サプリメント事業はますますパーソナライズ化へ、ほか|GNGグローバルニュース2022年5月26日号

こんにちは、GNGの寺門です。
5月26日号のグローバルニュースをお届けいたします。

今号では、2022年の食品トレンドやCBD研究、サプリメントのさらなるパーソナライズ化についてなど、幅広くお届けいたします。

オンライン販売のサプリメントや冷凍ミールの市場などで、日本でも徐々に進んでいる商品の「パーソナライズ化」ですが、欧米では現在どのような状況なのでしょうか。

米国では、出身国や人種の異なる様々な人々が生活しているため、それぞれ異なった食ニーズがもともとありました。一般の食品スーパーでもメキシコ料理の食材、ハラル対応食品の提供など、それに対応するサービスが存在しており、また、テレビのチャンネルも、料理や動物、歴史、インテリア、サイエンス等々、多くの専門チャンネルで個々のニーズを存分に満たせるような、パーソナライズの土台がもとより存在していたように思います。このため、時代とともに進む「便利さの追求」の流れの中で、商品のパーソナライズ化が米国から進んだことは、至極自然な流れのように感じます。

今号でも触れておりますが、欧米のサプリメント業界においても、新型コロナのパンデミック以降に消費者の健康意識が高まったことでニーズの細分化が進み、さらなるパーソナライズ化の様相を呈しています。 今後、AIや機械学習による新しいサービスで、個人のデータから各自が必要な健康ニーズを瞬時に判断できるなど、まるで自分専属のヘルスエキスパートがついているかのような、究極にパーソナライズ化されたサービスも出てくると予想されています。

一方、企業間での競争が激化しており、グローバルな展開を始めるブランドが増えることも予想されています。しかし、このカテゴリーがこれまで通りの成長を続けていきたいのなら、ターゲットの幅を広げる必要があるといいます。それは、健康に対しストイックな層や意識の高い層のみをターゲットとしている場合、商品のパーソナライズ化が進むことで、彼らがこれ以上求めるものの余地が無くなることに起因しています。彼ら以外の消費者層へ、意識を高める情報を伝えるなど、健康への行動を後押しし、彼らを呼び込めるかどうかが今後の成長へのカギとなるようです。

そして、さらに便利でクリーン、サステナブルであることが求められていることは確かです。そのブランドがサステナブルに対しどのような姿勢を取っているのか、容器の素材は消費者がその判断材料にしやすいパーツです。100%リサイクル可能で、さらに携帯できるパッケージが開発されるなど、機能性を損なわずにサステナブルを実現することも可能になってきました。

このように、欧米で急速に進むパーソナライズ化ですが、日本ではどの分野で、どのように、どの程度進んでいくのでしょうか。今後の動向に注目です。

寺門 夕里

この記事について

GNGでは、会員向けに世界各国の健康・食・栄養に関するニュースをセレクトし、日本語に要約したものを月に2回、ニューズレター「GNGグローバルニュース」として配信しています。

本日配信したグローバルニュースでは、SPINS: 2022年の食品トレンド、苦境に立つCBD産業 FDAの規制整備がカギか、大規模なCBD研究 Radicle Science社が成果発表、サプリメント事業はますますパーソナライズ化へ、など20の記事を取り上げています。

この記事では、その会員向けニューズレターの一部を抜粋してご紹介させていただきます。

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■GNGグローバルニュース 2022年5月26日号 トピックス

MARKET NEWS マーケット
●アジアのノンアルコール飲料はよりサステナブルでヘルシーに 消費者の関心の変化反映
●「模倣」より「本物」を シビアな消費者はプラントベース代替肉から離れるか
●サプリメント事業はますますパーソナライズ化へ
●先進国の食肉摂取、環境保全のために75%減必要:研究者が提言
●苦境に立つCBD産業 FDAの規制整備がカギか
●SPINS: 2022年の食品トレンド

Products News 商品情報
●Bonafide社、更年期障害が引き起こす髪と肌の悩みに対応

Science News サイエンス
●米国と日本におけるコロナ感染の差、食生活の違いが原因である可能性
●野菜を多く摂取することが、高齢者の炎症マーカーを下げる可能性
●地中海のスパイスが胃上皮の炎症を軽減する可能性
●大規模なCBD研究 Radicle Science社が成果発表

Company News 企業情報
●Fonterra社が乳牛のゲップ抑制のための事業推進
●Gc Rieber VivoMega社、オメガ3濃縮物の生産施設を規模拡大

Regulatory News 法規制
●FDA、主要食品アレルゲン9項目以外のアレルゲン評価に関するガイダンス草案を発表
●サプリメント商品の詳細情報、FDAへの開示を義務付ける法案が米上院議会に提出される
●サプリメント商品情報開示義務付け法案は「税金の無駄遣い」:ハーバード大学教授主張
●FDA、米国向け輸出食品に関した認定第三者認証機関プログラムのガイダンス草案を発表
●栄養プロファイル表示など5つの表示方式、中国の消費者から高評価なのは?
●FDA、不適切な効能うたった表示で警告 デルタ-8THC商品販売会社5社に
●EU、MOAHを含む食品、サプリメントの回収命令

[今号のハイライト]
サプリメント事業はますますパーソナライズ化へ

[2022/5/2] [nutraingredients.com]

Covid-19パンデミック以降、消費者一人ひとりのニーズに合わせた商品やサービスへの関心が高まっている。消費者は、「柔軟で便利にパーソナライズ化された商品」に価値を感じている。
サプリメント業界では、パンデミック以前からパーソナライズ化を意識した商品開発が盛んだった。最近では、オンラインに特化し、サブスクリプションなどでパーソナライズされたサービスを提供する新規事業者も目立つ。

例えばVitmedics社は、Vitcheck Assessmentという評価システムを提供。オンラインで幾つかの項目に答えると、服用している医薬品との相互作用や、栄養成分の吸収への影響などを考慮に入れた上で、必要なサプリメントを吟味し、自宅へ配送してくれる。
また、VitlやBazeは、血液検査により消費者自身の栄養状態を確認し、個人に合わせたサプリメントを提供している。このパーソナライズドニュートリション市場は、2020年に世界で18億ドル規模だったが、2021~2028年には年間7.9%の成長が期待できると予測されている。Nestle社など大手食品メーカーも次々にこの分野への参入を計画し、競争はますます激化するものとみられる。そこから一歩先んじるためには、付加価値商品、技術イノベーション、サステナブルなサプライチェーン、改良された容器が重要だという。

例えば、遺伝子検査や腸内細菌叢検査を介したサプリメント提供は、パーソナライズ化を極めたものだ。加えて、より高度なAI技術を取り入れるメーカーが増えてきた。容器改良のための新しい技術も見逃せない。QRコードやアプリを採用し、消費者の目標達成状況を知らせる。あるいは毎日のサプリメント摂取を忘れないように注意を喚起してくれるサービスなどを提供している。容器の素材や外観も、企業のサステナビリティへの取り組みを消費者に判断させる材料となる。ゴミ削減のために、小ぶりで再利用できるものを消費者は好み、例えば、「SnappD」は100%リサイクル可能で、1回分でも持ち運べる便利な仕様を採用している。

(会員向けニューズレター「GNGグローバルニュース2022年5月26日号」より抜粋)

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