こんにちは、GNGの和泉です。

今号では、消費者調査でCOVID-19禍におけるたんぱく質源への消費者意識の変化や、KFCが3Dプリント技術で作るチキンナゲットについての記事を取り上げています。植物性たんぱく質培養肉への関心がますます高まっているようです。

米国のスタートアップ企業JUSTは、緑豆から抽出したタンパク質を主原料とする植物性の卵「JUST Egg」を主力製品とし、鶏肉や和牛を細胞から育てる培養肉JUST Meat」の開発にも取り組んでいます。
同社は2020年、米国ミネソタ州アップルトンを拠点とする3万平方メートルの食品加工施設、デル・ディー・フーズを買収、5月には大手食品加工会社「Michael Foods(マイケルフーズ)」とパートナーシップを締結するなど、事業の拡大を続けています。

JUST Egg」は私自身、2019年のNatural Products Expo West(NPEW)視察の際にJUSTのブースで試食させてもらいましたが、調理すると鶏卵と言われても信じてしまうほどのクオリティでした。
要冷蔵の液状タイプと、要冷凍の焼いて折りたたんだタイプの2種類が全米で販売されています。どちらも卵不使用非遺伝子組み換えコレステロールフリー乳製品フリーだそうです。
もし海外で見かけたらぜひキッチン付きのホテルなどで試食してみてください。

先日チャプター11を申請したGNCですが、その申請5日前の6月18日に、最高経営幹部に対し約400万ドルの役員ボーナスを支給、そのうちの220万ドルをCEOのKenneth Martindale氏に支給していました。

ロイター通信によると、老舗デパートのJ.C.ペニーやレンタカー大手ハーツなどを含む、COVID-19のパンデミックで倒産した大手企業40社が、チャプター11の申請直前役員ボーナス支給していたそうです。
ハーツは1万4千人以上を解雇していますが、申請の前日に150万ドルを取締役に支給していました。老舗高級デパートのニーマンマーカスでは、2月には400万ドルをチェアマンに支給、5月7日のチャプター11申請の数週間前には400万ドルをその他の取締役へ支給していたといいます。

米国では企業が破産申請をする際に経営幹部に役員ボーナス支給することは一般的といわれています。
とはいえ、米国内においても物議を醸しており、解雇やレイオフされた従業員のことを考えると簡単に割り切れないものを感じます。レイオフとは一時的な解雇のことをいいますが、ほとんどの場合、そのまま永久解雇となってしまうことが多いそうです。

米国は医療格差社会といわれ、日本の社会保険や国民健康保険のような皆保険制度がありません。
よって勤務先を通じて団体医療保険に加入していた人は、失業すると医療保険も失うことになります。失業後は個人で民間の医療保険に加入するか、COBRA(Consolidated Omnibus Budget Reconciliation Act)という制度を使って勤務先で加入していた保険を一定期間継続する必要があります。

情報誌News Weekによると、COVID-19危機により保険未加入者が増加し、医療費への不安の高まりから「国民皆保険」への支持急上昇しているようです。
ちなみに英国では、各個人の担当医師にまず受診しなければならず、原則として無料ですが、緊急でない場合は2~3週間以上待たされることもあるようです。また、ベトナムの病院では受診前に治療費の前払いが求められ、これは緊急時でも同様だそうです。
あらためて、日本の保険制度のすばらしさを実感しました。

(株)グローバルニュートリショングループ 和泉 美弥子

この記事について

GNGでは、会員向けに世界各国の健康・食・栄養に関するニュースをセレクトし、日本語に要約したものを月に2回、ニューズレター「GNGグローバルニュース」として配信しています。

本日配信したグローバルニュースでは、NHSが栄養素、年齢、人種など、COVID-19の危険因子を確認、COVID-19禍でたんぱく質源に対する消費者意識に変化、など13の記事を取り上げています。

