本日配信のGNGニューズレターでは、冒頭の巻頭言にて、8月10日に消費者庁が公表した「令和4年度 食品表示に関する消費者意向調査報告書」について解説しています。
国内ニュースからは、【子どもの腸育に関するモニター調査】子どもの腸育は 2 歳から!“腸ケア” に粉末食品「kids base」の有用性を確認! ~「菌の多様性」と「ビフィズス菌の占有率」が向上 ~ 、食事管理アプリを用いた日本人の食生活習慣と心身健康度に関する研究、シールド乳酸菌®の摂取が健常成人男女の体調を維持 、などといった話題を取り上げています。
この記事では、その会員向けニューズレターの一部を抜粋してご紹介させていただきます。
こんにちは、GNGの有松です。
8月は4日間にわたり改正届出ガイドライン勉強会を開催いたしました。限られた時間ではございましたが、多くの方にご参加頂きましてありがとうございました。皆様、熱心に受講され、活発に質疑応答が行われました。
勉強会でもご紹介させていただきましたが、GNGでは、既存SRのセカンドオピニオン、AMSTER2.0評価、新規届出(PRISMA2020準拠)についてサポート出来ますので、ご興味のある方は是非お気軽にお問合せください。
今号のGNGニューズレターで取り上げた記事のひとつである、【子供の腸育に関するモニター調査】では、健康食品の摂取による「子どもの腸活(腸育)」の有用性について実証しています。
子供の腸内フローラはお母さんの贈り物と言われています。日本農芸化学会の「化学と生物Vol.56」によると、赤ちゃんはお母さんのお腹の中では無菌状態ですが、お腹の外に出るときに、口から消化管に菌が入り込み、その後、ミルクや離乳食などの食事や生活の中でいろいろな菌に触れることで、腸と腸内フローラはともに成長し、3歳くらいまでに腸内環境は決まると言われています。では、日本の子どもたちの腸内フローラは、良い状態にあると言えるのでしょうか。
今、「子供の便秘」が増えており、社会問題となっています。NPO法人日本トイレ研究所の「小学生の排便に関する記録調査2021(小学生16,655名の7日間の排便記録)」によると、排便頻度から、便秘が疑われる児童(排便のあった日数が「0~2日」)は1,336人(8%)でした。「令和元年 国民生活基礎調査(厚生労働省)」の便秘の有訴者率のデータでは、5~9歳が0.46%、10~14歳が0.68%となっているため相当な乖離があります。もう一つの便秘の指標である、便の硬さの調査では、便秘が疑われる児童(ころころ、または、ごつごつの硬い便が7日間のうち2回以上出ている児童)の割合は14.6%と、排便回数で見た割合より、さらに高い数値が出ています。便秘症かどうかの判断には、排便回数よりも便の性状のほうが重要というデータもあり、便秘の可能性の児童が大変多いことが分かりました。
肉が中心で野菜不足の食生活や、ゲームやスマホ、SNSの登場、さらにコロナ渦の自粛生活で、子供たちの運動の機会が減少していることが便秘を促進している原因として考えられます。「たかが便秘」と思いがちですが、腸内環境の悪化がさまざまな病気やアレルギーを招くことはご存知の通りです。便秘は勉強にも悪影響を及ぼしかねません。「腸脳相関」の仕組みも明らかになってきていることから、子供の健康と学力向上は腸内環境の良し悪しにかかっていると言えるのではないでしょうか。また、腸内環境と「花粉症」「アトピー性皮膚炎」「糖尿病」などの症状との関係も明らかになっています。
最近では、株式会社サイキンソーが提供する、自宅で簡単に腸内の様子を調べることが出来るサービス、Mykinso(マイキンソー)が、国内初の子供専用の「Mykinsoキッズ」を商品化しました。同サービスにより月齢ごとに腸内環境を知ることができ、さらに、新しい成長記録として使用することが出来ます。今や大人だけでなく、子供の腸内環境についても関心が高まっています。
食物繊維を多く含む、野菜、穀類、豆類、キノコ類、海藻類や、善玉菌が豊富に含まれる漬物や納豆、味噌などの発酵食品を含む食生活を心掛けながら、運動や健康食品を上手に取り入れて、家族で腸内環境の改善に取組んでみてはいかがでしょうか。
皆さまのビジネスのお役に立てますと幸甚です。
有松 志寿子
GNGニューズレター(国内情報) 2023年9月1日 トピックス
<国内ニュース(要約)>
NEW PRODUCTS 新商品
●日本初、アラプラス史上最上級!かつてない健康力を目指した逸品「アラプラス フコイダン」誕生!
