本日配信のGNGニューズレターでは、冒頭の巻頭言にて、武田が10月18日に㈱タニタが公表した「人生100年時代の健康とフレイルに関する調査2022」の調査結果を紹介しています。
国内ニュースからは、永谷園と日本調剤、「健康を考えた たっぷりたんぱく質のポタージュ」共同開発、江崎グリコ、「タンサ脂肪酸プロジェクト」の一環としてヨーグルトの喫食実態調査実施、大塚製薬、「女性の健康推進プロジェクト」が「新・セルフケア」を提案、森永乳業の睡眠サポートドリンク「睡眠改善」が発売12日目で累計販売本数100万本突破、などといった話題を取り上げています。
この記事では、その会員向けニューズレターの一部を抜粋してご紹介させていただきます。
こんにちは、GNG武田です。
㈱タニタが10月18日に「人生100年時代の健康とフレイルに関する調査2022」の調査結果を公表しました。
調査結果トピックスは、以下の通りです。
「 第1章 人生100年時代の健康に関する意識・実態」
■健康寿命の理想と予想 「健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活したいと思う年齢」は平均86.27歳、 「健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できると思う年齢」は平均81.87歳
■統計上の健康寿命と【健康寿命の理想】の間に、男性で12.87歳、女性で11.61歳の隔たりあり
「第2章 フレイルに関する意識・実態」
■“フレイル”の認知率は4割強、55歳未満では3割に満たない結果に
■“フレイル”になると起こることとして知っているもの TOP2「認知症リスクが高くなる」「転びやすくなる」
■フレイル健診の受診状況 後期高齢者の3人に2人が「受診していない」
■「自身がフレイルになることが心配」6割強、50代前半では7割
■どのフレイルになることが心配? 50歳未満では「精神的フレイル」が1位、50歳以上では「身体的フレイル」が1位
■「父親がこれからフレイルになることが心配」6割弱、「母親がこれからフレイルになることが心配」6割
■親がなると心配なフレイル 1位「身体的フレイル」2位「精神的フレイル」3位「社会的フレイル」
■親のフレイル予防・改善として現在行っているサポート 「コミュニケーション」がダントツ、2位「共食」3位「栄養管理」4位「趣味・余暇活動」5位「運動・スポーツ」
「第3章 フレイルと芸能人・キャラクター」
■いくつになっても活動的でフレイルにならないと思う芸能人 男性芸能人では1位「明石家さんまさん」2位「加山雄三さん」3位「郷ひろみさん」4位「タモリさん」、 女性芸能人では1位「草笛光子さん」2位「黒柳徹子さん」3位「吉永小百合さん」4位「デヴィ・スカルノさん」
■いくつになっても活動的でフレイルにならないと思うアニメ・漫画キャラ 「フグ田サザエ」がダントツ、「孫悟空」「モンキー・D・ルフィ」「両津勘吉」「ルパン三世」「キン肉スグル」がTOP10入り
「第4章 人生100年時代の健康づくりに向けた取り組みの実態」
■「健康維持・向上のために取り組んでいることがある」9割 健康維持・向上のために取り組んでいること 1位「健康診断を定期的に受ける」2位「休養・睡眠を十分にとる」
■「健康や運動について、日頃から測定しているものがある」8割強、40代前半では約7割にとどまる 日頃から測定しているもの 1位「体重」2位「血圧」3位「歩数」4位「体温」5位「体脂肪率」
■コロナ禍前と比べた健康状態の変化 「食欲が湧かないことが増えた」1割弱、「食事の摂取量が減った」2割弱、 「体重が減った」2割弱、「筋力・筋肉量が減った」4割弱、「活動量が減った」4割弱
「第5章 運動機能・栄養・口腔機能・くらしぶりなどフレイルに関する生活実態」
■くらしや運動、健康状態からフレイルの状態にあるかをチェック 4人に1人が「フレイル」、3人に1人が「プレフレイル」の恐れがあることが明らかに
■フレイルにならないために行いたいもの 1位「栄養バランスの良い食事」2位「1日3食」3位「ウオーキング」4位「たんぱく質を摂る」5位「カルシウムを摂る」 女性では「人と会う・社会との接点を持つ」が高い割合に
この調査結果から得られる示唆は読者諸兄の置かれている立場によって異なると思います。
私は率直に、
フレイルの認知、理解は驚くほど低い。
自覚や懸念の差が大きい。
そして、フレイルへの対策については、よくわかっていない。
この状況は、ヘルシーエイジング、アクティブエイジング、そしてウェルビーイング、
