こんにちは、GNGの和泉です。
6月25日号のグローバルニュースをお届けいたします。
今号も最新ニュースが盛りだくさんです。
表題にもありますが、米国の大手原料サプライヤーであるRoyal DSM社がCBD企業のMile High Labs社と業務提携し、CBD市場に参入することを発表しました。
EUは昨年12月にヘンプ由来CBDを食品とみなし、一時停止されていたノベルフード(新規食品)としての承認手続きを再開しましたが、米国は規制の制定への歩みが非常に遅い状態です。
そのため、DSM社は長い間CBD市場への参入に関して検討を重ねてきましたが、同市場の未来に投資することを決めたということです。
これは、CBDを含むヘンプ由来カンナビノイドにそれだけ大きな可能性があることを意味しています。今後のCBD市場の成長において大きな弾みになるのではないでしょうか。
さて、今号ではマイコプロテインに関するニュースも取り上げています。
ご存知の方も多いとは思いますが、マイコプロテインとは、「Fusarium venenatum」と呼ばれる糸状菌(真菌)由来のたんぱく質です。
この真菌をブドウ糖やその他の栄養素とともに発酵させてできたものがマイコプロテインで、食物繊維が豊富で低脂質の肉のような食感なのだそうです。
2019年に学術誌Current Developments in Nutritionで発表された研究レビューによると、マイコプロテインの特徴は以下の通りです。
・栄養価の高いたんぱく質源
・食物繊維が多い
・ナトリウム、砂糖、コレステロール、脂肪が少ない
・必須アミノ酸が豊富
・肉のような食感
・鶏肉や牛肉と比較して、二酸化炭素排出量と水の使用量が少ない
市場調査会社Research and Markets社によると、2020年のマイコプロテイン市場は推定5億ドル超、2027年までに約8億ドルまで成長すると予測されています。
現在、マイコプロテイン市場は新規参入者も増加しており、今後さらに多くの商品を見ることができるようになるかもしれません。
(株)グローバルニュートリショングループ 和泉 美弥子
この記事について
GNGでは、会員向けに世界各国の健康・食・栄養に関するニュースをセレクトし、日本語に要約したものを月に2回、ニューズレター「GNGグローバルニュース」として配信しています。
本日配信したグローバルニュースでは、米国の2020年のオーガニック食品売上高が過去最高の619億ドルを記録:OTA調査、Google検索で最も検索回数が多いワードは「プレバイオティクス」、女性のメンタルヘルスは食事要因とより強く関連:研究、Better Meat社が巨大発酵施設を建設、マイコプロテイン「Rhiza」を大量生産、など12の記事を取り上げています。
この記事では、その会員向けニューズレターの一部を抜粋してご紹介させていただきます。
……グローバルニュートリション研究会 会員企業様は、会員サイトにて、すべての記事をお読みいただけます。
■GNGグローバルニュース 2021年6月25日号 トピックス
●米国の2020年のオーガニック食品売上高が過去最高の619億ドルを記録:OTA調査
●米国人の過去1年間の身体的および精神的健康の低迷が明らかに:Benefiber社消費者調査
●Google検索で最も検索回数が多いワードは「プレバイオティクス」
●米国:Amazonが大型のキャッシャーレス食料品店をオープン
●女性のメンタルヘルスは食事要因とより強く関連:研究
●飽和脂肪酸は動物由来と植物由来でコレステロール値に異なる影響を及ぼす:タイ研究
●カレーの混合スパイス摂取で腸内の「善玉」菌が増加し「悪玉」菌が減少する可能性
●体内ビタミンD濃度がうつ病の症状に関連する可能性:ドイツ研究
●植物由来抽出物、香料は消費者のポジティブ感情を生み出す:Kerry社調査
●Unilever社、食品技術企業との提携でマイコプロテインを自社のポートフォリオに追加
●Better Meat社が巨大発酵施設を建設、マイコプロテイン「Rhiza」を大量生産
●Royal DSM社がMHL社と提携しカンナビノイド市場に参入
[今号のハイライト]
Royal DSM社がMHL社と提携しカンナビノイド市場に参入
[2021/6/15] [dsm.com]
原料サプライヤーとして世界的なリーディングカンパニーであるRoyal DMS社(オランダ)は、カンナビノイド企業のMile High Labs(MHL)社(米コロラド州)と提携を結び、科学に裏打ちされた次世代向けカンナビノイドソリューションの開発に乗り出す。
同社はMHLとの提携により、先進のプラットフォームを構築し、世界的に信頼できる成分を用いた最新、かつ健康効果の高い商品を生み出すことが可能になるという。
この提携は世界を視野に入れているが、現在のところ米国市場に照準を合わせている。CBDなどのヘンプ由来カンナビノイドと、エビデンスに基づいた栄養成分をブレンドした独自のソリューションの開発を行う。
ストレス、気分、睡眠に関する訴求を目的としたサプリメント、食品・飲料、機能性食品ブランドが、「科学的に証明されたイノベーションを、迅速に自信を持って提供できる」ようになるという。
同社は、「高品質で健康上のメリットを重視したCBD製品に対する消費者の関心は非常に高いが、CBD市場はいまだ求められる科学的根拠、品質基準に達していない。DMS社は臨床、規制、アプリケーションに関する専門知識を駆使して、これまでに認知されていないカンナビノイドの効果を探り、科学的に裏打ちされた次世代のカンナビノイドソリューションを開発していく」と、今後に期待している。
また、MHL社のCEO、Jonathan Hilley氏も「MHL社の進化にとって、さらにカンナビノイド市場の成長を促進する上でも重要なマイルストーンになる」と、今回の提携を歓迎した。
(会員向けニューズレター「GNGグローバルニュース2021年6月25日号」より抜粋)
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和泉 美弥子
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