明治HD、米国ベンチャーキャピタルのBig Idea Venturesへの投資、ほか|GNGニューズレター4月16日号

 

本日配信のGNGニューズレターでは、冒頭の巻頭言にて弊社代表・武田が、米国、中国、日本のGDPとサプリメント(中国は保健食品)市場規模推移について整理しています。

国内ニュースからは、味の素、生活改善をサポートするスマホアプリ「aminoステップ™」を4月より公開、キユーピー、東京家政大学大学院に共同研究講座を設立、味の素グループ、食品の国内R&D拠点集約完了 グループ3社の技術融合を加速、不二製油グループ、オランダのフードテック特化型大手ファンドへの投資、明治HD、米国ベンチャーキャピタルのBig Idea Venturesへの投資といった話題を取り上げています。

この記事では、その会員向けニューズレターの一部を抜粋してご紹介させていただきます。

こんにちは、GNG武田です。

新型コロナウイルス対策をめぐり、政府は、来週20日から、来月11日まで、埼玉、千葉、神奈川、愛知の4県に「まん延防止等重点措置」を適用することになりました。これによって「重点措置」の適用は、東京や大阪などの6都府県から、10都府県に拡大されることになります。
また、小池東京都知事は「通勤を含め、エッセンシャルワーカー以外は可能な限り東京に来ないでほしい」と呼びかけました。
この様な状況を受け、お客様と社員とその家族の命を守るため、弊社では、19日(月)から5月11日(火)まで、
全社員在宅勤務によるテレワーク体制とさせて頂く事に致しました。

お客様にはご不便・ご迷惑ををお掛け致しますが、新型コロナウイルス変異種による爆発的感染拡大を防ぐために、最善の体制をとらせて頂く事と致しました。
何卒ご理解を賜れればと存じます。

医療関係者の方々のご尽力に感謝申し上げます。


日本経済新聞出版『安いニッポン「価格」が示す停滞』を読みました。改めて日本の経済停滞の現状に危機感を覚えました。

ディズニーランドの入場料(大人1日券、当日券、1パークのみ)の円換算価格

・日本:8,200円
・フロリダ:約14,500円
・カリフォルニア、パリ、上海:10,000円超

ディズニーランドがある世界6都市で、日本は最も安かったそうです(2021年2月中旬の1日1パーク当たりの大人価格)。

日本のディズニーランドは世界で最も安い水準ということで、日本人はさぞかしお得感を満喫していると思いきや「入園料だけでも高いのに、交通費を合わせると1人で1万円以上かかる。食事も飲み物も高いから、家から水筒を持ってきた」と家族で訪れた日本人男性(46)は話したそうです。現在の日本人の所得や生活水準からすると、世界で最も安いディズニーランド料金ですら割高に映るようです。

一方、タイから来たという20歳代の女性3人組にTDRを選んだ理由を聞くと、「中国に行くより安いし、それでいて日本はキャストのクオリティも高いし大満足」と話してくれた。「近くのホテルを予約しても1人合計約2万円かからなかった。日本はいつもコスパがいい」と笑顔で去っていった、そうです。

本書には、「東京は世界一高い」と言われたのも今は昔、物価も賃金も「安い国」となりつつある日本の現状が克明に書かれています。

本書でも紹介されていましたが、価格の国際比較をする指標として、ビッグマック指数(BMI)と言うものがあります。

BMIは、経済専門誌である「エコノミスト」が毎年発表している指標ですが、マクドナルドの「ビッグマック」が、世界中で同じ品質で販売されているという前提で、各国の価格の違いからその国の購買力を比べ、為替水準を探るものです。

本来なら、同じ品質でしたらどこで売られても同じ価格であってもよいはずですが、その国の原材料費や人件費など様々な要因で価格が決まりますので、国によって価格が異なります。こうした理論から、ビッグマックの価格を比べることで、その国の総合的な購買力を比較できる、というものです。

主な国の2021年1月時点のビッグマック指数(1ドル=104.30円)は以下の通りです。

          US$  円(参考) BMI(%)
 米国       5.66   590    0.00
 スイス      7.29   760   +28.81
 スウェーデン   6.37   665   +12.63
 オーストラリア  4.98   520   -11.93
 ニュージーランド 4.87   508   -13.88
 シンガポール   4.43   462   -21.67
 タイ       4.21   443   -24.94
 韓国       4.10   428   -27.55
 日本       3.74   390   -33.97
 中国       3.46   361   -38.88

日本で390円のビッグマックが、米国では5.66ドルです。同じモノの価格が世界中どこでも同じだと仮定すると、為替レートは1ドル68.90円でもおかしくないことになります。しかし、実際の為替レートは1ドル104円で推移していますので、円は約34%過小評価されているという計算になります。

