こんにちは、GNG武田です。
NNB4月号日本語要約版をお届けします。
今号の内容は、半分以上がプラントベース関連のものです。
プラントベースは強力なトレンドですが、そのトレンドを取り入れたからといって、簡単には成功できないことが、多くの事例から分かります。
今号の論説3「プラントベース戦略に必須なのは微妙な差異の認識」は示唆に富む内容になっています。今号で取り上げられている8つのブランドについて、各PLC上に位置付け、分析しています。ただし、全てがプラントベースのブランドではありませんので、注意してお読みください。
冒頭に「プラントベース戦略の選択肢は15種類くらいある(NNB 10 Key Trends 2022参照)」と書かれています。10 Key Trends 2022のKey Trend 4「植物を便利に」で取り上げられている戦略は、
1. ヒーローとしての植物(より多くの植物)
2. 植物のブレンドで健康ハロー効果を起こす
3. 本物の野菜がでんぷん質の炭水化物に取って代わる
4. ボタニカルの健康ハロー効果
5. 収益性の高いパウダー
6. プラントベース乳代替品
の6つしかありません。
しかし、この「植物を便利に」のトレンドは
Key Trend 1 炭水化物:より良く、より少なく
Key Trend 3 燃料としての脂肪の発展
Key Trend 6 植物性プロテインのパラドックス
Key Trend 9 脚光を浴びる栄養素密度
Key Trend 10 本物らしさ&来歴
の5つのトレンドと関連がある。この5つのトレンドで提言されている戦略の中から、プラントベースに関連する戦略を数えると、なるほど15になりました。
これがNNB 10 Key Trendsの活用の仕方の一つの例です。1つのトレンドだけを考えるのではなく、関連する他のトレンドも視野に入れ戦略を考えていく。
数年前からこの傾向が強くなっていますので、失敗事例は失敗すべくして失敗していることがよく分かります。
今号には「アダプトジェニック」という言葉が何回か出てきます。ムード&マインドトレンドにも、新しい流れが生まれつつあるようです。
(株)グローバルニュートリショングループ 武田 猛
■NNB(New Nutrition Business)4月号 トピックス
今回、会員向けにお届けしたNNB日本語要約版のタイトルは以下の通りです:
●活躍の場を広げるため乳製品ラインを追加したプラントべースブランド
●Oatly: 損失の悪循環と批判の高まり
●プラントベース戦略に必須なのは微妙な差異の認識
●エクアドルの起業家が提供する古代食品
●低炭水化物のカリフラワーがコメを猛追
●集中戦略でCultヨーグルトの成長が復活
●ケフィア市場のリーダーがオーツ麦とキノコを組み合わせ、ムードを高める
●付加されたベネフィットは昔ながらのプロテインを後押しできるのか?
●プラントベースの利便性を追求したオーツ麦
●Bulletproofからバイオハッキングへ:バターコーヒーのパイオニアの次の動き
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[今号のハイライト]
活躍の場を広げるため乳製品ラインを追加したプラントべースブランド
乳業会社は、消費者トレンドについていくためプラントベース商品ラインを提供、という圧力を感じている。そのような時代に、Cosmic Blissは逆方向に進み始めている。すなわち、乳製品ラインを同社のビーガン向けアイスクリームブランドに加えようというのだ。
この動きは、2021年にMondelez社に買収されたチョコレート、クッキー、クラッカーブランドHuの共同創業者の一人Jason Karp氏の発案による。Huは、最も成功を収めた起業家精神にあふれるスタートアップの一つである。そしてその成功は、美味しさの重視だけでなく、ビーガン、グルテンフリー、オーガニック、パレオという要素を備えていることによるものである。
(会員向けニューズレター「NNBマンスリーレポート2022年4月号」日本語要約版より抜粋)
【NNB(New Nutrition Business)】とは
「NNB(New Nutrition Business)」とは、食品・栄養・健康の分野で読者の75%が企業の経営トップである、英国発信の業界専門誌です。
ブランド戦略、マーケット分析、法規制、新技術に関する世界の動向を、日本語の要約付きでお届けしています(月1回、11月&12月は「10キートレンド」として合併号を発行)。
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