こんにちは、GNGの和泉です。
11月に入り、2021年のトレンド予測が続々と発表されています。
皆様のご参考になれば幸いです。ぜひご覧ください。
さて前号の配信文ではKombucha(コンブチャ)について書かせていただきましたが、今号は同じく米国で人気のアップルサイダ―ビネガーについても調べてみました。
コンブチャほどではありませんが、アップルサイダ―ビネガーも、数年前からダイエット効果や美肌効果を期待して米国人女性の間で人気が継続しています。コンブチャと比べて価格が安いことも人気の秘訣であると思われます。
ご存知の方が多いとは存じますが、アップルサイダ―ビネガーとは、リンゴ果汁を酵母発酵させアルコールにし、さらにそこからマザー(酢酸菌)と呼ばれる細菌の泡を加え酢酸に発酵させたもので、いわゆる「リンゴ酢」のことです。
こちらもコンブチャと同様、歴史はとても古く、紀元前400年頃には”医学の祖”として有名なギリシャの医師、ヒポクラテスが風邪の治療薬として使っていたという記録も残っているとのことです。
日本のリンゴ酢は比較的飲みやすく作られているものが多いのですが、米国のアップルサイダービネガーはかなり酸性が強く、強烈な味の製品が多いのだそうです。
専門家によると、アップルサイダービネガー摂取による体重減少効果を裏付ける直接的な証拠はないとのことです。ただし、健康的な食事と定期的な運動を組み合わせることで、 酢酸菌がダイエットをサポートする可能性はあるそうです。
主成分である酢酸を摂取したネズミの悪玉コレステロール(LDL)が減少し、善玉コレステロール(HDL)が増加したという研究結果もあるそうですが、動物実験の結果が必ずしも人間に当てはまるとは断言できないため注意が必要です。
また、原液は酸性が強く飲みすぎると胃に負担がかかり、アップルサイダ―ビネガーの主なメリットの元である酢酸菌や乳酸菌はコンブチャにも含まれていることから、おそらく米国では比較的飲みやすく飲料として手に取りやすいコンブチャに軍配が上がりそうです。
11月の第4木曜日は米国のサンクスギビングデー(感謝祭)です。
日本人にはあまり馴染みのない祝日なので調べてみたところ、サンクスギビングは日本でいう正月のようなもので、ほとんどの政府機関、学校、企業がその前後の週末を含め連休になります。家族全員で過ごす日と認識されているため、遠くに住む親戚などを含めた大勢の人が一斉に故郷に帰り日本のお盆やお正月のような状況になるそうです。
しかし今年はとうとう米国疾病予防管理センター(CDC)が帰省の自粛を呼びかけました。CNNによると、米国では11月だけで300万人以上のCOVID-19新規陽性者が確認されているそうです。
Bloomberg によると、米国では人の動きが極端に減少したため、温室効果ガスも昨年より9.2%減少し、1983年レベルにまで落ちたということです。これは温室効果ガスを調査するようになって最大の減少率なのだそうです。
日本でも現在「第3波」が到来しているといわれています。早く収まることを祈り、不要不急の外出は避けるようにしたいと思います。
(株)グローバルニュートリショングループ 和泉 美弥子
この記事について
GNGでは、会員向けに世界各国の健康・食・栄養に関するニュースをセレクトし、日本語に要約したものを月に2回、ニューズレター「GNGグローバルニュース」として配信しています。
本日配信したグローバルニュースでは、英国首相、COVID-19禍でビタミンDサプリメントの無料配布を検討、Kerry社:2021年に定着するのは「パンデミック疲労」から逃れるためのフレーバー、NXTUSA社が新しい関節の健康成分を発表、など13の記事を取り上げています。
この記事では、その会員向けニューズレターの一部を抜粋してご紹介させていただきます。
■GNGグローバルニュース 2020年11月26日号 トピックス
●英国首相、COVID-19禍でビタミンDサプリメントの無料配布を検討
●Innova社による2021年の食品および飲料トレンドTOP10
●APACのアクティブニュートリション市場:ナチュラル、多様な形状、新しい規制が需要を促進
●NOW社によるαリポ酸サプリメント製品テストで重大なラベル表示違反が判明
●Z世代にとって「プラントベース」と「野菜が豊富」には大きな溝:Mintel社調査
●Kerry社:2021年に定着するのは「パンデミック疲労」から逃れるためのフレーバー
●GaiaHerbs、呼吸器の健康をサポートするプラントベースサプリメントシリーズを発売
●NXTUSA社が新しい関節の健康成分を発表
●ビタミンCのCOVID-19感染患者への有効性はトランスポーターに左右される可能性
●一般的な砂糖代替品はヒト腸内細菌叢に悪影響を及ぼさない可能性:研究報告
●マクドナルド、「McPlant」バーガーでプラントベース市場に参入
●米国FDA、ゴマ使用製品における成分リストの自主開示を推奨するドラフトガイダンスを発行
●米国医師会がより厳格なダイエタリーサプリメント監視のためDSHEA改革を求める
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[今号のハイライト]
ADMが選ぶ2021年の食品におけるTOP5トレンドInnova社による2021年の食品および飲料トレンドTOP10
[2020/11/11] [innovamarketinsights.com]
食品および飲料市場調査会社Innova Market Insights社(以下Innova社)は11日、2021年のトップ10トレンドレポートを発表した。
同社のInsights and Innovation部門ディレクター、Lu Ann Williams氏は「2021年はサプライチェーン全体の透明性が重要となり、消費者は現在およびCOVID-19パンデミック後において、本物で信頼のおける製品を提供するブランドを探すだろう」と語った。Innova社が発表したトップ10トレンドは以下の通り。
