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6日、消費者庁は、健康被害が拡大していることから㈱e.Cycleの『ケトジェンヌ』に対する注意喚起を行いました。
『ケトジェンヌ』というネーミングから、ケトダイエットを訴求した商品ではないかと思い、原料を調べてみました。
含有量はよく分かりませんが
・中鎖脂肪酸
・亜麻仁油
・難消化性デキストリン
・オリーブ葉末
・沙棘抽出物
・明日葉末
・スピルリナ原末
・大豆胚芽抽出物
が、原材料表示として書かれています。
これを1日2粒飲んでダイエット効果があるのか、甚だ疑問です。
そもそもケトダイエットとは、食事の総カロリーのうち、約75%を「脂質」、約20%を「タンパク質」、そして約5%を「糖質(炭水化物など)」とすることで体をケトーシス状態にするダイエット方法です。
カロリー制限なし、空腹感なしで短期間で体重を落とせると話題になり、「ケトダイエット」という言葉は2018年、米国の “グーグル検索語ダイエット部門” のトップになりました。
3月に米国アナハイムで開催されたNatural Products Expo Westでも、数多くのケトダイエット訴求の商品が展示されていました。
ケトダイエットの食事法はとても制約が多く、厳密に行うことは非常に難しいと言われています。
ケトダイエットをサポートするためのMCTオイルやナッツなどを配合した高脂肪・低炭水化物食品、砂糖不使用のお菓子、飲料などが、多数出展されていました。
今号のグローバルニュースでは、「高脂肪食下でGIP(消化管抑制ペプチド)はレプチンの働きを抑制し、肥満を作り上げる」という記事を取り上げました。
マウスでの実験ですが、高脂肪食を摂取するとレプチンの活性が抑制され、食欲が持続し、肥満となる、というケトダイエットを否定する結果がでています。
ケトダイエットは、飽和脂肪酸の多量摂取などによりコレステロール値が上がる可能性もあり、さらに果物や野菜の摂取量が減るので、ビタミンや食物繊維が不足しがちになりがちで注意が必要です。更に、健康被害が出る可能性もあります。
少なくとも日本人には、ケトダイエットを実践するのは難しいのでは、と思います。
『ケトジェンヌ』の存在意義を理解することができません。
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■9月12日号トピックス
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●米国ミレニアル世代の外食費用は月に139ドル – Accenture調査
●腸の健康維持に傾倒する中国人消費者の意識
●腸の健康維持を目指すGlobal Healing Centerの「Floratrex」
●イチョウ葉抽出物と磁化水が2型糖尿病を改善する可能性
●植物性タンパク質摂取の増加が死亡率低下に関連する可能性
●高脂肪食下でGIPはレプチンの働きを抑制し、肥満を作り上げる
●就寝前にタンパク質を摂取しても太らない?
●プロバイオティクス摂取によりRTIの医療・経済的損失が軽減される可能性
●Nestle Health Sciences、パーソナライズドニュートリション専門のPersona社を買収
●米国KFC、代替肉使用のフライドチキン「Beyond Fried Chicken」をメニューに
●UNPAのイスラエルセン氏がCBD関連のパブリックコメントについて言及
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