プロバイオティクスがシフト勤務者や夜間勤務者の腸の健康をサポート、ほか|GNGグローバルニュース2023年7月25日号

こんにちは、GNGの和泉です。

7月25日号のグローバルニュースをお届けいたします。

今号では、欧州のプロバイオティクスを取り巻く市場の動向や、プロバイオティクスが夜間シフト勤務従事者の心身の健康改善に役立つことを示唆した研究、これまで廃棄されていたブロッコリーの茎や葉をクリーンなたんぱく質に再生させる英国のプロジェクト、中国のCBECの状況など、様々なニュースを取り上げています。是非ご確認ください。

世界ではますます肥満人口の増加が問題になっています。

今年初め、世界肥満連盟(the World Obesity Federation)は、2035年までに世界人口の51.1%が過体重または肥満になると予測しました。

英国では、最近発表された研究論文で、「肥満」という名称の変更を求めています。

Obesity Reviews誌に掲載された同論文によると、一般の人々は、「肥満」とは単にBMI(Body Mass Index)で測定された体重超過を指すと理解しています。

そのため、論文の著者らは、肥満の状態が遺伝性の神経行動障害なのか、または食事摂取の調節の問題なのかを明確にするため、「肥満」という用語を「脂肪率に基づく慢性疾患」に変更することを提案しました。

用語についてはさらなる議論が必要ですが、疾患の用語が明確になれば、この病気とそれに対処するための治療法に対する国民の理解が大幅に向上する可能性があるいうことです。

著者らは、この病気の医学的治療の焦点は「太っている人」を痩せさせることではなく、慢性代謝性疾患を持つ人々に対する適切な治療であるべきだと指摘し、「だからこそ、肥満とは何を意味するのかを明確にする必要がある」と主張しています。
肥満問題が特に深刻な英国で、肥満に関する診断用語を分類することでより良い治療法が提供される可能性があるのであれば、これは大きな前進になるかもしれません。

皆様のビジネスのお役に立てますと幸甚です。

和泉 美弥子

この記事について

GNGでは、会員向けに世界各国の健康・食・栄養に関するニュースをセレクトし、日本語に要約したものを月に2回、ニューズレター「GNGグローバルニュース」として配信しています。

この記事では、その会員向けニューズレターの一部を抜粋してご紹介させていただきます。

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■GNGグローバルニュース 2023年7月25日号 トピックス

Market News マーケット
●欧州市場におけるプロバイオティクスの成長
●米国小売店でのCBD製品の売上が低迷
●市場概要: 激動の2022年に直面したナチュラルプロダクト業界

Science News サイエンス
●n-3 PUFA が骨の健康に及ぼす影響:レビュー
●乳製品摂取量が少ないと子供の発育阻害率が上昇:研究
●プラントベース飲料は低たんぱく質で栄養価に大きな違い:中国の横断研究
●新FFQは地中海沿岸の人々のビタミンK摂取量を評価
●プロバイオティクスがシフト勤務者や夜間勤務者の腸の健康をサポート
●閉経後の骨粗鬆症の女性における「驚くべき」マイクロバイオームの変化

Company News 企業情報
●代替たんぱく質はブロッコリーから?茎と葉が「クリーン」なたんぱく質にアップサイクル
●ミールキットを超える: MixMasters社はミール、バー、シェイク などのパーソナライズド・フードボックスに挑戦

Regulatory News 法規制
●中国CBECの懸念:当局はeコマースサプリメント企業に対し「一般貿易」ルールへの準拠を求める
●英国の小売店は不健康製品規制を無視
●FDAがODSPの移転を提案、業界は反発
●米カリフォルニア州、5つの食品添加物を禁止する法案が進行中

[今号のハイライト]プロバイオティクスがシフト勤務者や夜間勤務者の腸の健康をサポート

[2023/8/2] [nutraingredients.com]

シフト勤務および夜間勤務労働者におけるプロバイオティクス補給が腸内細菌叢のバランスや多様性を維持し、心身の健康の改善に役立つことが、スペインで行われたナラティブレビューで示唆された。

欧州では、夜間勤務あるいは勤務日、勤務時間が不規則な労働者の約4人に1人が健康を損ね、死亡率も上昇しているという。これは、不規則な食事による不規則なカロリー摂取、低い栄養価、高カロリー、高塩分、加糖飲料の摂りすぎなどが要因となっている。

また、シフト勤務者は、野菜・果物の摂取不足による食物繊維不足の傾向があり、これが過剰なカロリー摂取の一員となる可能性がある。

これまでの研究では、食事のリズムが崩れることで腸内細菌叢が変化し、ディスバイオシス(腸内細菌叢異常)の発生をもたらすことが示唆されている。さらに、シフト勤務と時差ボケを扱った研究でも、それらが腸内細菌叢に影響し、概日時計腸軸を阻害することも報告され、その影響が短期的でも腸内細菌の割合を変化させてしまうという。

本レビューは、プロバイオティクスサプリメントが夜間シフト勤務者の睡眠障害と関連する炎症作用を緩和し、細菌を一時的に腸に定着させ、免疫システムを調整、ストレス緩和をもたらすと示唆している。特に、ラクトバチルスアシドフィルスやビフィドバクテリウムは睡眠の質を改善し、ストレスの生物的影響を和らげるという。

ある研究では、ラクトバチルスアシドフィルスDDS-1およびビフィドバクテリウムアニマリス・ラクティスUABla-12が夜間勤務者の免疫システムに働きかけ、ストレスや免疫マーカーの変化を低く抑えることも報告された。長い航海中のマイクロバイオームの恒常性維持の可能性を調べた別の研究では、プロバイオティクス補給が腸内細菌叢のホメオスタシスを維持する力や、ストレスを緩和したことが指摘された。

プロバイオティクスに加え、短鎖脂肪酸(SCFA)や食物繊維による不安感、抑うつ症状の抑制を示唆する研究や、SCFAの脳機能への影響を検証する研究も増えている。特に、SCFAの長期摂取は、脳の概日リズムに機能することが示唆された。本レビューはNutrientsに掲載されている。

(会員向けニューズレター「GNGグローバルニュース2023年7月25日号」より抜粋)

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