英国医師が世界に発信!ビタミンDとCOVID-19との関係?、ほか|GNGニューズレター5月1日号

こんにちは、GNG武田です。

27日(月)、ウェルネスフード推進協会主催「ウェルネスフードビジネスアカデミー」がオンラインで開催されました。
講師は、日経BP総研メディカル・ヘルスラボの西沢邦浩さん。サイエンスに精通したジャーナリストとして、私がとても尊敬している方で、長年懇意にして頂いています。

ウェルネスフードのトレンドと今後の展開』というタイトルでのご講演でした。

最初のテーマが「ビタミンD」でした。

GNG一押しの「ビタミンD」

ビタミンDは、DHAEPAと共に、GNG一押し成分のひとつです。
豊富なエビデンスがあるにもかかわらず、日本にはほとんど伝わっていない現状を、とても残念に思っています。

個人的な話ですが、私は2011年から2,000IU/日のビタミンDサプリメントを飲み続けています。
日本では売っていませんので、米国出張の際に購入してきますが、3カ月分でも1,000円以下で購入できます。普段、不摂生をしていますが、お陰様で大きな病気にも罹ることなく、今日にいたっています。

米国で人気爆発!

米国ビタミンDサプリメント市場は、2005年以降急成長し、2019年の市場規模は2005年の約20倍の$1,000Mとなっています。その背景は、豊富なエビデンスが消費者に伝わっていったことです。

COVID-19に便乗した悪徳商法でビタミンDが取り上げられましたが、せっかくの良い成分が、風評被害で見捨てられないか、心配です。

ビタミンDの可能性

西沢さんから教えて頂いたのですが、Dr Gareth Davies (PhD)、 Dr Joanna Byers (MBChB)、Dr Attila R Garami (MD, PhD)が、COVID-19に立ち向かっている世界中の医師たちに向けて、“Covid-19 and Vitamin D Information”というレポートを発信しました。

レポートの冒頭には「エビデンスは、ビタミンDサプリメントCovid-19の予防に効果的であり、既存の治療計画に追加された場合、特にこれが疾患の進行の早い段階で行われた場合に患者の治療に重要な役割を果たすことを強く示唆しています。」と書かれています。感動です。

何故、高齢者の死亡率が高いのか?

何故、欧米諸国の死亡率が高いのか?

何故、日本の死亡率が比較的低いのか?

などの説明が付きます。

※会員ページでは、このエビデンスのサマリーが参照できます。

知らないことが不利益にならないように

確かに、今現在はビタミンDがCOVID-19に対して有効であるというエビデンスはありませんが、可能性は十分あると思います。
それをサイエンスに基づいて丁寧に解説しています。とても素晴らしい資料だと思います。

そして、ビタミンDを用いたCOVID-19に対する効果を証明するためのヒト介入試験も始まっています。

今の日本の法制度では、このビタミンD素晴らしさを、正しく消費者に伝える術はありません。しかし、知っているのと知らないのとでは、選択肢の幅が異なりますし、知らないでいることの不利益はとても大きいと思います。正しい情報を基に、一人ひとりが選択をすれば良いと思います。

New Nutrition Business 10 Key Trendsのメガトレンドとなった
Fragmentation”「細分化」は、“Personalization”とセットでトレンドになりました。

消費者は既に、独自のリサーチにより食のパーソナライゼーションを実施し、何が自分にとって最善かを決めています。国の制度を待っていたのでは、消費者利益を損なう事もあります。消費者の方が自分で選択できる正しい情報発信が求められています。栄養機能食品でも機能性表示食品でも、最新のビタミンDの情報を伝える事はできません。

今号では、このような気持ちを抱きながら、ビタミンDについて考えてみました。
テレワーク中の皆様、積極的に魚を食べ紫外線を浴びて下さい(UVカットなしで)。難しいようでしたら、ビタミンDサプリを摂取してください。

以下、会員向けニューズレターの巻頭言より抜粋します。会員の方は、会員サイトから全文をお読みいただけます。

ビタミンDの働きに注目

3月10日、COVID-19に対する予防効果を標榜する広告等に対して、消費者庁はいち早く注意喚起を行った。
その中には、ビタミンDも含まれていた。
消費者庁の文書には「新型コロナウイルスに対する予防効果を標ぼうするウイルス予防商品については、現段階においては客観性及び合理性を欠くものであると考えられ、一般消費者の商品選択に著しく誤認を与えるものとして、景品表示法(優良誤認表示)及び健康増進法(食品の虚偽・誇大表示)の規定に違反するおそれが高いものと考えられます。」と明記されていた。

それはその通りであるが、ビタミンDのように、(他のヘルスベネフィットに対して)豊富なエビデンスを有している成分に対する信用の低下に繋がらなければ、と危惧している。

(中略)

信頼できるデータベースであるナチュラルメディシンデータベース(Natural Medicines Comprehensive Database)では、「インフルエンザの予防の目安量」として、ビタミンD3を1,200IU/日摂取、と記載されている。 

