10億ドルの成功を収めた乳糖フリー｜NNBマンスリーレポート2022年5月号

こんにちは、GNG武田です。
NNB5月号日本語要約版をお届けします。

今号は、プラントベース代替品の苦戦についてのケーススタディに多くの紙面が割かれています。
NNBはかねてよりプラントベース代替品について厳しい分析をしていました。
今年の10キートレンドの１つに「植物性プロテインのパラドックス」を取り上げています。
その一方で、乳糖フリー乳の好調も伝えています。
その原因は４つあると思います。
１．「代替品」という位置づけ
２．「サステナビリティ」は強みにならなくなった
３．味
４．長い原材料リスト

特に、本当は牛乳が飲みたいが、腸の不快感を避けるために代替品を飲んでいる人が少なくない、という点が重要かと思います。

一方、日本ではプラントミルクは好調です。
5月29日付朝日新聞DIGITALで「植物性ミルク市場、急成長、なぜ選ばれる？味や栄養成分に注目」という記事が取り上げられていました。

記事によると、2021年のアーモンドミルク市場は前年比48％増の148億円と大きく成長したようです。
また、豆乳の生産量は10年前の2倍近くに達しているようです。

どちらも、牛乳の代替としてではなく、別の健康的な飲料として根付いているようです。

消費者は、「○○代替品」より「便利になった野菜類」を求めているのではないでしょうか？

日本の植物性ミルクは、「便利になった野菜類」として受け入れられていますが、欧米の多くは「乳代替品」のため、「乳糖フリー乳」にその座を奪われつつあるのではないでしょうか。

また、NNBは味については、本格的な料理のスキルを用いて、美味しく作ることが重要と述べています。ここは、日本企業にとってチャンスではないかと思います。

内田和成氏の著書『イノベーションの競争戦略』では、イノベーションとは
「これまでにない価値の創造により、顧客の行動が変わること」と述べられています。
価値の創造だけではイノベーションは普及せず、顧客の行動変容までいくと戻りにくくなり定着するということです。

イノベーションについては、7月8日の「謝恩セミナー」で、皆さんと一緒に考えてみたいと思っています。

そして朗報です。
日経BP総合研究所の西沢さんとのトークセッションもプログラムに追加されました。
テーマは当日会場から募ろうと思っています。多くの方にも参加して頂くフリーディスカッションに繋がると良いなと思います。
お申し込みは、まだ間に合います。

（株）グローバルニュートリショングループ　武田　猛

■NNB（New Nutrition Business）5月号　トピックス

今回、会員向けにお届けしたNNB日本語要約版のタイトルは以下の通りです：

●10億ドルの成功を収めた乳糖フリー
●オーツはナッツに圧勝（そして乳糖フリー乳はそれらすべてを打ち負かす）
●味に対する消費者の期待という石につまずくプラントベースヨーグルト
●プラントベースアイスクリームはもはや市場を圧巻しない
●プラントベースの投資家達は裸の王様
●Danone社は味と食感に軸足を置き乳製品好きのためのプラントベースを提供
●プロテインアイスクリームのパイオニアが限外ろ過乳で挽回を図る
●スキールをスナックサイズに
●CGMが可能にする新しいレベルの透明性
●最前線の栄養士が消費者およびブランドの価値を創造する

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[今号のハイライト]

10億ドルの成功を収めた乳糖フリー

Fairlifeの限界ろ過処理された乳糖フリー乳は、10年前に出走ゲートを飛び出し、それ以来あらゆる予測を（我々の予想さえも）上回り、今年の始めには10億ドルを超えるブランドとなった。

オーナーであるCoca-Cola社が、この画期的な節目を発表したのは、Fairlifeが2021年を通じて前週比2桁成長を達成し、Instacart上の付加価値のある乳業カテゴリーで最も良く売れたブランドとなり、南北米国大陸の10大実店舗で大幅なシェアの拡大を遂げた後のことだった。

（会員向けニューズレター「NNBマンスリーレポート2022年5月号」日本語要約版より抜粋）

【NNB（New Nutrition Business）】とは

「NNB（New Nutrition Business）」とは、食品・栄養・健康の分野で読者の75%が企業の経営トップである、英国発信の業界専門誌です。

ブランド戦略、マーケット分析、法規制、新技術に関する世界の動向を、日本語の要約付きでお届けしています（月1回、11月＆12月は「10キートレンド」として合併号を発行）。

NNBを日本語で読めるのは、弊社が主宰するグローバルニュートリション研究会だけ。

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この記事を書いた人
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武田猛（たけだ　たけし）

代表取締役：株式会社グローバルニュートリショングループ

18年間の実務経験と20年間のコンサル経験を積み、38年間一貫して健康食品ビジネスに携わる。国内外750以上のプロジェクトを実施。「世界全体の中で日本を位置付け、自らのビジネスを正確に位置付ける」という「グローバルセンス」のもとに先行する欧米トレンドを取り入れたコンセプトメイキングに定評がある。世界各地にネットワークを築き上げ、情報活用サービス「グローバルニュートリション研究会」主宰。食品会社、化粧品会社、製薬会社の健康食品部門に対して、商品開発・マーケティング・海外進出などのコンサルティングを行っている。人が幸せに生きるためには健康が第一である。健康食品産業は「幸せ創造産業」である、という信念のもと、クライアントの成功を通じ、消費者に支持される業界を目指し、業界で働く人すべてが自分の仕事に誇りと自信をもてるようにしたいという想いから、業界健全化活動にも取り組んでいる。