本日配信のGNGニューズレターでは、冒頭の巻頭言にて、Nutrition Business Journal(NBJ)が発刊した”Delivery Format Report 2023” のExecutive overview版より、サプリメントの非ピル化についてご紹介しています。
国内ニュースからは、【食品ロスと賞味期限調査】「てまえどりを行っている」人は94.1%、食品ロスの原因と防ぐアイデアは?、キリン子会社のポストバイオティクスがインドで食品、サプリメント使用に認可、ポストバイオティクスが免疫システムのサポートに有効、消費者庁、機能性表示食品届出ガイドラインを一部改正、などといった話題を取り上げています。
この記事では、その会員向けニューズレターの一部を抜粋してご紹介させていただきます。
こんにちは、GNGの有松です。
令和元年10月1日に施行された「食品ロスの削減の推進に関する法律」(略称 食品ロス削減推進法)第9条において、10月は「食品ロス削減月間」、10月30日は「食品ロス削減の日」とされています。消費者庁の食品ロス削減関係参考資料(令和5年6月9日版)によると、「食品ロス」とは本来食べられるのに捨てられる食品、とされています。
農林水産省・環境省「令和3年度推計」によると、日本の食品ロス量は年間523万トンで、国連世界食糧計画(WFP:2021年実績)による食糧支援量(約440万トン)の1.2倍です。その内訳は、主に規格外品、返品、売れ残り、食べ残しなどの事業系が279万トン、食べ残し、手つかずの食品(直接廃棄)、皮の剥きすぎなど(過剰除去)が発生要因である家庭系からは244万トンとなっています。これは日本の人口1人当たり毎日おにぎり1個(114g)を捨てている計算になります。
総務省の「家計調査(2022年)」によると、日本における食品ロスの現状は以下の通りです。
- 日本での家計における食費は消費支出の中で4分の1を占めている(農林水産省「食料需給表(令和3年度)」)。
- 食料自給率(カロリーベース)は38%で、食料の多くを海外からの輸入に依存している(農林水産省「食料需給表(令和3年度)」)。
- 廃棄物の処理に多額のコストを投入している。市町村及び特別地方公共団体が一般廃棄物の処理に要する経費は約2.2兆円/年(環境省「一般廃棄物の排出及び処理状況等について(令和2年度)」)
- 子供の貧困は7人に1人と高水準である(厚生労働省「2019年国民生活基礎調査」)
また、世界の食料廃棄量は年間約13億トン(FAO国連食糧農業機関「世界の食料ロスと食料廃棄」(2011年))で、人の消費のために生産された食料のおよそ3分の1を廃棄しています。さらに、世界の人口は2050年には約97億人と予測(国連「World Population Prospects The 2022」)されており、国連食糧農業機関(FAO)によると、深刻な飢えや栄養不良で苦しんでいる人々は約7.7億人とされています。
今号の記事の一つである、「食品ロスと賞味期限調査、食品ロスの原因と防ぐアイデアは?」の中でも、やはり一般家庭における食品ロスの原因は「買い過ぎ」「冷蔵庫の詰め込み過ぎ」「食べ残し」で、食品ロスは必要以上に購入してしまうことが原因であると、多くの人が自覚していることが明らかとなっています。
世界には栄養不足の状態にある人々が多数存在する中で、日本は食料の多くを輸入に依存しており、食品ロスの課題には真摯に取り組む必要があると思います。食品ロス削減には、事業者、家庭双方の取組が必要です。「食品ロス削減月間」である10月は、店頭での「てまえどり」や「調理の工夫」「冷蔵庫の整理整頓」など、出来ることから始めてみたいと思います。
皆様のビジネスのお役に立てますと幸甚です。
有松 志寿子
GNGニューズレター(国内情報) 2023年10月16日 トピックス
<国内ニュース(要約)>
NEW PRODUCTS 新商品
●菌活の納豆屋がつくる栄養価・吸収力に優れた甘酒とプロテインを融合させた「甘酒プロテイン」10月2日新発売
●「in PROTEIN ハニー・オレ風味」10月10日(火)より全国にて新発売
●藻の常識を覆す、泡盛粕から生まれた美味しい藻「うま藻」Makuakeにて先行販売開始
●レイデルジャパン、沖縄全域で血圧ケア「ポリコサノール10」販売開始
MARKET NEWS マーケット
●わかもと製薬、女性の年代と働き方別の身体の悩みと腸活実態調査を1,005人に実施
●【食品ロスと賞味期限調査】「てまえどりを行っている」人は94.1%、食品ロスの原因と防ぐアイデアは?
●2023 年 8月のドラッグストア販売額、「健康食品」は前年同月比5.3%増加
COMPANY NEWS 企業情報
●キリン子会社のポストバイオティクスがインドで食品、サプリメント使用に認可
SCIENCE NEWS サイエンス
●ポストバイオティクスが免疫システムのサポートに有効
●森永乳業、乾燥下でのラクトフェリン摂取がのどの不快感を軽減すると確認
●金色のユーグレナが免疫細胞を活性化して風邪様症状を抑制する効果を臨床試験で確認
●ノンアルコール飲料の提供で飲酒量が減少することを世界で初めて実証
REGULATORY NEWS 法規制
●消費者庁、機能性表示食品届出ガイドラインを一部改正
グローバルニュートリション研究会の会員企業の皆様は、会員ページで最新記事から過去10数年分のバックナンバーまですべての記事を読むことができます。
会員の方はこちら お問合せはこちら[今号のハイライト]
消費者庁、機能性表示食品届出ガイドラインを一部改正
消費者庁は2023年9月29日、機能性表示食品の届出ガイドラインを一部改正した。同改正では、機能性の科学的根拠を説明する資料である研究レビューにおいて、準拠内容のPRISMA声明(2009年)がPRISMA声明(2020年)に更新された。届出内容の責任所在の明確化や、最終製品を用いた臨床試験の研究計画の事前登録については公開データベースの運用に従う必要がある。また、これまで事業者団体などの確認を受けた届出については 30 日を超えない期間に公表、または、差戻しを行うことを目標とする運用については廃止することとなった
(会員向けニューズレター「GNGニューズレター2023年10月16日号」より抜粋)
グローバルニュートリション研究会とは?
グローバルニュートリション研究会は、世界中のニュートリションに関する情報の洪水の中から価値ある情報を厳選し、タイムリーに提供する日本で唯一の健康食品ビジネスに特化した会員制サービスです。
単なる情報ではなく、これまでに弊社が関わった数多くのプロジェクトから得た経験や知見も惜しみなくお伝えしています。
ご多忙の皆様が、業界動向を短時間で把握できますよう、お役に立てることができましたら幸甚です。
有松志寿子
最新記事 by 有松志寿子 (全て見る)
- 機能性表示食品制度自体の問題と食品全般にかかわる問題|ウェルネスフード・ワールド第113回 - 2024年4月18日
- 更年期障害の対処療法|ウェルネスフード・ワールド第109回 - 2023年6月20日