つまり、生活者を元気づける商品が求められている
と思いました。
ヘルスクレーム(ヘルスベネフィット)という手段だけではなく、その目的であるウェルネスベネフィット、ウェルビーイング実現にどのように貢献できるのかという「ストーリー」が必要だと、改めて思いました。
(株)グローバルニュートリショングループ 武田 猛
GNGニューズレター(国内情報) 2022年11月1日 トピックス
<国内ニュース(要約)>
NEW PRODUCTS 新商品
● シェフズプロテイン、スープで食べるプロテイン【スープdeプロテイン】3種発売
● 永谷園と日本調剤、「健康を考えた たっぷりたんぱく質のポタージュ」共同開発
MARKET NEWS マーケット
● 江崎グリコ、「タンサ脂肪酸プロジェクト」の一環としてヨーグルトの喫食実態調査実施
● 「健康によい成分」に関する調査結果発表、「たんぱく質摂取」が増加傾向
● 「腸活」についての調査、20 ~ 50代女性の4割が腸活経験あり、興味・関心ありは7割弱
● 「女性の食生活の実態や意識」についての調査結果
● 世界初、ヘルスインクルーシビティ(健康における包括性)のグローバル調査、結果発表
● パーソナライズ献立提案・栄養管理アプリ「おいしい健康」、新機能「おたすけ食材」が追加
COMPANY NEWS 企業情報
●大塚製薬、「女性の健康推進プロジェクト」が「新・セルフケア」を提案
●薬機法医療法規格協会、広告で問題になりやすい表示の第三者調査認定サービスを提供
●森永乳業の睡眠サポートドリンク「睡眠改善」が発売12日目で累計販売本数100万本突破
●MILIZE、花王と協力して「AI健康可視化ツール」の開発を進める
●健康意識に関するインターネット調査、8割以上の人が「睡眠の質を高めたい」と回答
SCIENCE NEWS サイエンス
●黒大豆ポリフェノールの長期摂取による抗疲労と血管機能改善効果を確認
●子どもの生活リズムと健康・学習習慣に関する調査を小4~高3の男女9,270人に実施
●花粉症研究用スマホアプリ「アレルサーチ」に患者・市民参画を取り入れた研究を実施
●ビタミンD欠乏と将来的な筋力低下やサルコペニア罹患率との関連性
[今号のハイライト]
ビタミンD欠乏と将来的な筋力低下やサルコペニア罹患率との関連性
[原文:research-er.jp]
国立長寿医療研究センターの研究グループは、ビタミンD欠乏が将来的な筋力低下に関与し、加齢に伴って生じる骨格筋減弱症「サルコペニア」の罹患率を上昇させる可能性があると明らかにした。同研究は、名古屋大学と名古屋学芸大学、東京大学、松本歯科大学、医療創生大学との共同研究として実施された。
同センターで実施している老化に関する長期縦断疫学研究「NILS-LSA」のデータを用いて、血中ビタミンD量が低い値の人の4年後の筋力・筋量変化、新規サルコペニア発生数などについて検討した。NILS-LSAの1,919 名のデータから傾向スコアマッチング法により調整したビタミンD欠乏群(血中の25OHD量が20ng/ml以下、N=384)と充足群(N=384)の比較解析から、ビタミンD欠乏群では筋力低下が進行し(P=0.019)、サルコペニアの新規発生数も有意に増加(P=0.039)することを見出した。このことは、ビタミン D 欠乏が将来的な筋力低下を導き、結果としてサルコペニア罹患率が上昇することを示唆している。
さらに研究グループは、ビタミンD欠乏と筋力低下の分子メカニズムを明らかにするために、ビタミン D 受容体遺伝子Vdrを成熟した筋線維で特異的に欠損させたマウスを作成した。同マウスでは、筋線維の収縮・弛緩に関わる遺伝子 Serca1 と Serca2aの発現が減少し、骨格筋の筋小胞体Ca2+-ATPアーゼ活性が低下していた。これらの結果は、成熟筋線維におけるビタミン D シグナルの低下もしくは抑制が Serca 発現を介して筋収縮に影響を与え、結果として筋力低下が引き起こされることを示している。
同研究は、成熟した骨格筋に対するビタミンDの作用機序の一端を示し、さらに、血中ビタミンD量がサルコペニア発症の予測バイオマーカーの1つとなる可能性を示唆している。同研究成果は2022年10月13日、老年学分野の国際専門誌「Journal of Cachexia, Sarcopenia and Muscle」に掲載された。
(会員向けニューズレター「GNGニューズレター2022年11月1日号」より抜粋)
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