本日配信のGNGニューズレターでは、冒頭の巻頭言にて、New Nutrition Business(NNB)が自ら毎年実施している5カ国消費者調査の結果から、「プロテイン」についてご紹介しています。
国内ニュースからは、約1,242万件の購買データから生活者の健康トレンドを調査 、マルヤナギ小倉屋、兵庫県加東市民の腸内細菌叢調査の結果を発表、ラクトフェリンがプラズマサイトイド樹状細胞(pDC)の活性化を介して免疫機能をサポート、などといった話題を取り上げています。
この記事では、その会員向けニューズレターの一部を抜粋してご紹介させていただきます。
こんにちは、GNGの有松です。
キレートレモンやポッカレモンで知られている、ポッカサッポロフード&ビバレッジ株式会社は、レモン果汁の摂取が健常者の愛情ホルモン(オキシトシン)の分泌と心理状態に及ぼす影響について日本食品科学工学会第70回記念大会で発表しました。
同社は、新型コロナウィルス感染症拡大の影響により、今までのコミュニケーションの在り方が変化し、他者とのつながりが以前よりも希薄になってきていることを受け、社会性や他社との信頼関係に関与する愛情ホルモン(オキシトシン)に着目して研究を進めてきたとのことです。
愛情ホルモン(オキシトシン)とは、国際社会研究所によると、
「哺乳類が共通に持つ神経伝達物質であり、器官に作用するホルモンです。広く知られているホルモン作用としては、母体の子宮を狭め、子宮口を広げることで出産を促す働きや、乳腺の筋繊維を収縮させて乳汁分泌を促すなどの働きがあります。その他にも、食欲を抑制する作用や、ストレスを軽減する作用、痛みに対する耐性が増す、学習効率を高めるなどの働きがあります。さらに、オキシトシンが脳内で働くと、相手への愛情や信頼感を生む効果がある。」
とされています。
同研究では、26歳~54歳の健康な男女25名を対象にレモン果汁30mlを摂取し、唾液中オキシトシン濃度の変化と心理状態の変化を調べたところ、接種から5分後、20分後に摂取前と比較して唾液中のオキシトシン濃度が有意に高くなったことが分かりました。また、摂取前後で否定的な感情項目の「不安」「倦怠」「敵意」が有意に低下、「信頼感」が有意に上昇することが明らかになりました。
さらに、ニュージーランドの研究では、ビタミンCを多く含んでいることで知られているサンゴールドキウイを2個食べると、ビタミンCサプリメントを1錠摂取する場合と比較して、気分と幸福感が大幅に改善されたという研究結果があります。同研究によると、ビタミンCは、アドレナリン、セロトニン、オキシトシンなどのホルモンや神経伝達物質の産生を増加させることで、ストレスの調整や気分の調整、幸福感の促進に寄与しているとのことです。
ビタミンCを摂取するために、サプリメントを1錠摂取するよりも、レモンやキウイなどのフルーツを食べることで、鮮やかな色や良い香り、美味しさを感じながら摂取できる方が、オキシトシン的幸福を感じることができ、Well-beingにつながるのではないでしょうか。
オキシトシンは主に人同士やペットとの触れ合い・愛情が深まる時に分泌されることが多いと言われています。愛情ホルモンと呼ばれるオキシトシンと食に関する研究はまだ少ないですが、体の健康だけでなく、食と心の健康についても注目していきたいと思います。
皆様のビジネスのお役に立てますと幸甚です。
有松 志寿子
GNGニューズレター(国内情報) 2023年10月2日 トピックス
<国内ニュース(要約)>
NEW PRODUCTS 新商品
●「おなかの脂肪(内臓脂肪)を減らす極旨わさびせんべい キューサイ青汁プラス」9月18日販売開始
●伊藤超短波、脚のむくみと睡眠の質の向上にアプローチする機能性表示食品 「Well Be Tab(ウェルビータブ)」シリーズ 第一弾「アップルジンジャー風味」を新発売
●「森永アロエヨーグルト」シリーズ 豆乳ベースの「森永豆乳&アロエ 豆乳仕立て」新発売
MARKET NEWS マーケット
●約1,242万件の購買データから生活者の健康トレンドを調査
●ダイエットと腸内環境の関係性に関する調査
●ベネッセコーポレーション、女性の健康とストレスに関する意識調査の結果を発表
●【オーガニックに関する意識調査】59.4%がオーガニック製品を購入したことがあると回答
COMPANY NEWS 企業情報
●ダイセル、ファーマフーズにヘルスケア通信販売事業を譲渡
●マルヤナギ小倉屋、兵庫県加東市民の腸内細菌叢調査の結果を発表
SCIENCE NEWS サイエンス
●フラバノール豊富なカカオエキスが中年日本人女性の気分に及ぼす影響
●朝バナナの血糖スパイクと糖代謝への作用に関する臨床試験結果
●コーヒー由来成分「トリゴネリン」のマウスでの認知機能改善効果
●ラクトフェリンがプラズマサイトイド樹状細胞(pDC)の活性化を介して免疫機能をサポート
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ラクトフェリンがプラズマサイトイド樹状細胞(pDC)の活性化を介して免疫機能をサポート
ラクトフェリンを 1日 200mg、12週間摂取することで、健康な成人の免疫機能をサポートすることが、日本の森永乳業株式会社が資金提供した研究で明らかとなった。
2022 年 8 月から 11 月にかけて無作為化二重盲検プラセボ対照試験が日本で実施された。健康な成人 157 人を、100mg のウシラクトフェリンを含む錠剤を 1日 2錠ずつ摂取する群と、プラセボを 12週間摂取する群に無作為に割り付けた。参加者は呼吸器症状や全身症状を記録し、それらの症状を点数化した。点数が低いほど症状が軽いことを意味している。
その結果、鼻水や喉の不快感などの呼吸器症状はプラセボ群と比較してラクトフェリンを摂取した群で有意に低かった。また、熱などの全身症状も介入群で少なかった。さらに、介入群ではプラセボ群よりも pDC 活性が高いことが判明した。
同研究結果から、摂取されたラクトフェリンは、プラズマサイトイド樹状細胞(pDC)活性の維持を通じて免疫系全体を調節し、呼吸器系と体調維持に寄与していると考えられる、と研究者らは述べている。
(会員向けニューズレター「GNGニューズレター2023年10月2日号」より抜粋)
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有松志寿子
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