新しい調査はCOVID-19からの体力回復における栄養サポートの必要性を強調、ほか|GNGグローバルニュース2021年9月27日号

こんにちは、GNGの和泉です。
9月10日号のグローバルニュースをお届けいたします。

今号も様々なニュースが盛りだくさんです。
相変わらずプラントベースに関連するニュースは大盛況で、今号でも複数の記事を取り上げています。

そのプラントベース製品のベースとなる農地の話題で興味深いニュースがあったのでご紹介します。

ご存知の方も多いと思いますが、今年1月、マイクロソフト社の共同創業者であり著名な資産家のビル・ゲイツ氏が、元妻のメリンダ・ゲイツ氏とともに米国で最大の私有農地所有者であることが報じられました。

過去10年間にわたり、米国の269,000エーカー(約1088.6㎢/10,8860ヘクタール)以上の18州にまたがる農場を買収しており、購入は多くのシェル会社通じて行われました。

米国メディアのNBCが調査したところ、実はマクドナルドのポテトも同氏がワシントン州に所有する農場から出荷されており、その畑は宇宙から見えるほど広大なのだそうです。

さらに先月、米国のCNBCニュースは、ビル・ゲイツ氏だけでなく、Amazonの共同創設者であるジェフ・ベゾス氏、米国の著名実業家のジョン・マローン氏を含む多くの資産家が全米の森林、牧場、農地を購入していると報じています。

米国の農場の土地価格は年々上昇しており、1990年半ばでは1エーカーあたり1,500ドル以下だったのが、2020年には3,160ドルまで上昇し、農地も投資の対象となっているのです。

CNBCでは、米国の農地の30%は投資家が所有していると報じており、借地農地の問題として、土地を借りている農家にとって長期的な安全が保障されないことが指摘されています。
しかしながら、米国では年々農家が減少しており、農地を購入する余裕のない若者が、土地を借りることによって農業に参入しやすくなる可能性もあります。

現時点でこの動きの良し悪しを判断することは難しいですが、米国の農家および農業全般にとって明るい未来が待ち受けていることを願います。

(株)グローバルニュートリショングループ 和泉 美弥子

この記事について

GNGでは、会員向けに世界各国の健康・食・栄養に関するニュースをセレクトし、日本語に要約したものを月に2回、ニューズレター「GNGグローバルニュース」として配信しています。

本日配信したグローバルニュースでは、 COVID-19パンデミック中に無糖チョコレートの売上が急増、 腸内細菌叢のバランス維持は皮膚や毛髪にも良い影響 、 プラントベース食は欧米式食事よりおならが7倍多い:地球温暖化への影響は 、 NattoPharma社がカナダと韓国でビタミンK2メナキノン7の特許を取得、など12の記事を取り上げています。

この記事では、その会員向けニューズレターの一部を抜粋してご紹介させていただきます。

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■GNGグローバルニュース 2021年9月27日号 トピックス

●COVID-19パンデミック中に無糖チョコレートの売上が急増
●中国:2020年に27億のオーガニック製品ラベルを発行
●新しい調査はCOVID-19からの体力回復における栄養サポートの必要性を強調
●腸内細菌叢のバランス維持は皮膚や毛髪にも良い影響
●毎日のアボカド摂取が女性の内臓脂肪を減らすのに役立つ可能性
●プラントベース食は欧米式食事よりおならが7倍多い:地球温暖化への影響は
●ビタミンDは高齢者の認知機能低下を防ぐ重要な栄養素である可能性
●ウキクサたんぱく質生産のPlantible Foods社が2022年の商品化に向け21.5百万ドルを調達
●プラントベースペットフードブランドWild Earthが培養肉のペットフードを発売予定
●米カリフォルニア州議会がヘンプの食品・飲料への添加を認める法案を可決
●NattoPharma社がカナダと韓国でビタミンK2メナキノン7の特許を取得
●EFSAが低温殺菌処理の腸内細菌、アッカーマンシア菌を新規食品として安全という判断

[今号のハイライト]
新しい調査はCOVID-19からの体力回復における栄養サポートの必要性を強調

[2021/9/13] [dailyreporter.com]

European Society for Clinical Nutrition and Metabolism(ESPEN /欧州臨床栄養代謝学会)の年次会議で、COVID-19患者における栄養サポートの観点からの調査結果が発表された。

市場調査会社IPSOS社による同調査は、Danone社の医療特化部門であるNutricia社から委託された。英国、スペイン、イタリア、フランス、ドイツで、COVID-19で入院していた453人の患者を対象としている。

調査の結果、COVID-19患者の回復の向上のためには医療ケアと栄養サポートをうまく統合する必要があることが明らかとなった。

調査した患者の3人に2人は、入院期間の延長に伴い体重が有意に減少していた。これはパンデミックが始まってから実施された臨床研究と一致しており、COVID-19による入院患者の栄養失調有病率が高いことを示している。
また、患者は嗅覚や味覚の喪失や変化、下痢や嚥下困難などの症状を示しており、これらは患者の栄養問題のさらなる悪化の一因となり得る。

また、筋力低下は重大な関連問題であり、機能障害に関連し回復までにより長期間を要する重篤な病気の一般的な合併症状である。
筋力低下の結果として、患者は弱り、回復が遅くなり、日々のタスクに困難を感じる。調査結果によると、85%は筋力を失ったと感じ、42%は病気になる以前よりはるかに弱くなったと感じた。

調査対象の患者の大多数は、階段を上る、買い物をする、ベッドから出る、食事の準備、などを含む日々の活動でより困難を感じていた。

スペインのGregorio Maranon総合大学病院の医師でESPENの事務局長であるCristina Cuerda氏は、「これまでに実施された臨床研究で、COVID-19の集中治療室に入院した患者の栄養失調と筋力低下リスクが高いにもかかわらず、退院後の医療的な栄養サポートが不十分であることを強調している。回復の向上のため、より栄養サポートに関する注意が必要だ」と述べている。

調査の結果は、退院後に栄養サポートを受けた患者の56%は、回復に役立ったと答え、退院後の適切なケアの利点を繰り返し述べている。

今回ESPENで発表された調査対象者453人の半数が入院中に医療な栄養サポートを受けたが、退院後は15%まで減少しており、退院後の継続的なケアのギャップを浮き彫りにした。

(会員向けニューズレター「GNGグローバルニュース2021年9月27日号」より抜粋)

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