サイエンスと来歴で進歩するブレインヘルスブランド|NNBマンスリーレポート2022年9月号

こんにちは、GNG武田です。
NNB9月号日本語要約版をお届けします。

今号では、新しいトレンドである「グルテンフリーの次は種子油フリーとなるか?」を紹介しています。
植物油・種子油に対する考え方が変化しており、「クリーンオイル」を強調する企業が増えているようです。
今年のNatural Products Expo Westで「Clean Oil Crew」という企業連合が創設され、植物油や種子油の消費を減らすミッションへの参加を呼び掛けています。健康や環境により良いオイルとして、バター、バターオイルギー、オリーブ油、アボカド油、ココナッツ油、ナッツ油、などを挙げています。

この流れは日本にも影響があると思います。
日本脂質栄養学会は、厚労省「日本人の食事摂取基準」やFDAの勧告にある植物油への評価について、次のような意見を述べています。

日本人の食事摂取基準:
n-6系脂肪酸
健康人の推定平均必要量を設定できるデータや、健康な日本人にはn-6系脂肪酸の欠乏が原因と考えられる皮膚炎等の報告は無いので目安量を示した。n-6系脂肪酸摂取量の中央値を1歳以上の目安量と設定した。15~69歳男性では10~13g、女性では8~10g/日。
リノール酸は多量摂取時の安全性が危惧されるが、日本人を対象とした研究がないため、目標量は設定しない。

日本脂質栄養学会のコメント:
臨床的に認められたリノール酸の必須量は、約0.5%Eであり、1%Eあれば十分である(AI)。通常摂取する食品素材から2~3%E(各10g/日、成人)また多くの過剰症があり、そのメカニズムが解明されており、2~3%Eを大幅に超えないよう、勧めている。なお、現在の食環境ではリノール酸から十分のアラキドン酸がつくられ、未熟児を除いてアラキドン酸欠乏とはならない。発酵法によるアラキドン酸油は0.5%Eで催奇形性が認められており、この摂取は極力避けるべきである。

FDA勧告:
植物油(ココヤシ油(ココナッツ油)及びパーム核油は除く)やソフトタイプのマーガリンを選ぼう。これらに含まれる飽和脂肪酸、トランス脂肪酸、コレステロールの総量は、固形タイプのショートニング、ハードタイプのマーガリン、バター等の動物性油脂よりも少ない。

日本脂質栄養学会のコメント:
知識弱者を混乱させ、利益追求をはかる勧めである。ココヤシ油、パーム核油の安全性は確立していない。各種油脂の栄養効果を脂肪酸組成のみで評価することは誤りであり、マーガリン、ショートニングに使われている植物油脂の種類(油種)が問題である。油糧種子(菜種など)の輸入を減らし、酪農製品の摂取を増やすのがよい。

以上、『日本人は絶滅危惧種‐誤った脂質栄養が拍車‐』より抜粋

オメガ3インデックスやn-6/n-3比への注目が少し下火になっているように思いましたが、これから流れが大きく変わる可能性を感じます。
「Clean Oil Crew」の動向から目が離せません。

既にお知らせをしていますが、NNBのJulianを招いてのセミナーを11月4日午後に開催します。この話題が出るかも知れませんし、パネルディスカッションではPFCバランスの欧米と日本の違いについて話題にしようと考えたこともあり、タイムリーな記事です。

11月4日、是非お出かけください。

(株)グローバルニュートリショングループ 武田 猛

【NNB・GNG共催】Julian Mallentin氏来日講演! 2023トレンド予測セミナー
NNB10キートレンドの著者Julian Mallentin氏が、ニュートリション業界における最新の海外トレンドを「NNB10キートレンド2023」の内容を交え、鋭い切り口で分析します。

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■NNB(New Nutrition Business)9月号  トピックス

今回、会員向けにお届けしたNNB日本語要約版のタイトルは以下の通りです:

●サイエンスと来歴で進歩するブレインヘルスブランド
●グラスフェッド乳を使った商品を発売するビーガンブランド
●Danone社はスペインの消費者に向け「リアルフード」をアピール
●Beyond Meat社にもう次の手はないのか?
●肉代替品の収益が見込めず転落が始まる
●オーツがライバルを食い尽くすか?
●損失が累積するOatly社
●起業家の地道な成長戦略が成功を急ぐ大企業を圧倒する
●グルテンフリーの次は種子油フリーとなるか?
●低糖のパイオニアが示す成功への道
●満腹スナックは砂糖入りの「昔ながらのチョコレート」を否定する

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[今号のハイライト]

サイエンスと来歴で進歩するブレインヘルスブランド

ニュージーランドをベースとするĀrepaは、ブラックカラント(クロフサスグリ)を使用した「ブレインドリンク」の科学的根拠が、売上拡大だけでなく、QOL(生活の質)を向上させ、生産性の向上、経済的負担の軽減といった、社会全体にプラスの結果をもたらすための基盤であると述べている。

(会員向けニューズレター「NNBマンスリーレポート2022年9月号」日本語要約版より抜粋)

【NNB(New Nutrition Business)】とは

NNB(New Nutrition Business)」とは、食品・栄養・健康の分野で読者の75%が企業の経営トップである、英国発信の業界専門誌です。

ブランド戦略、マーケット分析、法規制、新技術に関する世界の動向を、日本語の要約付きでお届けしています(月1回、11月&12月は「10キートレンド」として合併号を発行)。

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18年間の実務経験と20年間のコンサル経験を積み、38年間一貫して健康食品ビジネスに携わる。国内外750以上のプロジェクトを実施。「世界全体の中で日本を位置付け、自らのビジネスを正確に位置付ける」という「グローバルセンス」のもとに先行する欧米トレンドを取り入れたコンセプトメイキングに定評がある。世界各地にネットワークを築き上げ、情報活用サービス「グローバルニュートリション研究会」主宰。食品会社、化粧品会社、製薬会社の健康食品部門に対して、商品開発・マーケティング・海外進出などのコンサルティングを行っている。人が幸せに生きるためには健康が第一である。健康食品産業は「幸せ創造産業」である、という信念のもと、クライアントの成功を通じ、消費者に支持される業界を目指し、業界で働く人すべてが自分の仕事に誇りと自信をもてるようにしたいという想いから、業界健全化活動にも取り組んでいる。

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