GNGニューズレター10月3日号:消費者庁、トクホ初の許可取り消し、ほか

先週の週刊ダイヤモンドでネスレが特集されていました。
ご存知の通りネスレは食品会社から「栄養・健康・ウェルネス企業」になるという長期戦略を持って活動しています。
特集ではこの取り組みも紹介されています。
『知られざる競争優位』(ダイヤモンド社)はサブタイトルが「ネスレはなぜCSVに挑戦するのか」となっています。
現会長のピーター・ブラベック氏の取り組みが書かれている本ですが、なぜ「栄養・健康・ウェルネス企業」を目指すに至ったのかについても書かれています。
「それまでの食品事業では、今後成長する可能性は非常に限られていると見ていた。大きな成長を望むなら、さらなる買収か、主に研究開発に基づく高付加価値商品への方向転換しかない。そこで、まだスタンダード化が進んでいない市場セグメントの製品で、より高所得の消費者を狙おうと考えた。」と述べられています。
同書では、ネスレのリーダーシップでは価値観が重要視されていることも紹介されています。
「企業が長期にわたって発展するには、、株主価値と同時に公共的な価値を創造しなければなりません。ネスレではこれをCSV(Creating Shared Value)と呼び、事業運営の中心的理念と捉えています。」「CSVの長期的な義務は私たちの企業文化の一部となり、世界28万3000名の社員がそれに基づいて意思決定を行います。CSVの考え方を企業文化に埋め込む事ができて初めて、日々の業務で生かし続けることができます。」
ドラッカーも「企業の目的は、利益最大化や株主価値最大化ではない」と言っています。
そのドラッカー理論について解説している『ビジネススクールでは教えてくれないドラッカー』(祥伝社新書)では「経済合理的マネジメントだけでは、企業は「不条理」に陥る。
効率性を追求するあまり不正を犯してしまったり、短期的な利益に目を奪われて長期的な利益を無視したり、個別利益にこだわって全体利益を無視してしまうことになる。つまり、合理的に失敗する。」
「経営者が経済合理的マネジメントだけを展開すると、いつかどこかで正当性を無視して経済合理性を追求し、長期的利益を無視して短期的利益を追求し、全体を無視して個別的合理性を追求して失敗するような不条理に陥ることになる。」と示唆に富むことが書かれています。
恐らく、今後はトクホ制度に対しての批判が高まると思いますが、批判されるのは制度そのものではなく、制度を守らない企業自体だと思います。
日本人的気質ではどうしてもお上に批判が集まりますが、制度を守らない企業が厳罰に処される米国を見習っても良いのではと思います。

今号では日本サプリメント㈱のトクホ取り消しに関連して、同社の沿革を整理してみました。
併せて、現在、正念場に立たされている米国サプリメント業界についても整理しました。
今週、ラスベガスで開催されるSupply Side Westではしっかり情報収集をしてきたいと思います。

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