消費者庁が発表したように、現在、ビタミンDがCOVID-19に有効であるという研究報告はない。しかし海外ではビタミンDを用いたヒト介入試験(RCT)が始まっている(Vitamin D on Prevention and Treatment of COVID-19)。この介入には25,000IUのサプリメントが投与される。

(中略)


欧米にCOVID-19の被害の大きい国が多い理由とは

「日本の回復率は死亡率の7倍です。他のすべての北部エリアでは、発生が抑制されるまでの死亡率と回復率は1:1の比率で推移しています。(中略)また、日本はヨーロッパに比べてビタミンD欠乏症の発生率が著しく低いです。これは、魚を多く含む食事が原因です。」

 日本人の魚介類摂取量の減少が心配されると共に、ビタミンDのメリットを、正確に消費者に伝えられるプラットホームの必要性を強く感じている。

(株)グローバルニュートリショングループ 武田 猛

この記事について

GNGでは、会員向けに過去2週間に発売された新製品情報マーケット情報を纏めGNG独自の分析・洞察をし、月に2回、「GNGニューズレター」として配信しています。

本日配信したGNGニューズレターでは、Covid-19の予防に効果的であるとされているビタミンDについて取り上げています。

国内ニュースからは、ユカシカド、新型コロナウイルスと闘う医療機関従事者に栄養検査キットとサプリメントを無償提供、農水省、2017年度の食品ロス量が31万トン減少といった話題を取り上げています。

この記事では、その会員向けニューズレターの一部を抜粋してご紹介させていただきます。

GNGニューズレター(国内情報) 2020年5月1日 トピックス

<国内ニュース(要約)>

●モデーア、短時間の運動でもパフォーマンス向上をサポートするフィットネスサプリを発売
●サステナビリティ(持続可能性)に関するアンケート調査
●インテージ調査:「菌活」の市場トレンドと生活者の意識
●富士経済、20年に機能性表示食品の国内市場3,000億円突破と予測
●弘前大学と味の素、「デジタルニュートリション学講座」を開設
●ユカシカド、新型コロナウイルスと闘う医療機関従事者に栄養検査キットとサプリメントを無償提供
●ユーグレナ、リアルテックHDとJAXAが主導する「SPACE FOODSPHERE」プログラムに参画、宇宙と地球上における微細藻類培養技術と食料資源の開発を推進
●消費者庁、新型コロナで食品の原材原産地表示など弾力運用
●農水省、2017年度の食品ロス量が31万トン減少
●栄養成分表示の消費者向け普及啓発、地方公共団体の約3割が実施せず
●食品安全委員会、食品による新型コロナ感染の報告なし

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[今号のハイライト]
ユカシカド、新型コロナウイルスと闘う医療機関従事者に栄養検査キットとサプリを無償提供

[2020/4/17][原文:YUKASHIKADO INC.

自宅で手軽に栄養検査ができる「VitaNote(ビタノート)」を提供する株式会社ユカシカドは、期間中の対象商品注文数に応じて、新型コロナウイルスに関連する対応に追われる医療従事者向けにVitaNoteとサプリの無償提供を実施する。

VitaNoteは、尿で栄養の過不足を評価し、栄養状態の把握と適切な改善ができる検査キットである。ビタミン、ミネラル、たんぱく質等15項目について過不足を測定することが可能である。

検査結果はPCやスマホ、タブレット等からマイページで確認でき、ユーザーごとに栄養改善の履歴や推移データを蓄積できる。またサプリメントについては、科学的根拠に基づいたTURFシリーズを提供する。順次様々な栄養素のラインナップを拡充している。

新型コロナウィルス感染症の拡大に伴い、罹患者や医療従事者への健康影響・リスクは拡大を続けている。こうした状況を受けて同社は、栄養検査・栄養改善を通じて人々の健康増進を促進するサービスを無償で提供し、医療従事者や支援を希望する人たちをつなぐ仕組みを構築、実施することを決定した。

(会員向けニューズレター「GNGニューズレター2020年5月1日号」より抜粋)


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18年間の実務経験と20年間のコンサル経験を積み、38年間一貫して健康食品ビジネスに携わる。国内外750以上のプロジェクトを実施。「世界全体の中で日本を位置付け、自らのビジネスを正確に位置付ける」という「グローバルセンス」のもとに先行する欧米トレンドを取り入れたコンセプトメイキングに定評がある。世界各地にネットワークを築き上げ、情報活用サービス「グローバルニュートリション研究会」主宰。食品会社、化粧品会社、製薬会社の健康食品部門に対して、商品開発・マーケティング・海外進出などのコンサルティングを行っている。人が幸せに生きるためには健康が第一である。健康食品産業は「幸せ創造産業」である、という信念のもと、クライアントの成功を通じ、消費者に支持される業界を目指し、業界で働く人すべてが自分の仕事に誇りと自信をもてるようにしたいという想いから、業界健全化活動にも取り組んでいる。

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