この記事では、その会員向けニューズレターの一部を抜粋してご紹介させていただきます。

■GNGグローバルニュース 2020年7月28日号 トピックス

●COVID-19禍でたんぱく質源に対する消費者意識に変化
●サプリメントの使用意識、COVID-19で変化
●米国の免疫サプリメントの売上高、2020年で50億ドルに達する見込み
●COVID-19により卵の売上が大幅に増加:米国
●トランス脂肪酸の削減:フライ油と卵巣ガンの潜在的リンク
●ケトダイエットは持久系アスリートのパフォーマンスをサポートしない可能性:研究レビュー
●NHSが栄養素、年齢、人種など、COVID-19の危険因子を確認
●複数のプロバイオティクスが2型糖尿病の薬剤治療効果を増強する可能性
●チェルシーFC、スポーツニュートリションサービス「Blue Fuel」の提供開始
●KFC、ロシアの3Dバイオプリンティング会社と共同で培養肉チキンナゲットを開発
●多くのCBD商品の含有量はラベル表記量に合致しない:FDA検査
●FDA、米国内施設の査察を再開
●米国で軍人によるCBD製品の使用が可能に

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[今号のハイライト]
NHSが栄養素、年齢、人種など、COVID-19の危険因子を確認

[2020/7/9] [newhope.com]

英国の国民保健サービス(NHS)は、英国市民1700万人のデータを採集、分析し、COVID-19感染の悪化をもたらした危険因子を確認した。これによると、危険因子のいくつかは、個人で変えることのできるものだという。

NHSが明らかにした危険因子の一つに年齢が挙がっている。COVID-19による死亡率は、80歳以上の患者が50代の20倍、30代以下の数百倍高い。また、女性より男性の方が高く、人種的要因も影響し、アフリカ系や東南アジア系のリスクが高い。
米国疾病予防管理センター(CDC)のデータによると、アフリカ系とラテン系の感染率は白人の3倍だという。10,000人当たりの感染率が最も高いのはラテン系で73件、次にアフリカ系の63件、白人は11件だった。アフリカ系とラテン系労働者の43%は、リモートワークのできない仕事についているが、白人は25%のみだった。

医学的要因としては、肥満、糖尿病、重度喘息、免疫不全が挙がっている。専門家によると、喘息は先天的なものがあるが、栄養素の血中濃度の維持、あるいは補給で、肥満や糖尿病、免疫疾患は予防できるのだという。

例えば、ビタミンDは、免疫機能とCOVID-19感染との関連が最も研究されている栄養素で、欠乏すると全体的に感染リスクが上がる。
Harvard School of Public Healthのレビューによると、ビタミンDの血中の最適濃度を維持すると、下肢機能、歯の健康改善、転倒や骨折予防に関連し、その有効性は血中濃度が30 ng/ml以上で、36~40 ng/mlが望ましいという。1日1,000 IUのビタミンDを摂取すると、人口の半分は30 ng/mlに達することが可能である。

また、今年5月に発表された研究によると、米国のシカゴ市民で、ビタミンD濃度が20 ng/mlを下回るか、サプリメントを摂取していない人の77%以上がCOVID-19に陽性を示した。
イスラエルで行われた同様の研究では、血中濃度が30 ng/mlを下回る患者の45%以上が陽性を示し、95%以上は入院を余儀なくされた。
さらに患者780人を対象に調査したインドネシアの研究では、感染により死亡した患者の約99%は血中濃度が20 ng/ml未満で、30 ng/ml以上の患者で死亡したのはわずか4%だった。

今年4月に発表された研究によると、ビタミンDは、ウイルス複製率と、肺の内膜を損傷する炎症性サイトカインを低減して呼吸器感染リスクを軽減することが示唆されている。研究者は、1日10,000 IUを繰り返し摂取して濃度を上げ、その後、5,000 IUを維持することを勧めている。これにより、最終的にビタミンD血中濃度が40~60 ng/dlに上がるという。
さらに、メラトニンもCOVID-19感染患者には重要な栄養素である。今年5月に発表された研究では、ビタミンDとメラトニンの併用摂取は、感染により死亡率が上がる肺合併症の重症度を緩和することを示唆した。この2つの栄養素は、血圧や体液バランスを調節するシステムに関連する炎症反応を減少方向に調整する。

高血圧は、COVID-19感染が重症化した患者に多く見られる症状である。こうしたことから、栄養素の状態は、COVID-19感染を予防、あるいは重症化を防ぐうえでのキーポイントとなる。適正な栄養状態を維持するには、健康的な食生活、ライフスタイル、運動が必要だと、専門家は助言している。

(会員向けニューズレター「GNGグローバルニュース2020年7月28日号」より抜粋)

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