GNGグローバルニュース9月12日号:高脂肪食下でGIPはレプチンの働きを抑制し、肥満を作り上げる、ほか

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6日、消費者庁は、健康被害が拡大していることから㈱e.Cycleの『ケトジェンヌ』に対する注意喚起を行いました。

『ケトジェンヌ』というネーミングから、ケトダイエットを訴求した商品ではないかと思い、原料を調べてみました。
含有量はよく分かりませんが

・中鎖脂肪酸
・亜麻仁油
・難消化性デキストリン
・オリーブ葉末
・沙棘抽出物
・明日葉末
・スピルリナ原末
・大豆胚芽抽出物

が、原材料表示として書かれています。
これを1日2粒飲んでダイエット効果があるのか、甚だ疑問です。

そもそもケトダイエットとは、食事の総カロリーのうち、約75%を「脂質」、約20%を「タンパク質」、そして約5%を「糖質(炭水化物など)」とすることで体をケトーシス状態にするダイエット方法です。
カロリー制限なし、空腹感なしで短期間で体重を落とせると話題になり、「ケトダイエット」という言葉は2018年、米国の “グーグル検索語ダイエット部門” のトップになりました。

3月に米国アナハイムで開催されたNatural Products Expo Westでも、数多くのケトダイエット訴求の商品が展示されていました。
ケトダイエットの食事法はとても制約が多く、厳密に行うことは非常に難しいと言われています。
ケトダイエットをサポートするためのMCTオイルやナッツなどを配合した高脂肪・低炭水化物食品、砂糖不使用のお菓子、飲料などが、多数出展されていました。

今号のグローバルニュースでは、「高脂肪食下でGIP(消化管抑制ペプチド)はレプチンの働きを抑制し、肥満を作り上げる」という記事を取り上げました。
マウスでの実験ですが、高脂肪食を摂取するとレプチンの活性が抑制され、食欲が持続し、肥満となる、というケトダイエットを否定する結果がでています。

ケトダイエットは、飽和脂肪酸の多量摂取などによりコレステロール値が上がる可能性もあり、さらに果物や野菜の摂取量が減るので、ビタミンや食物繊維が不足しがちになりがちで注意が必要です。更に、健康被害が出る可能性もあります。

少なくとも日本人には、ケトダイエットを実践するのは難しいのでは、と思います。
『ケトジェンヌ』の存在意義を理解することができません。

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912日号トピックス
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●米国ミレニアル世代の外食費用は月に139ドル – Accenture調査
●腸の健康維持に傾倒する中国人消費者の意識
●腸の健康維持を目指すGlobal Healing Centerの「Floratrex
●イチョウ葉抽出物と磁化水が2型糖尿病を改善する可能性
●植物性タンパク質摂取の増加が死亡率低下に関連する可能性
●高脂肪食下でGIPはレプチンの働きを抑制し、肥満を作り上げる
●就寝前にタンパク質を摂取しても太らない?
●プロバイオティクス摂取によりRTIの医療・経済的損失が軽減される可能性
Nestle Health Sciences、パーソナライズドニュートリション専門のPersona社を買収
●米国KFC、代替肉使用のフライドチキン「Beyond Fried Chicken」をメニューに
UNPAのイスラエルセン氏がCBD関連のパブリックコメントについて言及

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18年間の実務経験と20年間のコンサル経験を積み、38年間一貫して健康食品ビジネスに携わる。国内外750以上のプロジェクトを実施。「世界全体の中で日本を位置付け、自らのビジネスを正確に位置付ける」という「グローバルセンス」のもとに先行する欧米トレンドを取り入れたコンセプトメイキングに定評がある。世界各地にネットワークを築き上げ、情報活用サービス「グローバルニュートリション研究会」主宰。食品会社、化粧品会社、製薬会社の健康食品部門に対して、商品開発・マーケティング・海外進出などのコンサルティングを行っている。人が幸せに生きるためには健康が第一である。健康食品産業は「幸せ創造産業」である、という信念のもと、クライアントの成功を通じ、消費者に支持される業界を目指し、業界で働く人すべてが自分の仕事に誇りと自信をもてるようにしたいという想いから、業界健全化活動にも取り組んでいる。

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