中年期以降のDASH食の遵守が認知機能低下を予防する可能性、ほか|GNGグローバルニュース2023年11月24日号

こんにちは、GNGの和泉です。

11月24日号のグローバルニュースをお届けいたします。

今号では、先日米国ラスベガスで開催された米国SupplySide Westでの注目トレンド、中年期からDASH食を遵守すると認知機能低下が予防できる可能性や、脂肪酸のペンタデカン酸(C15:0)のアンチエイジング効果、葉酸濃度と睡眠障害との関連性に関する研究、米国FDAがカリフォルニア州に続き臭素化植物油の禁止を提案するなど、様々な記事をとり上げています。是非ご覧ください。

前号に引き続き、今号の配信文でも10 Key Trends 2024の一部をご紹介したいと思います。

2024年版で新たに仲間入りしたトレンドの1つに、『血糖値フレンドリー』があります。消費者の血糖値管理への意識が高まっており、血糖値にやさしい/血糖値上昇を抑える製品が新たなトレンドとして台頭しているそうです。

このトレンドをいち早く察知した企業例として、NotCo社とGood Idea社が挙げられています。チリのフードテック企業であるNotCo社は、植物性たんぱく質とパラチノースを配合した血糖値の調整に役立つスナック、NotSnack Bar(プロテインバー)を発売しました。同社はこれまで、NotMayo、NotMilk、NotBurgers、NotCheeseなどの肉や乳製品のプラントベース代替品を提供していましたが、動物性食品の代替品ではないカテゴリーに参入するのは今回が初となります。

また、Oatly社 の創設者と FIJI Water社 の共同創設者が共同で設立したGood Idea社は、食後血糖値の上昇を抑えるアミノ酸ブレンドとピコリン酸クロムを配合した、「バランスの取れた血糖値」を約束する機能性炭酸飲料、Good Ideaを販売しています。Good Ideaの発売までに9件の臨床試験が実施され、研究開発に10年以上を費やし、約 900 万ドルが投資されたそうです。

NNBのディレクターであるJulian Mellentin氏は、

「血糖値管理といえば糖尿病と思われがちだが、その考えは変わり始めている。健康志向の消費者は今、ウエイトウェルネス、代謝、ホルモン、気分や心の健康など、複数のヘルスベネフィットと血糖値を結び付けて注目し始めている。」

と述べています。
そして、健康的な血糖値維持におけるベネフィットは、主に専門知識や科学的背景を持つインフルエンサーによって、ソーシャルメディア上で広められています(NNB10月号参照)。

NNBは、40歳未満の消費者の75%にとって最初の、そして大半にとって唯一の、食品、栄養、健康に関する情報源がソーシャルメディアだと述べており、新しい科学とソーシャルメディア・インフルエンサーの融合によって、今後数年間は血糖値管理への関心が高まることを予測しています。

皆様のビジネスのお役に立てますと幸甚です。

和泉 美弥子

この記事について

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■GNGグローバルニュース 2023年11月24日号 トピックス

Market News マーケット
●消費者は「より健康的な」超加工食品(UPF)を望んでいるが業界は実現できるだろうか?
●米国 SupplySide Westで目立った5つの F&Bトレンド

Science News サイエンス
●中年期以降のDASH食の遵守が認知機能低下を予防する可能性
●ペンタデカン酸(C15:0)は医薬品のシロリムスよりも効果的であるとの研究結果
●腸脳相関:プロバイオティクスが睡眠の質を向上させる可能性
●米国チョコレート製品の3分の1に基準値を超える重金属が含有
●「ヘルシーエイジング」に関する一般的な認識を分析
●就寝前のグリシン補給は睡眠の質と覚醒度を改善する可能性:レビュー
●低葉酸濃度と深刻な睡眠障害との関連性

Company News 企業情報
●Tyson Foods社がProtix社との提携し、昆虫由来たんぱく質の生産に進出

Regulatory News 法規制
●米FDAがカリフォルニア州に続き臭素化植物油の禁止を提案
●シンガポールでオンライン販売の違法健康関連商品のリスト削除、押収

[今号のハイライト]中年期以降のDASH食の遵守が認知機能低下を予防する可能性

[2023/10/24] [nyulangone.org]

DASH食を中年期から遵守すると、数十年後の女性の認知機能減退による症状が17%軽減される可能性が、米国の研究で示唆された。DASH食は、カリウム、カルシウム、マグネシウムが豊富な野菜を中心にし、飽和脂肪酸やコレステロール、塩、砂糖を極力減らした高血圧を予防するための食事法である。

研究者らは、NYU Women’s Health Studyに登録された14,000人以上の女性のうち、5,116人のデータを分析した。この研究は、女性の最も一般的なガンやその他慢性疾患の発症に生活習慣やその他の要因が及ぼす影響を調査する長期研究の一つである。1985~1991年に、質問票を用いて被験者から食事状況の聞き取りを行い、その後30年以上にわたって追跡している(平均年齢79歳)。

自己申告された認知機能は、認知症につながる軽度認知障害の指標となる6つの標準的な質問で評価された。これらの質問は、最近の出来事や買い物リストを思い出すこと、話し言葉による指示やグループでの会話を理解すること、なじみのある道を歩くことの困難さに関するものだった。
6つの認知機能障害のうち、33%の女性が1つ以上あると回答した。DASH食を最も忠実に実行した女性では、複数の認知機能障害を報告する確率が17%減少した。

研究者は「高齢期の認知機能障害を予防するためには、中年期から健康的な食生活を始めることが重要であることを示唆している。DASH食は、高血圧予防だけでなく認知機能障害も予防する可能性がある」と結論付けた。本研究はAlzheimer’s & Dementiaに掲載されている。

(会員向けニューズレター「GNGグローバルニュース2023年11月24日号」より抜粋)

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