こんにちは、GNGの和泉です。
2月24日号のグローバルニュースをお届けいたします。
いまだCOVID-19の脅威が収まらない中、COVID-19とビタミンDとの関連性を示唆する新しい研究が続々と発表され続けています。
今号では関連ニュースを2本取り上げていますので、ぜひご覧ください。
ビタミンDは世界的に注目されていますが、南米ブラジルでも、ビタミンDの免疫、骨の健康、
健康的な加齢、健康全般をサポートする役割への関心が、この2年間で急激に高まっているそうです。
ブラジル保健規制庁(ANVISA)は最近、PLT Health Solutions社のビタミンD『Earthlight Whole Food Vitamin D』について、食品、飲料、サプリメントへの使用を承認しました。
同製品は、オーガニック・プラントベース由来で「クリーンラベル」のビタミンDとされています。
Earthlightは、キノコに光を当てる特許取得製法で抽出溶媒を一切使用せず最小限の処理で製造され、
原料1gあたり1,000マイクログラム(40,000IU)のビタミンDを供給するそうです。
PLT社によると、高濃度のビタミンDは使用量を低く抑えることができるため、食品や飲料製品に含まれる有機レプチンにも影響を与えないということです。
同製品は米国FDA(食品医薬品局)から食品添加物としての承認を受けており、2020年には、欧州でも新規食品承認を取得しています。
ただし、皆様もご存知の通り、キノコ由来のビタミンDはビタミンD2(エルゴカルシフェロール)です。
諸説ありますが、動物由来のビタミンD3(コレカルシフェロール)よりも活性が低いとされており、多くのサプリメントでビタミンD3が使用されています。
予防としてのビタミンDの重要性の認識が今後さらに広がっていくことが予測されますが、
ビタミンD2およびD3についての様々な議論も増えていくかもしれません。
和泉 美弥子
この記事について
GNGでは、会員向けに世界各国の健康・食・栄養に関するニュースをセレクトし、日本語に要約したものを月に2回、ニューズレター「GNGグローバルニュース」として配信しています。
本日配信したグローバルニュースでは、ビタミンD、オメガ3摂取が自己免疫疾患の発症リスクを下げる可能性、目のダイエタリーサプリメントは処方と価格に大きなばらつき:オーストラリアなどの商品評価、など13の記事を取り上げています。
この記事では、その会員向けニューズレターの一部を抜粋してご紹介させていただきます。
……グローバルニュートリション研究会 会員企業様は、会員サイトにて、すべての記事をお読みいただけます。
■GNGグローバルニュース 2022年2月24日号 トピックス
MARKET NEWS マーケット
●消費者は食品ブランド、小売業者に透明性の高さを求める:FMI・ニールセンIQ調査
●食品企業・ブランドは地球環境を守るべき:消費者意識
SCIENCE NEWS サイエンス
●ビタミンD、オメガ3摂取が自己免疫疾患の発症リスクを下げる可能性
●食糧資源の一つとして火星での海藻の栽培やバイオリアクター栽培への取り組みに注目が集まる
●目のダイエタリーサプリメントは処方と価格に大きなばらつき:オーストラリアなどの商品評価
●ビタミンD不足とCOVID-19感染症状の重症度・死亡率が関連する可能性を示唆する新たな研究
PRODUCT NEWS 商品情報
●Roquette社のエンドウ豆由来タンパク質がDIAASスコア100を獲得
COMPANY NEWS 企業情報
●パーソナライズドニュートリション分野の買収事例:bioniq社がLOEWI社を買収
●パンデミックが健康飲料事業を後押し:英Purearth社の世界的成長
●Nestlé Health Science社、Orgain社の買収でプラントベースプロテインのポートフォリオを拡大
REGULATORY NEWS 法規制
●UNPA、中国の新しい税関規制手続きに臨む米食品企業の支援へ
●英FSA、CBD関連業者40社に対し商品の安全性評価データの提出を要求
●英国FDFの食物繊維摂取推進キャンペーンを多くの食品・飲料ブランドが支援
[今号のハイライト]
ビタミンD不足とCOVID-19感染症状の重症度・死亡率が関連する可能性を示唆する新たな研究
[2022/2/14] [scitechdaily.com]
ビタミンD不足とCOVID-19感染の重症度および死亡率との関連性を示唆する新しい研究結果が、イスラエルの研究チームから発表された。
ビタミンDの役割は骨や関節におけるものばかりでなく、自己免疫疾患や、心血管系疾患、感染症と、さまざまな疾患においても大きな働きを果たすことが、最近の研究で示唆されるようになった。
COVID-19パンデミック以降は特に、呼吸器系疾患との関わりが大きく取り上げられ、ビタミンDと同感染との関連性を探る研究が進んでいる。
Bar-Ilan Universityなどの研究チームは、2020年4月~2021年2月に、PCR検査で陽性判定となりGalilee Medical Centerに入院した患者1,176人を対象に、感染2週間前から2年前までのビタミンD濃度を調べた。
この結果、ビタミンD濃度が20 ng/mL(欠乏に分類)の患者は、40 ng/mLの患者に比べ、容態が重症、あるいは重篤とされる割合が14倍多かったことが分かった。また、ビタミンDが充足している患者の死亡率は2.3%、対して欠乏患者は25.6%あった。
研究者は、「患者のビタミン濃度が、COVID-19感染による症状の程度や死亡率に大きく関係し、リスク予測因子となり得る。医療関係者は、感染前からのビタミンD補給の重要性を、再度訴えるべきである」と、話した。本研究は、PLOS ONEに掲載されている。
(会員向けニューズレター「GNGグローバルニュース2022年2月24日号」より抜粋)
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和泉 美弥子
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