免疫サポートに有益なビタミンCに注目、ビタミンD摂取で呼吸器感染リスクが低下するか、ほか|GNGグローバルニュース2020年4月24日号

こんにちは、GNGの和泉です。

今回のグローバルニュースでは、ビタミンに注目した記事が取り上げられています。

ビタミンCの需要の急増によりサプライチェーンの混乱が報告されています。そして現在、呼吸器感染のリスク低減におけるビタミンDの役割が調査されています。

長く続くCOVID-19の脅威により、消費者の免疫への関心が非常に高まっていることを感じます。

買い物客が殺到!スーパーで争奪戦

さて、少し前の米国ニュースCNNになりますが、興味深い記事がありました。

米国でロックダウン(都市封鎖)が始まった時、人々は買い溜めに殺到しました。

ロックダウン・第1週目

米国スーパーマーケットチェーン、Walmartの最高経営責任者(CEO)によると、ロックダウン第1週目に棚から消えた製品は、ハンドサニタイザー(手指消毒用ジェル)、石鹸消毒液マスクだったそうです。

ロックダウン・第2週目

第2週目は、トイレットペーパーの争奪戦。

暇つぶしにパン作りをする人々も

ロックダウン・第3&4週目

第3週目と4週目は、家に引きこもるのに慣れ、暇を持て余した人々がパンを作り始めたため小麦粉イースト菌が棚から消え、これは米国に限らず欧州も現在継続中です(パンやケーキを焼くという行為は、製造工程と焼きあがった時の達成感がメンタルヘルスに良い影響を与えるそうです)。

保存期間の長いハムなどの加工肉も売上が急増しました。

ロックダウン・第5週目~

そして第5週に入って品切れとなった製品は・・・ヘアカラーバリカンだそうです。

美容室も床屋も開いていないため、自分で行うしかないということですね。

今後の供給が気になる加工肉

加工肉については、世界最大の豚肉生産会社Smithfield Foods社をはじめ、JBS社など大手食肉会社での従業員の感染が確認され、米国各地の工場が次々と閉鎖されています。

今後の供給が気になるところです。

(株)グローバルニュートリショングループ 和泉 美弥子

この記事について

GNGでは、会員向けに世界各国の健康・食・栄養に関するニュースをセレクトし、日本語に要約したものを月に2回、ニューズレター「GNGグローバルニュース」として配信しています。

本日配信したグローバルニュースでは、Gadot Biochemical Industries社、免疫サポートサプリメント「Chewable Zinc Citrate」を新発売,COVID-19感染対策でFDA、FSVP検査は遠隔作業で執行など12の記事を取り上げています。

この記事では、その会員向けニューズレターの一部を抜粋してご紹介させていただきます。

■GNGグローバルニュース 2020年4月24日号 トピックス

●COVID-19感染拡大により、免疫サポートに有益なビタミンCの品薄状態が続く
●“クレイジーであればあるほど良い”ハイブリッドな新製品開発は革新の時期
●米国人はCOVID-19流行中に‘心地の良い食事’を求めている:シリアル、スナック、焼き菓子が飛ぶような売れ行き
●Gadot Biochemical Industries社、免疫サポートサプリメント「Chewable Zinc Citrate」を新発売
●アレルゲンフリーブランドはCOVID-19渦の米国の栄養失調に目を向ける
●英国の研究チーム、アルガンオイルの真正性を検証
●定期的なレスベラトロール摂取が中高年女性の脳の認知機能改善に有効である可能性
●ビタミンD摂取はCOVID-19の感染リスクを低下するか
●Cambridge Commodities社、Ultimate Superfoods社を買収
●残留農薬調査、サンプルの95%超が法定許容量内の濃度:EFSA報告
●FDA、FSVP検査は遠隔作業で執行、COVID-19感染対策で
●常温保存可能:専門家団体がCOVID-19禍での食品安全における食品添加物の役割を強調

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[今号のハイライト①]
COVID-19感染拡大により、免疫サポートに有益なビタミンCの品薄状態が続く

[2020/4/3] [nutritioninsight.com]

COVID-19の世界的な拡大により、消費者は今、免疫の健康維持や改善に異常な関心を示している。そのため、免疫サポートの代表格であるビタミンCの購買頻度が急増し、同関連商品は品薄状態が続いている。

食品原料販売を手掛けるPrinova Group社(米国)のNic Dam氏によると、最近の8週間でビタミンC商品の需要は急増、出荷が遅れ、価格は軒並み上昇しているという。

ダイエタリーサプリメント販売の大手、BulkSupplements.comも、3月に入りビタミンCの売上は急激に膨らみ、在庫切れの状態を呈している。さらに原材料費は以前のほぼ3倍であるという。品薄により、サプリメント販売業者はどこも、販売個数を消費者一人につき1品と制限を設けるようになった。

Dam氏は「中国では、サプライチェーンの一部が崩壊を起こしている。工場の閉鎖には至らないが、数週間の遅れが出ており、それが世界への供給に深刻な影響を与えている。Prinova Group社は、一部地域の工場では生産量を抑えるが、生産の継続に努めている」と説明した。

(会員向けニューズレター「GNGグローバルニュース2020年4月24日号」より抜粋)

[今号のハイライト②]
ビタミンD摂取はCOVID-19の感染リスクを低下するか

[2020/4/10] [nutritioninsight.com]


COVID-19に感染しやすい人のビタミンDの摂取は有益である可能性が米国の研究で示唆され、世界の研究者は呼吸器感染リスク削減におけるビタミンDの役割について研究に取り組んでいる。

Sunlight, Nutrition and Health Research Centerなど研究者の分析によると、ビタミンDの欠乏が、ウイルス性の呼吸器感染と関連すると示唆した。ビタミンDが感染リスクを下げるメカニズムとして、細菌やウイルスを殺す抗菌ペプチド、カテリジンやディフェンシンを作らせる働きを持つことが挙げられる。

分析では、感染リスク低減には、ビタミンD3を10,000 IU/日、2~3週間、さらに5,000 IU/日を摂取して、25(OH)D濃度を40~60 ng/mL以上まで迅速に上昇させることを推奨している。

こうしたことから、一部の研究者は、高齢者、入院患者、介護施設入居者など、感染しやすいグループへビタミンDの緊急補給を呼び掛けている。ビタミンDの欠乏は、急性呼吸窮迫症候群(ARDS)の一要因とも考えられ、高齢者や併存疾患を持つ患者ほど死亡率が高くなっている。

また、アイルランドの研究者も、感染しやすいグループは、呼吸器系ウイルスへの抵抗性を高めるため、20~50㎍/日のビタミンDの摂取を勧めている。

ただ、Immunodeficiency Unit of the Karolinska University Hospital(スウェーデン)のPeter Bergman博士は「最近の研究データは、ビタミンDが新型コロナウイルス感染に対抗するという科学的根拠を示せていない」とし、「ビタミンDは、あくまでも感染しやすいグループの免疫促進を提供する予防的措置」だと説明する。同博士は、ビタミンDがCOVID-19感染における呼吸器内皮細胞でのウイルス複製の防止あるいは炎症軽減を可能にするかを検証する体外試験を進めている。

(会員向けニューズレター「GNGグローバルニュース2020年4月24日号」より抜粋)

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