こんにちは、GNGの和泉です
今号もCOVID-19関連のニュースが満載です。
ニュースになっているので皆様ご存知かと思いますが、米国に加え欧州でもここ最近でCOVID-19感染が再び急拡大しています。
今回の拡大はアジア(特に東アジア)では低水準に収まっているものの、米国ジョンズ・ホプキンス大学のデータによると、インド、米国、ブラジルのほか、これまで低水準を保ち続けていたドイツの一日感染者数が、20日に過去最大の8397人となり、ベルギー、イタリアでは1万人越えを記録するなど、極めて深刻な状態にあるようです。
検査の拡大によるところが大きいとも言われていますが、春に比べて経済的影響拡大への懸念が恐らく世界的に広がっていることもあり、COVID-19に関する予防や重症化を防ぐ内容を含めた関連記事が今後もますます増加していくと思われます。
感染拡大が目立っている欧米諸国ですが、食品の安全性、環境問題などに対する消費者意識は非常に高く、今年発表された2018年の統計データによると、小売売上高で見た国別オーガニック市場規模の第1位は米国(406億ユーロ)、2位がドイツ(109億ユーロ)、3位はフランス(91億ユーロ)という結果でした。
EU連合として見ると373億ユーロとなり、米国、EUの2地域と4位の中国(81億ユーロ)を合わせると、この3地域で世界市場の9割を占めています。
年間平均一人あたりのオーガニック商品消費額が最も高かったのはスイスとデンマークで、両国ともに312ユーロでした。
例として国別オーガニック市場規模第2位のドイツを挙げると、現在までで約4000の生産者による6万点の商品が政府認定のオーガニック(Bio)認証を受けているそうです。
EUの有機栽培の基準を満たしていることを前提として、「化学調味料、香料、着色料不使用」、「有機農法に沿った生産・管理がされている」、「遺伝子組み換え原料の使用は全体の5%以下」、「家畜肥料への抗生物質不使用」などの基準を満たす必要があります。
ドイツのBio市場は年々成長し続けているそうで、2019年市場に出回った卵のうち、5個に1個は有機卵と言われ、有機卵はドイツで人気が高いオーガニック食材として知られています。
2019年にドイツで行われた世論調査によると、34%の人が「卵は有機のみ購入する」と回答したそうです。
2019年に農林水産省が発表したデータによると、日本における一人あたりのオーガニック商品年間消費額は約960円だったそうです。日本のオーガニック市場はまだまだ伸びしろがあると言えるのではないでしょうか。
(株)グローバルニュートリショングループ 和泉 美弥子
この記事について
GNGでは、会員向けに世界各国の健康・食・栄養に関するニュースをセレクトし、日本語に要約したものを月に2回、ニューズレター「GNGグローバルニュース」として配信しています。
本日配信したグローバルニュースでは、ダイエタリーサプリメント2020:グローバルな視点による今後の見解、アーモンドが豊富で低炭水化物の食事は2型糖尿病患者のうつ病リスクを軽減する可能性、母親の妊娠高血圧症候群と小児の血圧との関連性にビタミンD濃度が関与、など13の記事を取り上げています。
この記事では、その会員向けニューズレターの一部を抜粋してご紹介させていただきます。
■GNGグローバルニュース 2020年10月26日号 トピックス
●ダイエタリーサプリメント2020:グローバルな視点による今後の見解
●Leafreport、2020年のCBD価格に関する調査結果を報告
●ピンク色のパイナップルが購入可能に
●研究者グループが1日あたりのビタミンD推奨摂取量4,000IUを奨励
●アーモンドが豊富で低炭水化物の食事は2型糖尿病患者のうつ病リスクを軽減する可能性
●母親の妊娠高血圧症候群と小児の血圧との関連性にビタミンD濃度が関与
●カナダ:大学生アスリートのサプリメント使用状況調査
●ビタミンK欠乏がCOVID-19の重篤な症状に大きく関与する可能性
●COVID-19:Googleトレンドが特定の栄養素への消費者の関心を明らかに
●研究:乳児期からの高用量の小麦の導入はセリアック病発症を予防する可能性
●「タンパク質よりも水分が多い」:フランス消費者団体によるプラントベース製品の栄養成分調査
●GOED、医療従事者向けのコミュニケーションツールFatsofLife.comを更新
●オーストラリアのサプリメント規則違反の大半はラベル表示と広告に関する問題:TGA
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[今号のハイライト]
研究者グループが1日あたりのビタミンD推奨摂取量4,000IUを奨励
[2020/10/2] [nutraingredients-usa.com]
研究者と医師のグループは、ビタミンDの推奨摂取量を4,000IUに増やすことを政府に奨励することを目的とした国際同盟を結成した。
英国Imperial Collegeの医学物理学者Gareth Davies博士によると、英国政府が推奨する1日あたりのビタミンD摂取量400IUは、同グループがCOVID-19パンデミックで必要だと信じる量の10分の1であるという。
同盟の関係者は、ほとんどの人の健康な免疫反応を維持するには1日4,000IUのビタミンDが必要だと考え、一部では、重度の欠乏症の場合は短期的に最大10,000IUの摂取を提唱している。
「ほとんどの人は市販のビタミンD剤が実際にパンデミックに対して役立つとは考えていない。これは「ビタミン」という名称で呼ばれているためだと思われる。ビタミンDは、免疫系が適切に機能するために必要不可欠なステロイドホルモンである」とDavies博士は述べている。博士はまた、ビタミンDにはサイトカインストーム(制御不能な炎症)の活性を抑制する効果があると説明している。
英国National Health Service(NHS /国民保健サービス)のウエブサイトでは、1日当たり100㎍(4,000IU)をこえるビタミンDを摂取しないようアドバイスしている。
同盟に与していないビタミンDに関する専門家Martin Hewison博士も、ビタミンD摂取に関する現在の英国の推奨事項が「非常に保守的」であることに同意している。博士は、Birmingham大学代謝システム研究所の分子内分泌学教授で、教育部長でもある。
Hewison博士は、400IU/日(10㎍/日)のビタミンD摂取量は、深刻なビタミンD欠乏症を回避するためScientific Advisory Committee on Nutrition(SACN /栄養に関する科学諮問委員会)が推定した値であると説明し、現実的な前進として、英国における1,000IU/日のビタミン摂取に基づくアプローチ方法を模索しているという。しかし博士は4,000IU/日摂取を推奨する人々の立場も理解していると述べた。
現在、このキャンペーンに関わる4名の医師と科学者が作成した、ビタミンDと免疫に関連するウェビナーが公開されている。
(会員向けニューズレター「GNGグローバルニュース2020年10月26日号」より抜粋)
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和泉 美弥子
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