乳糖フリー乳製品はアーモンドを超え、全乳は植物より成長し、オーツ麦はカニバリを起こす、ほか|NNBマンスリーレポート2021年10月号

こんにちは、GNG武田です。

NNB10月号日本語要約版をお届けします。
今号では、『乳糖フリー乳製品はアーモンドを超え、全乳は植物より成長し、オーツ麦はカニバリを起こす』という論説に多くの紙面を割いています。

この論説の中では、米国プラントミルク市場の歴史に触れています。GNGが創業した2004年当時、日本は第2次豆乳ブームの真っただ中でした。
一方、米国ではWhite Wave社が豆乳ブランドSilkで急成長を遂げた頃でした。
Silk登場以前の豆乳は常温保存が一般的で、売り場は牛乳とは異なる棚でした。Silkがチルド豆乳を導入することで、「乳代替品」というイメージ付けが鮮明になりました。

2006年当時、NNBは「アジア太平洋地域の国では、伝統的食品である豆乳を購入する消費者が多い(日常的な購入者が28%)。比較すると、ヨーロッパでは、日常的に豆乳を購入する人はたった6%だった。
ヨーロッパでは、大豆がいかに新しい食品で、ニッチかということを考えると、驚く結果ではない。
大豆に関しての興味深い結果は、日常的に豆乳を購入すると答えた米国人が9%に過ぎなかったことだ。
米国の豆乳市場は約10億ドルの巨大市場だが、極限られた小数の消費者が大量に消費しており、マスマーケットの商品でないことが示唆される。」と述べていました。

そして更に15年が経過した現在、プラントミルク市場の様相はすっかり変わりました

19日(金)のポイント解説セミナーでは、プラントミルクについて、歴史を振り返りつつ欧米と日本の違いにも言及したいと思います。
欧米のプラントミルクは、乳「代替品」という位置づけが強いですが、日本では様相が違います。

日本豆乳協会HPのデータによると、2019年の主要国の1人当りの年間豆乳消費量は、
・日本   3.6ℓ
・米国   0.6ℓ
・フランス 0.9ℓ
・ドイツ  1.0ℓ
・オーストラリア 3.3ℓ
・中国   1.1ℓ
・台湾   6.6ℓ
・タイ    10.3ℓ
となっています。(https://www.tounyu.jp/database/international.html

一方、日本乳業協会HPのデータによると、日本人の牛乳の1人当りの年間消費量は
約30㎏であり、欧米諸国に比べると格段に少なく、消費量が上位の国と比べると1/3程度、米国の半分程度で世界的に見ても非常に少ないレベルであることがわかります。
https://www.nyukyou.jp/support/farming/index04.html

日本では、豆乳はカテゴリーとして完成しています
現在は、第3次豆乳ブームを迎えています。多くの日本人は乳「代替品」として豆乳を飲んでいないと思います。
豆乳そのものがヘルシーで美味しいから飲む、という人が大半ではないかと思います。
豆乳の消費量は、この10年で2倍に増加しています。
アーモンドミルクも同様に、美味しくヘルシーだから飲んでいる方が大半だと思います。

元々主要国と比べて消費量の少ない牛乳の「代替」を狙ったところで、ビジネスとしての魅力はありません。
日本は欧米とは異なる独自のプラントミルク市場が構築されていると思います。
プラントミルク同士でカニバっている欧米とは異なり、豆乳も伸び、アーモンドミルクも伸びています。
海外トレンドを見極め、売れるトレンドを取り入れるポイントは、このようなことだと思います。

【お知らせ】
10キートレンド2022年版が発刊されました。
去年よりもボリュームアップし、172ページの大作になりました。
10キートレンド2022年は以下の通りです。

Mega Trend 1: Naturally Functional
Mega Trend 2: Fragmentation of health beliefs
Mega Trend 3: Weight Wellness
Mega Trend 4: Snackification at the heart of strategy
Mega Trend 5: Sustainability
Key Trend 1: Carbs – better & fewer
Key Trend 2: Digestive Wellness diversifies
Key Trend 3: Fat fuels growth
Key Trend 4: Plants made convenient
Key Trend 5: Animal protein powers on
Key Trend 6: The plant protein paradox
Key Trend 7: Sweetness reinvented
Key Trend 8: Mood & mind
Key Trend 9: Emerging nutrient density
Key Trend 10: Provenance & authenticity

10キートレンド2021年から「免疫」が抜けて、新たに「栄養素密度」が加わりました。

(株)グローバルニュートリショングループ 武田 猛

【お知らせ】

毎月NNBマンスリーレポートのポイント解説セミナーオンライン開催しています。

NNBマンスリーレポートを定点観測することは、いち早くビジネスチャンスを見つけるための最適な方法だと思います。しかし、情報量が多く、じっくり読む時間のない方にとっては十分にご活用できないこともあるかと思います。

