Kraft Heinz社は行き詰まったプラントベースチーズのニッチを活性化できるのか?|NNBマンスリーレポート2023年1月号

こんにちは、GNG武田です。

NNB1月号日本語要約版をお送りします。

今号の12本のトピックスの内、プラントベース関連のトピックスが9本ありました。
その内5つが失敗事例、或いは否定的な内容です。10キートレンドでも繰り返し提言されていますが、成功のためには戦略が重要です。
その中で、「20年来の成功ストーリーに学ぶ」というタイトルでPom Wonderfulの事例が取り上げられています。
Pom Wonderfulは昨年11月にデビュー20周年を迎えました。GNGも来年1月で創業20周年を迎えますので、とても懐かしいブランドです。

NNBは、Pom Wonderfulのブランド戦略には「ミーツー(me too)」要素は一切なく、7つの分野でイノベーションを起こしたと分析しています。
1.サプライチェーン
2.サイエンス
3.加工技術
4.味わい
5.パッケージ
6.マーチャンダイジング
7.マーケティング
詳しくは、是非、本文をお読みください。

NNBが2008年に発刊した“SUCCESSFUL SUPERFRUIT STRATEGY”には、「ヘルスベネフィットプラットフォーム・チェックリスト」が掲載されていました。

科学的に立証された「ヘルスクレーム」が消費者に理解できる言葉で伝えられた時、最も効果的なマーケティングコミュニケーションとなる。その為に有効なフレームワークが「ヘルスベネフィットプラットフォーム」である。「ヘルスクレーム」が製品のベネフィットをサポートする科学的根拠を有するフレーズであるのに対して、「ヘルスベネフィットプラットフォーム」は、製品のベネフィットに関する消費者へのコミュニケーションの基盤となる。

New Nutrition Businessでは、成功している製品から以下の様なヘルスベネフィットプラットフォーム・チェックリストを設けています。
1.科学で実証されているベネフィットは何か?
2.消費者の視点から考えて、この素材・成分にこのベネフィットは適当(信頼できる)か?
3.競合となる素材・成分はどのように同じベネフィットを訴求しているか?
4.他のカテゴリーの競合製品はどのように同じベネフィットを訴求しているか?どのように成功または失敗しているか?それはなぜか?
5.そのベネフィットに対して、消費者の価値(意義)は何か?

特にヘルスベネフィットを決定する際に考慮すべき重要なポイントとして、
①対象となるベネフィットはどのコンシューマーグループに適しているか?
② ターゲットとなるコンシューマーのセグメントの規模は?ブランドの将来的な推定規模は?
③ ターゲットコンシューマーに伝達するために使うべきコミュニケーション戦略は何か?
の3点を挙げています。

ヘルスクレームに依存しすぎることなく、また、ヘルスベネフィットに依存しすぎることなく、つまりサプライサイドの思い込みではなく、消費者視点の「ヘルスベネフィットプラットフォーム」という考え方の重要性は、15年を経ても色あせていないと思いました。

むしろ、パーソナライゼーション、フラグメンテーションが一層進んだ現在こそ、重要さが増しているように思います。
歴史から学び、未来に活かす、ということは洋の東西問わず有効な発想法だと思います。

(株)グローバルニュートリショングループ 武田 猛

この記事について

GNGでは、会員向けに英国発信の食品・栄養・健康分野の業界専門誌【NNBマガジン(New Nutrition Business)】を日本語に要約し、定期的にお届けしています(月1回)。

毎月、最新情報を「定点観測」することで、ブランド戦略、マーケット分析、法規制、新技術に関する世界の動向を素早くつかむことができます。

本日配信したNNBマガジンでは、Kraft Heinz社は行き詰まったプラントベースチーズのニッチを活性化できるのか?、次々に明らかになるプラントミートの苦悩、クランチタイム:サステナビリティと「ステルスヘルス」を実現するヒヨコ豆、などを取り上げています。

この記事では、その会員向けマガジンの一部を抜粋してご紹介させていただきます。

■NNB(New Nutrition Business)1月号  トピックス

今回、会員向けにお届けしたNNB日本語要約版のタイトルは以下の通りです:

●Kraft Heinz社は行き詰まったプラントベースチーズのニッチを活性化できるのか?
●栄養とナチュラルさという課題はビーガンチーズがニッチに留まることを意味する
●失速するダイエットブランドに最後の勝負をかけるか?
●停滞したプラントベースビジネスが農場や果樹園から学ぶこと
●Oatlyは食品業界史上最大の失敗へと続く道を歩んでいるのか?
●次々に明らかになるプラントミートの苦悩
●プラントべースという主張の背後にある現実は鶏肉を食べるベジタリアン
●プロテインスナックブランドを目指したEpicの成長
●20年来の成功ストーリーに学ぶ
●ケチャップブランドが目指す米国のヘルシー化
●パフナッツのイノベーター、英国でナッツスナックの倍増を目指す
●クランチタイム:サステナビリティと「ステルスヘルス」を実現するヒヨコ豆

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[今号のハイライト]

Kraft Heinz社は行き詰まったプラントベースチーズのニッチを活性化できるのか?

Kraft Heinz社は、同社が独占しているチーズ市場における2つのカテゴリーに、プラントベースチーズで参入しようとしている。同社は、米国のクリームチーズ市場で65%のシェアを有するPhiladelphiaブランドのプラントベースバージョンと、プラントベースのスライスプロセスチーズを本格展開する。もし成功すれば、Kraft社のブランドは、大いに期待されたものの業績が振るわない市場を復興させることができるかもしれない。

(会員向けニューズレター「NNBマンスリーレポート2023年1月号」日本語要約版より抜粋)

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ブランド戦略、マーケット分析、法規制、新技術に関する世界の動向を、日本語の要約付きでお届けしています(月1回、11月&12月は「10キートレンド」として合併号を発行)。

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18年間の実務経験と20年間のコンサル経験を積み、38年間一貫して健康食品ビジネスに携わる。国内外750以上のプロジェクトを実施。「世界全体の中で日本を位置付け、自らのビジネスを正確に位置付ける」という「グローバルセンス」のもとに先行する欧米トレンドを取り入れたコンセプトメイキングに定評がある。世界各地にネットワークを築き上げ、情報活用サービス「グローバルニュートリション研究会」主宰。食品会社、化粧品会社、製薬会社の健康食品部門に対して、商品開発・マーケティング・海外進出などのコンサルティングを行っている。人が幸せに生きるためには健康が第一である。健康食品産業は「幸せ創造産業」である、という信念のもと、クライアントの成功を通じ、消費者に支持される業界を目指し、業界で働く人すべてが自分の仕事に誇りと自信をもてるようにしたいという想いから、業界健全化活動にも取り組んでいる。

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