こんにちは、GNGの和泉です。
6月11日号のグローバルニュースをお届けいたします。
表題にもありますが、Chr. Hansen社のプロバイオティクスにおける過敏性腸症候群(IBS)に関連するヘルスクレームがカナダ保健省に承認され、GNC社が米国大手スーパーマーケットチェーンのWalmartと独占販売契約を結ぶなど、今号も最新ニュースが盛りだくさんです。
さて、現在の米国ではワクチン接種率が進むにつれて、元の社会に戻ろうと努力しています。リモートワークだった人の出社が増え、解雇された人の一部は新たに職を得ています。
そして外出の機会が増えたことで、新たに売り上げが伸びているのが目覚まし時計だそうです。
パンデミック前に使用していた目覚まし時計は捨てられてしまったのでしょうか。今後も売り上げが伸びる意外な商品が続々と出てきそうです。
そして、そのパンデミックで一番の打撃を受けた飲食サービス業では、レストランなどの再開にあたり一斉に人を募集しているため、今度は人手不足に悩んでいるそうです。
さらにロックダウンによって失業したウェイターやウェイトレスとして働いていた人たちは、失業保険で暮らせる間に安定した職業に職替えを試みている人が大勢いるため、人手不足の解消には時間がかかりそうです。
ご存知の方も多いとは思いますが、面白いニュースがあったのでご紹介させていただきます。
今年の米国は、17年に1度だけ姿を現す「17年ゼミ」の大量発生年となります。17年ゼミとは17年周期で大量発生する「ブルードX」と呼ばれる周期ゼミのことを指します。
米国の東部一帯で5月頃から一斉に羽化しており、その数は数十億匹にのぼると言われています。
そんな中、米国ではSNSなどで17年ゼミを使った料理のレシピが多数公開されているそうです。現在サステナビリティに関心を持つ人が増えており、昆虫をたんぱく源にしようとする人や、たんぱく源として昆虫食を広めようとする人が増加するのは想像に難くありません。
(ワシントン州のシェフが、揚げたセミを寿司にして地元住民に振舞い評判は上々だったそうです)
しかしながら食品医薬品局(FDA)は6月2日、セミはエビやロブスターなどと近縁関係にあり、甲殻類アレルギーがある人は不用意に食べないようツイッターで警告しています。
現在プラントベース肉代替品が知名度を上げていますが、昆虫食も少しずつ広まっていくのでしょうか。
(株)グローバルニュートリショングループ 和泉 美弥子
この記事について
GNGでは、会員向けに世界各国の健康・食・栄養に関するニュースをセレクトし、日本語に要約したものを月に2回、ニューズレター「GNGグローバルニュース」として配信しています。
本日配信したグローバルニュースでは、Vitafoods Europe 2021:専門家による腸と免疫についての最新トレンドの意見交換、Nestlé 社がアジアの代替乳市場成長を後押し:GlobalDataによる分析、日常的なオメガ3脂肪酸高用量摂取はストレスによるダメージを抑制する可能性、など15の記事を取り上げています。
この記事では、その会員向けニューズレターの一部を抜粋してご紹介させていただきます。
……グローバルニュートリション研究会 会員企業様は、会員サイトにて、すべての記事をお読みいただけます。
■GNGグローバルニュース 2021年6月11日号 トピックス
●パンデミックによりサプライチェーンに生じた問題は今後最長で1年続く見込み
●Vitafoods Europe 2021:専門家による腸と免疫についての最新トレンドの意見交換
●米国の成人、子どものほとんどがオメガ3の推奨摂取量に届いていないことが判明
●Nestlé 社がアジアの代替乳市場成長を後押し:GlobalDataによる分析
●中国の登録制度認可食品で最も使用されている成分はカルシウム
●5月の新商品紹介:子供の健康をサポートするスナックバーから金色のコーヒーまで
●日常的なオメガ3脂肪酸高用量摂取はストレスによるダメージを抑制する可能性
●腸内細菌叢の多様性と組成が女性の高血圧症に関連する可能性
●腸内微生物叢がワクチンの有効性に影響を与えることが判明:研究レビュー
●PepsiCo社、医療従事者向けに同社の栄養に関する研究へアクセス可能なウェブサイトを開設
●オーストラリア:コラーゲン粉末飲料のスタートアップThe WellBeing社が世界進出を計画
●GNC、大手小売店チェーンWalmartと独占契約を発表
●米上院議員、食品・サプリメントへのCBD使用の合法化を求める法案を提出
●欧州議会が乳製品を含まない製品に「バターのような」などの説明的な使用を許可
●カナダ保健省、Chr. Hansen社のプロバイオティクス株DDS-1 ®のヘルスクレームを承認
[今号のハイライト]
カナダ保健省、Chr. Hansen社のプロバイオティクス株DDS-1 ®のヘルスクレームを承認
[2021/5/27] [chr-hansen.com]
カナダ保健省は5月28日、Chr. Hansen社のプロバイオティクス菌株 L アシドフィルス(DDS-1®)について、以下のヘルスクレームを承認した。
・青年および成人の過敏性腸症候群における腹痛の重症度とその症状を改善するのに役立つ
・青年および成人の過敏性腸症候群の症状を最小限に抑えるのに役立つ
・健康な腸内細菌叢のバランスをとり、維持するのに役立つ
承認された上記ヘルスクレームの使用は成人および青年を対象としており、 1 日あたり 100 億 CFU (生菌数) 摂取量に基づいている。
DDS-1®における上記ヘルスクレームの科学的根拠には、2020年に学術誌Nutrientsで発表された無作為化二重盲検プラセボ対照多施設共同臨床研究が含まれている。
同試験では、参加者である過敏性腸症候群(IBS)の成人患者330人が、インド全域の12の施設でプラセボ群、DDS-1®群、ビフィズス菌群の3つのグループに分けられ6週間摂取した。その結果、DDS-1®摂取群はプラセボ群と比較して、腹痛、膨満感、生活の質などを含むIBSの重症度が大幅に改善したことが判明している。
上記の研究は、プロバイオティクス菌株による腸の健康に関する研究としては史上6番目に大規模なものとされている。
現在、世界中の15%の人々 が胃腸の不快感を経験していると推測される。これは従業員が仕事を休む 2 番目に一般的な原因とされ、生産性損失額は約210 億ドルにのぼると言われている。
(会員向けニューズレター「GNGグローバルニュース2021年6月11日号」より抜粋)
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和泉 美弥子
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