大
●食品飲料における認知機能関連成分の消費者へのアピールは慎重に:Mintel社ポッドキャスト
●米サプリメント市場では販売チャネルとしてEコマースが優位

Products News 商品情報
●ニンジンエキス「BeniCaros」は一貫した効果を提供
●免疫機能をサポートするKemin社の藻類由来βグルカン「Betavia」

Science News サイエンス
●ビートルートジュースは女子アスリートの筋肉疲労回復に有効である可能性
●ビタミンDは女性の泌尿生殖器の健康維持に有望
●NZの国民的フルーツ、フェイジョアの糖尿病予防効果に関する研究が開始される

Company News 企業情報
●New Culture、代替モッツァレラチーズの生産規模を拡大し通常価格の実現を目指す
●L Catterton、Thorne Health Tecを買収

Regulatory News 法規制
●新規機能性表示に関するガイドライン発表直後、BYHEALTHが機能性表示を申請:中国

[今号のハイライト]
NZの国民的フルーツ、フェイジョアの糖尿病予防効果に関する研究が開始される

[2023/9/6] [nutraingredients-asia.com]

ニュージーランドの研究者らは、ウエイトロスおよび血糖値低下に対する Feijoa(フェイジョアまたはフィジョアとも呼ばれる)の健康効果を探るため、「世界初の長期臨床試験」を開始した。
FERDINAND と名付けられたこの研究は、ニュージーランドの研究コンソーシアム HVN(High-Value Nutrition:高付加価値栄養)National Science Challenge の大規模プログラムの一環であり、HVN National Science Challenge による資金提供を受けている。
フェイジョアはニュージーランドで広く消費されている果物で、多くの家庭の裏庭でも栽培されているが、ここ数年で輸出量が伸びており、現在の輸出国のトップは北米・南米である。この研究は、ニュージーランドの食品・飲料会社と協力し、アジア人コミュニティにおける体重増加と2 型糖尿病の発症という栄養問題に取り組むものだが、健康政策とは別に、ニュージーランドの食品・飲料企業のアジアへの輸出促進をサポートすることも目的としている。

研究の方法は、糖尿病予備軍で肥満または過体重の参加者 160 名を対象とした 6 カ月間の二重盲検ランダム化比較試験である。以前イランで実施された 2 型糖尿病患者を対象としたフェイジョアに関する研究を基に、オークランド大学の人間栄養学ユニット AgResearch、Malaghan 研究所、Plant and Food Research の研究者らによって実施される。今年の 8 月から参加者の募集が開始されている。

研究者によると、最初の 2 カ月間、参加者は低カロリーのケンブリッジ式食事法を基にした、スープ、シェイク、ホットミールなどのミールリプレイスメント製品のみを摂取する。参加者はまた、フェイジョア(全果)パウダー約 1g を毎日摂取する群とプラセボ群に分けられ、フェイジョアパウダーを毎日摂取することで 2 型糖尿病の発症リスクが改善されるかどうかを調査する。

次の 4 ヵ月間は体重維持期間で、介入群はミールリプレイスメントから、管理栄養士の指導の下で通常の食事に戻されるが、フェイジョアパウダー群は継続して毎日摂取する。
主な測定項目は、空腹時血糖、体重、体組成、代謝率等で、また、参加者が記入した食事日記も評価する。前述のイランの研究では、フェイジョア摂取群は対照群に比べ、空腹時血糖値、グリコシル化ヘモグロビン、コレステロール、中性脂肪が減少した。これにより、フェイジョアの摂取は、糖尿病患者の高血糖と高脂血症のコントロールを改善し、2 型糖尿病患者の冠動脈血管疾患のリスクを低減することが判明している。

(会員向けニューズレター「GNGグローバルニュース2023年9月25日号」より抜粋)

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