- 第1位:Transparency Triumphs 透明性の勝利
同社が10カ国で実施した消費者調査Innova Consumer Survey 2020によると、世界の消費者の10人に6人が食品の産地についてもっと知りたいと考えていることが明らかになった。消費者のライフスタイルはよりクリーンになる傾向があるため、倫理、環境、クリーンラベルに対する消費者の需要を満たすために透明性を高めることが重要となる。新しいパッケージ技術を採用し、創造的で意味のあるストーリーテリングと組み合わせたブランドが成功するだろう。
- 第2位:Plant-Forward プラントフォワード
プラントベースが世界的なトレンドになるにつれ、「プラントベース」の定義は進化し続けている。2021年は、新しい形状や植物たんぱく質、およびより洗練された代替品に対する需要の増加など、さまざまな領域への拡大が促進される。サステナビリティと動物福祉への懸念により、培養肉などの実験室で作られた食品が主流となり業界を混乱させる可能性がある。Innova Consumer Survey 2020によると、消費者がプラントベース代替品を検討する理由の上位4つは、健康、食事の多様性、サステナビリティ、味であると示している。
- 第3位:3.Tailored to Fit 必要性に応じて調整
消費者は独自のライフスタイルに合った食品や飲料の選択肢を探しているため、パーソナライズされた栄養が脚光を浴びている。機能性食品に関する詳細な個別の栄養アドバイスはいまだ高価だが、技術プラットフォームの出現により、オートマチック化された同等の顧客サービスが可能となるだろう。Innova Consumer Survey 2020によると、世界の消費者の64%が自分の生活や使用する製品を各々のスタイルや信念、ニーズに合わせてカスタマイズする方法をさらに見つけているという。
- 第4位:New Omnichannel Eating 新しいオムニチャネルでの食事形態
外食産業と小売業の領域がますます重複するようになり、消費者は好きなものを好きなときに好きな場所で食べることができるようになった。彼らは利便性、より豊かな体験、そしてアクセスのしやすさといった贅沢を求めている。特にCOVID-19により消費者が家にいる時間が増えたため、従来のホスピタリティは衰退している。家庭料理の増加は、便利なミールキットと、より洗練された食材の使用を促進し、新しい食事体験をもたらしている。Innova Consumer Survey 2020で、消費者の46%が、レストランブランドの製品がレストランの味と体験を家庭で実現するための便利な方法であると信じていることが分かった。
- 第5位:In Tune with Immune 免疫との調和
COVID-19による継続的な不安により、消費者は免疫の健康を優先するようになる。Innova Consumer Survey 2020によると、世界の消費者の10人に6人が、免疫の健康をサポートする食品や飲料製品を探している。2021年は免疫力を高める成分が重要となり、免疫力を強化する方法としてのマイクロバイオームとパーソナライズドニュートリションに関する研究が注目されるだろう。
- 第6位:Nutrition Hacking ニュートリションハッキング
テクノロジーは、栄養やサステナビリティ、または倫理的影響を反映、そして強化した食品および飲料の需要に対応している。世界の消費者の5人のうち4人が、科学を通じて食品および飲料が進歩していると信じている。多くの消費者が、自分の食事のニーズに合った製品であればナチュラルであるかどうかはある程度妥協すると回答している。
- 第7位:Mood: The next occation ムード:次の機会
メンタルヘルスはホリスティックな健康としてさらに重要になる。例として、美肌のための植物性コラーゲンとストレスや睡眠のためのGABAを組み合わせた製品などが求められる。アダプトゲンはストレスやより良い睡眠のためのハーブとして注目されており、2021年は世界中で睡眠をサポートする製品の需要が高まることが予測される。
- 第8位:Product Mashups 製品のマッシュアップ:トレンドが衝突するとき
世界の消費者の65%が、新しい感覚(嗅覚、味、食感、色など)の体験をしたいと考えている。飲めるピザやマシュマロ入りのラテ風味シリアルなど、ハイブリッドイノベーションの人気が継続している。
- 第9位:Modern Nostalgia 現代のノスタルジア
オランダのマクドナルドで伝統食のクロケットがプラントベースクロケットとして販売されるなど、世界的なトレンドがローカル食に変身する一方、馴染みのある製品でエキゾチックなフレーバーが採用される。米国人の5人に2人の消費者が柚子味の製品を試してみたいと考えているという。
- 第10位:Age of the Influencer インフルエンサーの時代
インフルエンサーによる推奨が製品の売上を後押する時代になり、ゆっくりとではあるがより信頼性の高いインフルエンサーが増加しつつある。世界の消費者の5人に2人は、動画を配信するブイロガーやブロガー、インフルエンサーらは、彼らが推奨する製品について正直に語っていないと考えているという。
(会員向けニューズレター「GNGグローバルニュース2020年11月26日号」より抜粋)
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和泉 美弥子
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