つまり、日本人が米国でビッグマックを買う時、割高感を感じることになります海外で買い物をしたり食事をしたりする際に割高感を感じるのはこのためです。

ディズニーランドの入場料の内外価格差は2倍以上の国もあり、通貨過小評価の推計を大きく上回っています。これには為替レートだけで説明できない要因もあります。

本書の中で第一生命経済研究所の永濱氏は「今の価格差は為替で説明がつかない状況にある」「長期デフレに伴う物価停滞と、成長力の衰えに伴う国民の所得低迷が日本の総体的な購買力低下につながり、世界の中でも個別のモノやサービスの価格の安さが際立つようになった」と述べています。

私も、海外出張の際、日本のサプリメントや機能性食品・飲料の価格は際立って安いと感じる時が少なくありません。

今や日本は「世界一コスパの良い国」になっています。

今号では、米国、中国、日本のGDPとサプリメント(中国は保健食品)市場規模推移を俯瞰してみました。

かつて「高品質で高価格」であった日本の機能性食品(原料)は、今や「コスパの高い」原料に変わっています。逆に言えば、海外展開を再検討する絶好の機会ともいえます。

機能性表示食品制度導入により、サイエンスへの投資が加速し、エビデンスを積み重ねている日本企業にとって、よりダイナミックな市場でビジネスの成長に挑戦する準備が整ってきていると思います。

(株)グローバルニュートリショングループ 武田 猛

GNGニューズレター(国内情報) 2021年4月16日 トピックス

<国内ニュース(要約)>

●味の素、生活改善をサポートするスマホアプリ「aminoステップ™」を4月より公開
●日本初、中性脂肪を下げる生のカンパチが機能性表示食品として登場
●フルッタフルッタ、「アサイー効果 アサイーソイヨーグルト」を4月中旬より関東エリアで新発売
●2021年2月のドラッグストア販売額、「健康食品」は前年同月比8.7%減少
●2021年2月の通販売上高、「健康食品」は対前年同期比13.9%増加
●2月の家計調査、健康保持用摂取品の支出額は前月比2.1%減
●キユーピー、東京家政大学大学院に共同研究講座を設立
●味の素グループ、食品の国内R&D拠点集約完了 グループ3社の技術融合を加速
●不二製油グループ、オランダのフードテック特化型大手ファンドへの投資
●明治HD、米国ベンチャーキャピタルのBig Idea Venturesへの投資
●ヒトiPS細胞由来膵島移植による糖尿病マウスの血糖値正常化と移植片の回収に成功
●ヤクルト、ストレス・睡眠と腸の健康意識調査を実施
●消費者庁、消費者向けパンフレット「食品添加物表示に関するマメ知識」を公開
●国民生活センター、消費者トラブルで「健康食品」に関する相談件数が第2位

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[今号のハイライト]
明治HD、米国ベンチャーキャピタルのBig Idea Venturesへの投資

[2021/4/9] [meiji.com]

明治ホールディングス株式会社は、米国ベンチャーキャピタルのBig Idea Ventures LLCが組成した「New Protein Fund」に出資を行うことを4月9日(金)に発表した。

 Big Idea Ventures LLCは2018年に設立されたニューヨーク、シンガポール、パリを拠点とするベンチャーキャピタルで、主に食品とSDGs分野への投資を行っている。同社は2019年2月に「New Protein Fund」を立ち上げた。同ファンドは植物由来タンパク質、培養細胞由来タンパク質などの技術を持つスタートアップ企業やベンチャー企業への投資を行う。

 明治HDは今回のファンド出資により、スタートアップ企業やベンチャー企業がもつ食品分野の最先端の技術やビジネスモデルをいち早く探索し、積極的な協業を行うことで「食と健康」の新たな価値創造に取り組んでいく予定だ。

(会員向けニューズレター「GNGニューズレター2021年4月16日号」より抜粋)

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18年間の実務経験と20年間のコンサル経験を積み、38年間一貫して健康食品ビジネスに携わる。国内外750以上のプロジェクトを実施。「世界全体の中で日本を位置付け、自らのビジネスを正確に位置付ける」という「グローバルセンス」のもとに先行する欧米トレンドを取り入れたコンセプトメイキングに定評がある。世界各地にネットワークを築き上げ、情報活用サービス「グローバルニュートリション研究会」主宰。食品会社、化粧品会社、製薬会社の健康食品部門に対して、商品開発・マーケティング・海外進出などのコンサルティングを行っている。人が幸せに生きるためには健康が第一である。健康食品産業は「幸せ創造産業」である、という信念のもと、クライアントの成功を通じ、消費者に支持される業界を目指し、業界で働く人すべてが自分の仕事に誇りと自信をもてるようにしたいという想いから、業界健全化活動にも取り組んでいる。

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