●「カルピス由来の乳酸菌科学」シリーズ 乳酸菌 CP1563 株由来 10-HOA を配合した機能性表示食品『ラクトスマート 200』 9 月 5 日発売
●第一工業製薬、中高年の認知機能維持をサポートする機能性表示食品「快脳冬虫夏草」発売
●日本初、紅茶特有成分の機能性表示食品が誕生「日東紅茶 Style オリジナルブレンドティーバッグ 8 袋入り」新発売
●シュワッと爽快・健康に!1日1粒舐めるだけの骨活と腸活 機能性表示食品「シュワッと健康サプリ」新発売のお知らせ
●「L-92 乳酸菌」「GABA」を配合した機能性表示食品「免疫ピース+(プラス)」8 月 28 日発売
MARKET NEWS マーケット
●【子どもの腸育に関するモニター調査】子どもの腸育は 2 歳から!“腸ケア” に粉末食品「kids base」の有用性を確認! ~「菌の多様性」と「ビフィズス菌の占有率」が向上 ~
●ウェルネスフードアワード 2023 12 商品受賞
COMPANY NEWS 企業情報
●フジッコ×タウンドクター、大豆食品と食事指導による従業員の健康増進プログラムを実施
●ウェザーニューズ×明治、天気と連動する「胃の負担指数」を共同開発し、配信開始
●食事管理アプリを用いた日本人の食生活習慣と心身健康度に関する研究
●キリン HD、Blackmores Limited 社で売上高 1,000 億円、営業利益率 15%達成を目指す
●三井物産、米サプリメント社株を 230 億円で売却
SCIENCE NEWS サイエンス
●アルツハイマー病治療の症例と腸内細菌叢の関係性
●カンロ、柿タンニン含有飴によるコロナウイルス抑制効果を確認
●はくばく、マウスで大麦抽出物摂取によるセカンドミール時の血糖値低下作用を確認
●シールド乳酸菌®の摂取が健常成人男女の体調を維持
●ビタミン D サプリで p53 過剰発現に抗体を持つ消化管がん患者の再発死亡リスクが 73%も減少 治療後がんの再発や転移の予防が可能に
[今号のハイライト]
シールド乳酸菌®の摂取が健常成人男女の体調を維持
森永乳業株式会社は、山口県・山口市、やまぐちヘルスラボとの産官連携で臨床試験を実施し、シールド乳酸菌®(Lacticaseibacillus paracasei MCC1849)の摂取が、健常成人男女の鼻づまり、のどの痛みといった局所症状や、局所および熱っぽさなどの全身症状を含め総合的に解析した風邪様症状の自覚症状を緩和することを確認した。
同研究は、2021年12月~2022年5月(摂取期間24週間、摂取終了後1週間)の間、山口県在住の健常成人男女200名を対象に、ランダム化二重盲検プラセボ対照平行群間試験を行った。対象者をランダムに2群に分け、プラセボまたはシールド乳酸菌®(500億/日)を含む食品のいずれかを摂取し、期間中は毎日鼻やのどなどの体調に関する日誌に回答した。試験終了後、各症状の発症日数や、1回の発症における症状の持続日数などについて評価を行った。
同試験の結果、「シールド乳酸菌®」を摂取した群では、プラセボ群と比較して鼻づまりの発症日数や、鼻づまりおよびのどの痛みの症状の持続日数が有意に減少する事が分かった。また、全身や局所の症状を総合的に解析した風邪様症状の発症日数(症状が発祥している日数の評価)、持続日数(1回の発症でどの程度症状が続いたのかの評価)についてもシールド乳酸菌群でプラセボ群に比べ有意に減少する結果が得られた。24週間の長期摂取における副作用は確認されず、シールド乳酸菌®が日々の食事を通じた体調維持に寄与できる可能性が考えられる。同社は、同研究によって得られた知見をこれからも多くのお客様の健康と幸せな生活に貢献できる機能性素材として活用していくとしている。研究結果はNutrients誌に掲載されている。
(会員向けニューズレター「GNGニューズレター2023年9月1日号」より抜粋)
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有松志寿子
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