こんにちは、GNGの和泉です。
7月10日号のグローバルニュースをお届けいたします。
今号では、米国プラントミルク市場の動向、女性の健康や認知機能に関連するサイエンスニュース、インドネシアの規制の更新、培養肉が米国で販売可能になるなど、様々なニュースを取り上げています。是非ご確認ください。
Nutrition Business Journal (NBJ)誌の最新のサプリメントビジネスレポートによると、2020年(COVID-19パンデミック時)、米国で急成長を遂げたビタミンCおよびハーブ/ボタニカルサプリメントの市場規模が2022年では減少傾向にあることが分かりました。
2020年の成長率が58.1%を記録したビタミンCサプリメントは、2022年には7.6%減、同様に2020年で17.6%成長したハーブ/ボタニカルサプリメントは2022年には1.9%減となっています。
その代わり、パンデミック時に最も低迷していたスポーツニュートリション市場が返り咲き、2021年には9.2%増、2022年にはそれを上回る9.7%の成長を達成し、昨年最も急成長したカテゴリーとなりました。
ハーブサプリメントの成長は停滞していますが、イワベンケイの人気は衰えることがないようです。
市場調査会社SPINSのデータによると、米国自然食品チャネルにおけるイワベンケイの総売上高は、前年比9.3%成長(1,300万ドル超)となりました。
イワベンケイの最もメジャーなカテゴリーのひとつはムードサポートサプリメントですが、新規カテゴリーとして、エナジードリンクが頭角を現しつつあります。売上高は66,000ドルと低いものの、これらの製品は550%の伸びを示しているそうです。
このような急速かつ長期的な成長により、これまで伝統的に野生栽培されてきたイワベンケイは、産業規模での乱獲にさらされやすくなりました。そのため、イワベンケイ全種が「絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約」(CITES)の付属書IIに登録されることになりました。
このリストでは、国際取引における絶滅や絶滅の危機、搾取から種を保護するための具体的な要件が定められ、「a)種子と花粉を除くすべての部位と派生物、b)小売用に包装された完成品」が適用されます。
イワベンケイの安全面として採取地域によっては土壌汚染などの懸念もあり、今後、品質的にも安定した長期原料供給が可能となる商業的な栽培が各国で進むことが予測されます。
皆様のビジネスのお役に立てますと幸甚です。
和泉 美弥子
この記事について
GNGでは、会員向けに世界各国の健康・食・栄養に関するニュースをセレクトし、日本語に要約したものを月に2回、ニューズレター「GNGグローバルニュース」として配信しています。
この記事では、その会員向けニューズレターの一部を抜粋してご紹介させていただきます。
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■GNGグローバルニュース 2023年7月10日号 トピックス
Market News マーケット
●プラントベース乳代替品の革新:クリーンラベル、サステナビリティ、味の向上
●2023年 ニュージーランドのサプリメント市場動向:国内産業が3億ドル超、薬局の売上がスーパーマーケットを上回る
●米国人が考える高栄養価食品のトップはヨーグルト:Danone North America
Science News サイエンス
●ホップ抽出物は微生物叢を介して閉経後女性の骨の健康を改善する可能性
●エルダーベリーとプロバイオティクスの組み合わせが航空乗務員の健康を改善
●GOEDはオメガ3/ブレインヘルス研究を進めるための主要分野を特定
●女性アスリート: 栄養知識のギャップを埋める
●サフランが閉経後の女性の幸福度を高める可能性:RCT
●RCT:ブドウおよびブルーベリー抽出物は高齢消費者の認知機能を改善
●レーズン由来ポリフェノール摂取による高齢者の認知スコア改善が示唆される
Company News 企業情報
●Whole Foods Marketが年間サプライヤー・オールスター賞受賞者を発表
Regulatory News 法規制
●米国のデルタ-8 THCヘンプ市場は高まる攻撃に直面
●USDAの承認を得て培養肉が米国市場に参入
●インドネシアは発酵製品とサプライチェーンに焦点を当てた新しい食品カテゴリー規制を施行
●中国、保健食品原料登録簿に分離大豆たんぱく質とホエイたんぱく質を追加
[今号のハイライト]
中国、保健食品原料登録簿に分離大豆たんぱく質とホエイたんぱく質を追加
[2023/6/26] [foodnavigator-asia.com]
中国の国家市場監督管理総局(SAMR)、国家衛生健康委員会(NHC)などはこのほど、「栄養補助食品の保健食品原料登録簿(2023)」に、分離大豆たんぱく質とホエイたんぱく質などを追加することを発表した。
これにより、上記の2原料は2023年10月1日から特定の健康強調表示「免疫力を高める」の、商品への表示が可能となる。メーカーは保健食品(規格基準型)申請プロセス完了後に製品を販売できる。
今回の追加のきっかけとなったのがCOVID-19パンデミックで、ある消費者調査によると、「たんぱく質には免疫増強効果がある」と考えている消費者の割合は95%以上を占めたという。
今回の発表によると、「免疫力強化を表示できるのは、6~25gのたんぱく質を含有する分離大豆たんぱく質かホエイたんぱく質商品」である。ただ、こうした商品は、たんぱく質不足で免疫低下に陥っている成人向けで、小児やティーンエージャー、たんぱく質不足を起こしていない成人には勧められないとしている。また、腎臓機能に障害がある人は医師の監督下など、使用には十分な注意が必要とした。
この他、原料登録簿に追加されたのは成人向けの藻類由来DHAオイルで、1日摂取量の最大を1,000mg、最少を200mgに設定している。藻類由来DHAオイル商品が可能なラベル表示は、「n-3系多価不飽和脂肪酸(n-3 PUFA)の補給」で、同オイルは微細藻類シゾキトリウム、ウルケニアアモエボイダ、またはクリプテコディニウムコーニーを発酵したものとした。
同時に、n-3 PUFAは「栄養補助食品の健康強調表示に許可される保健機能カタログ(2023)」に追加された。同カタログは、これまでビタミンおよびミネラルのみを対象としていたが、これによってn-3 PUFA商品は「n-3 PUFAの補給」の表示が認められた。さらに、「n-3 PUFAは必須脂肪酸を提供する」、「食事によるn-3 PUFA摂取は総エネルギーの0.5~2%を占めるものとする」、「n-3 PUFAは健康レベルの血中脂質の維持に役立つ」のいずれかを表示できる。
(会員向けニューズレター「GNGグローバルニュース2023年7月10日号」より抜粋)
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和泉 美弥子
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