毎月定期的にみていくことで、10キートレンドもさら深く理解できるようになります。ご多忙の方も、60分1ヶ月分のポイントをつかんで頂き、ご自身のビジネスにご活用頂ければ幸いです。

ご出席される方のご希望を少しでも多く取り入れるため、解説するトピックスは事前アンケートにて選定させて頂きます。

10月号8のトピックスから、ご希望されるトピックス4つ以内をお答えください。
ご希望の多い上位のトピックスから選択して解説させていただきます。

NNB10月号トピックスは以下の通りです。

①乳糖フリー乳製品はアーモンドを超え、全乳は植物より成長し、オーツ麦はカニバリを起こす
②科学よりも話題性で成功に導く
③スポーツドリンクに牛乳本来の長所を活かす
④ビーガンチョコレートをクリーミーにするオーツミルク
⑤無駄にしない:アボカドの未知なる可能性を探る
⑥キャッサバ粉はグルテンおよび穀物フリー市場のニッチを切り開く
⑦コラーゲンはサプリメントからスキンケアスナックに移行できるか?
⑧ブランド創造戦略はフルーツスナックに利益をもたらす

【会員限定 NNBマンスリーレポートポイント解説セミナー】11月19日開催
お申込みはこちら
※GNG研究会会員企業様のみお申込みいただけます

【NNBマンスリーポイント解説セミナー 事前アンケート】11月11日締切
ご回答される方はこちら※GNG研究会会員企業様のみご回答いただけます

ご不明な点はGNG研究会事務局へお尋ねください。

この記事について

GNGでは、会員向けに英国発信の食品・栄養・健康分野の業界専門誌【NNBマガジン(New Nutrition Business)】を日本語に要約し、定期的にお届けしています(月1回)。

毎月、最新情報を「定点観測」することで、ブランド戦略、マーケット分析、法規制、新技術に関する世界の動向を素早くつかむことができます。

本日配信したNNBマガジンでは、大きなベネフィットはクリーンラベルにも勝る、パンデミックの年に消費者が求めたのは、酒類、エナジー、罪悪感なく食べられるもの、米国人の最重要リストの上位は、たんぱく質、より多くの植物、より少ない糖質 などを取り上げています。

この記事では、その会員向けマガジンの一部を抜粋してご紹介させていただきます。

■NNB(New Nutrition Business)10月号  トピックス

今回、会員向けにお届けしたNNB日本語要約版のタイトルは以下の通りです:

●乳糖フリー乳製品はアーモンドを超え、全乳は植物より成長し、オーツ麦はカニバリを起こす
●科学よりも話題性で成功に導く
●スポーツドリンクに牛乳本来の長所を活かす
●ビーガンチョコレートをクリーミーにするオーツミルク
●無駄にしない:アボカドの未知なる可能性を探る
●キャッサバ粉はグルテンおよび穀物フリー市場のニッチを切り開く
●コラーゲンはサプリメントからスキンケアスナックに移行できるか?
●ブランド創造戦略はフルーツスナックに利益をもたらす

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[今号のハイライト]

乳糖フリー乳製品はアーモンドを超え、全乳は植物より成長し、オーツ麦はカニバリを起こす

我々が2017年に予測したように、米国における乳糖フリー牛乳の売上は、アーモンドミルクの売上に追いつき、米国の全プラントミルク市場の2倍の速度で成長している。プラントミルク市場の72%を占めるアーモンドミルクは、2021年に壁にぶち当たった。
そして、その他多くのプラントミルクは、消費者がオーツミルクに乗り換えたことにより売上を落とした。
一方、全脂肪乳は売上を増やしている。

(会員向けニューズレター「NNBマガジン2021年10月号」日本語要約版より抜粋)

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ブランド戦略、マーケット分析、法規制、新技術に関する世界の動向を、日本語の要約付きでお届けしています(月1回、11月&12月は「10キートレンド」として合併号を発行)。

NNBを日本語で読めるのは、弊社が主宰するグローバルニュートリション研究会だけ

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18年間の実務経験と20年間のコンサル経験を積み、38年間一貫して健康食品ビジネスに携わる。国内外750以上のプロジェクトを実施。「世界全体の中で日本を位置付け、自らのビジネスを正確に位置付ける」という「グローバルセンス」のもとに先行する欧米トレンドを取り入れたコンセプトメイキングに定評がある。世界各地にネットワークを築き上げ、情報活用サービス「グローバルニュートリション研究会」主宰。食品会社、化粧品会社、製薬会社の健康食品部門に対して、商品開発・マーケティング・海外進出などのコンサルティングを行っている。人が幸せに生きるためには健康が第一である。健康食品産業は「幸せ創造産業」である、という信念のもと、クライアントの成功を通じ、消費者に支持される業界を目指し、業界で働く人すべてが自分の仕事に誇りと自信をもてるようにしたいという想いから、業界健全化活動にも取り組んでいる。

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