ADMが選ぶ2021年の食品におけるTOP5トレンド、ほか|GNGグローバルニュース2020年11月12日号





こんにちは、GNGの和泉です

米国大統領選は7日、バイデン前副大統領の勝利となりましたが、米国はまだまだ落ち着く気配はないようです。

さて今号ではKombucha(コンブチャ)のヨーロッパ市場についてのニュースが取り上げられています。皆様もご存知の通り、コンブチャは日本では紅茶キノコと呼ばれている発酵飲料です。

コンブチャの起源について明確な起源は不明とされています。おそらく中国の満州が起源である可能性が高く、200年前という説もあれば、2000年前という起源説もあるそうです。1900年頃から東ロシアで飲まれていたという報告があり、そこからヨーロッパに伝わったと考えられています。

恥ずかしながら私自身、つい最近までコンブチャどころか紅茶キノコという名前こそ聞いたことがあるものの、実はどういった飲料なのかはっきりとは分かっていませんでした。

そこで作り方から調べてみました。煮出した紅茶に砂糖を加えて冷まし、そこにゲル状の菌株(SCOBY)を加え、室温で数日間培養します。その培養液が独特な風味と酸味のあるコンブチャとなります。

日本では、この酵母がキノコのように見えることから「紅茶キノコ」という名がつけられました。1974年(昭和49年)刊行の中満須磨子氏による著書『紅茶キノコ健康法』で紹介され、健康情報誌、メディアが取り上げたことから、健康食品としてブームとなりました。抗酸化作用、消化促進、美容効果などが期待できるとして、一時期は多くの家庭で育てられていたそうです。しかし、医療専門家がその衛生面や健康への効果を疑問視するようになったことで、一過性のブームに終わりました。

米国では、1990年代半ばに米国の企業家GT Dave氏により米国で初めて商品化されました。

近年の健康志向によりジュース、ソーダに代わる健康飲料として急激に消費が拡大し、こちらは一過性では終わらず今後もさらなる市場の成長が予測されています。

調査会社Mintelによると、米国の成人の51%がコンブチャを消費しているとのことです。スーパーの冷蔵飲料棚の大きな面積を占め、1本5~9ドルのプレミア価格で販売されています。最近ではアルコールを生成する働きを利用して、グルテンフリーでナチュラルな発泡酒としてのハード・コンブチャの人気も上昇しているそうです。

コンブチャの語源は不明ですが、おそらく日本語の昆布茶の誤用に由来しているとのことです。英語辞書The American Heritage Dictionaryでは、紅茶キノコが生成するゼラチン状の膜が海藻(コンブ)に似ていたため、あえてもしくは混同して「コンブチャ」と呼ぶようになった可能性がある、と説明されています。

現在、日本にもコンブチャが逆輸入され、コンビニなどでも少しずつ見かけるようになってきました。

過去に日本で起こったブームを深く掘り返してみると、新たな発見があるかもしれません。

(株)グローバルニュートリショングループ 和泉 美弥子

この記事について

GNGでは、会員向けに世界各国の健康・食・栄養に関するニュースをセレクトし、日本語に要約したものを月に2回、ニューズレター「GNGグローバルニュース」として配信しています。

本日配信したグローバルニュースでは、腸内細菌、アッカーマンシアが多いほど肥満リスクが減る可能性、特定の2種類のプロバイオティクス菌株の組み合わせがうつ病症状を改善する可能性、アジアのプロバイオティクス市場、注目は中国に次いでインドと東南アジア、など12の記事を取り上げています。

この記事では、その会員向けニューズレターの一部を抜粋してご紹介させていただきます。

■GNGグローバルニュース 2020年11月12日号 トピックス

●Mintel調査:2020年の英国ビタミンおよびサプリメント市場、約5億ポンドに達する見込
●欧州におけるコンブチャの可能性
●ビーガンフィッシュがシーフードとして正式に認められる
●子供向けYouTube動画で紹介されている食品の約9割がジャンクフードであることが判明
●ADMが選ぶ2021年の食品におけるTOP5トレンド
●アジアのプロバイオティクス市場、注目は中国に次いでインドと東南アジア
●特定の2種類のプロバイオティクス菌株の組み合わせがうつ病症状を改善する可能性
●葛の花とマンダリンの皮が更年期症状を軽減する可能性:RCT
●米国の消費者はマルチビタミンに依存:調査
●腸内細菌、アッカーマンシアが多いほど肥満リスクが減る可能性
●米国農務省、オーガニック認証機関不正防止プログラムに準ずるトレーニングプログラムを開設
●欧州議会、「ベジーバーガー禁止」改定案を拒否

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[今号のハイライト]
ADMが選ぶ2021年の食品におけるTOP5トレンド

[2020/10/27] [nutraingredients-usa.com]

原料サプライヤーADMは、7種類の調査レポートと、消費者調査ツールOutsideVoiceの調査結果から、2021年のトレンドTOP5を発表した。
 これは消費者の好みがどのように変化し、来年に何を期待するかを強調している。

  1. 「心と体に栄養を与える積極的なアプローチ」

31%の消費者は健康を訴求する製品をより多く購入し、50%の消費者はナチュラルで体によいベネフィットを持つ成分を含む製品を好む事が分かった。このトレンドは、免疫システムのサポート、気分の向上、エネルギーの維持を目的とする機能的な健康上のベネフィットを備えた製品を生むと考えられる。

2.「サステナビリティが注目を集める」

65%の消費者は日常の行動から環境にいい影響を与えたいと考えており、32%の消費者がサステナブルな製品を購入している。

 3.「健康への入口としての腸内細菌叢」

 調査会社Euromonitorによると、世界のおよそ25%の消費者は、消化器系の悩みを抱えており、その内の半数は自身の健康に軽度もしくは重度の影響を与えていると回答した。

 4.「さらに創造的で既存製品と異なるプラントベース食品の拡大」

ADMによれば世界の56%の消費者がよりプラントベース食品や飲料を摂取することを心掛けており、主要な食品カテゴリーにおいて代替プロテインが主流となる現象が起きているという。さらに、プラントベースプロテイン食品は、ハンバーガーから貝類、エビ、スナックまで急速に拡大していると報告した。また、プラントベース肉代替品についても3Dプリント技術やプロテイン発酵技術により進歩し続けている。

 5.「ラベルの透明性が消費者の信頼を勝ち取る」

消費者はラベルに透明性を求め、出所が明確な地元由来の原料を使用した製品を求め、世界の26%の消費者がラベル記載の原産地を確認している。また、73%の消費者が透明性のあるラベル表示を行う企業に好印象を持つと回答している。

(会員向けニューズレター「GNGグローバルニュース2020年11月12日号」より抜粋)

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