こんにちは、GNG武田です。
NNB4月号日本語要約版をお送りします。
今号のNew Nutrition Businessでは、プラントベース代替食品の失敗事例を総括しています。
そして、その失敗の波は、今後24カ月続くであろうと指摘しています。
昨年9月にNNBから発刊されたレポート”Failures – and what you can learn from them”
( 失敗 – そしてそこから学べること)には、10の失敗要因に基づき、
12の失敗事例が分析されていました。
10の失敗要因:
1.味・食感に満足できない
2.成分、ベネフィット、製品形態の組み合わせが消費者にとって理にかなっていない
3.ヘルスベネフィットに過度に依存する
4.適切な消費者をターゲットにしていない
5.トレンドとの繋がりに失敗する
6.焦りと非現実的な売上への期待
7.具体的なベネフィットをもたらさない
8.食べ物としてではなく、技術にフォーカスする
9.ヘルスクレームに過度に依存する
10.ミーツー製品
今号ではNestlé社のWundaについて、この10の失敗要因を用いて分析しています。
1. 味・食感に満足できない
3. ヘルスベネフィットに過度に依存する
10. ミーツー製品
がWundaの失敗要因ですが、今号ではこの10の失敗要因に11番目の失敗要因「サステナビリティに頼りすぎる」が追加されているところが非常に興味深いです。
サステナビリティもヘルスクレームと同様、過度に依存することは非常に危険である、という教訓は、我々日本企業にも共通することだと思います。
(10の失敗要因は、そのまま日本市場でも共通していると思います)
NNBは、成功のための真の原動力は「消費者が求めるベネフィットを、理解でき、美味しいと感じる製品で実現することだ。」と指摘しています。
シンプルで普遍的な要因にフォーカスすること、つまり原理原則に立ち返ることの重要性は、日本も同様かと思います。
機能性表示食品制度施行8年が経過した今、『保健機能食品制度の今後』についてディスカッションする場を設けたいと思います。
6月上旬に、オンラインセミナーを企画したいと考えていますので、詳細がまとまり次第、ご案内をさせて頂きます。
(株)グローバルニュートリショングループ 武田 猛
この記事について
GNGでは、会員向けに英国発信の食品・栄養・健康分野の業界専門誌【NNBマガジン(New Nutrition Business)】を日本語に要約し、定期的にお届けしています(月1回)。
毎月、最新情報を「定点観測」することで、ブランド戦略、マーケット分析、法規制、新技術に関する世界の動向を素早くつかむことができます。
この記事では、その会員向けマガジンの一部を抜粋してご紹介させていただきます。
■NNB(New Nutrition Business)4月号 トピックス
今回、会員向けにお届けしたNNB日本語要約版のタイトルは以下の通りです:
●プラントプロテイン戦略を押し流す失敗の波
●陽気になれる理由
●肉代替品は栄養素の課題に直面
●No Wunda:Nestlé社のプラントベース飲料進出は失敗に終わる
●Oatly社:売上10億、損失も10億?
●アニマルフリー乳製品:General Mills社は撤退、Bel社は全米展開
●酪農協同組合が透明性で信頼を築く
●本場アンデスの原点から生まれたスナックブランド
●「ヘルシー」を再定義するFDAの取り組みは、ほぼ誰も喜ばない
●忠実な消費者「仲間」の構築が利益をもたらす
●ラボミートは「ナチュラルさ」のテストに合格できるのか?
●直販からスーパーマーケットに進出するプロテイン
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[今号のハイライト]
プラントプロテイン戦略を押し流す失敗の波
19世紀の優れた将軍、Helmuth von Moltke氏は「いかなる戦術も眼前の敵には無力だ」という有名な言葉を残している。2023年、さらに多くのプラントプロテインにフォーカスした事業計画が、この古くからの真実を学んでいる。数々の戦略は消費者の選択やスーパーマーケットの現実に直面し、屈服しつつある。そしてこれは、今後24か月にわたり続くであろう失敗の波の始まりに過ぎないのだ。
(会員向けニューズレター「NNBマンスリーレポート2023年4月号」日本語要約版より抜粋)
【NNB(New Nutrition Business)】とは
「NNB(New Nutrition Business)」とは、食品・栄養・健康の分野で読者の75%が企業の経営トップである、英国発信の業界専門誌です。
ブランド戦略、マーケット分析、法規制、新技術に関する世界の動向を、日本語の要約付きでお届けしています(月1回、11月&12月は「10キートレンド」として合併号を発行)。
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