食品表示に関する消費者意向調査報告書:機能性表示食品の正しい理解や届出DBの認知度は2割以下、ほか|GNGニューズレター7月1日号





本日配信のGNGニューズレターでは、InstagramをはじめとするSNS上の栄養誤情報の実態についての国際的調査レポート「Nutrition Misinformation in the Digital Age(デジタル時代における栄養情報の誤情報)」の要約を紹介しています。

国内ニュースからは、日本の伝統をプレミアムなスナックに、「サクポリ納豆スナック香るわさび味」カンロが新発売、更年期世代のニーズ探索調査:更年期症状  医薬品やサプリメントなどの対処はわずか27%、日清食品の「完全メシ」が米国市場に進出 減量薬ユーザーの需要にマッチといった話題を取り上げています。

この記事では、その会員向けニューズレターの一部を抜粋してご紹介させていただきます。

こんにちは、GNG武田です。

今号には「Nutrition Misinformation in the Digital Age(デジタル時代における栄養情報の誤情報)」と題した国際的な調査レポートを要約して掲載しました。

本レポートでは、InstagramをはじめとするSNS上で拡散される栄養誤情報について、その拡散構造や担い手、感情トーン、商業的背景などが詳細に分析されています。
調査は、英国の調査機関であるRooted Research Collectiveと、食にまつわる社会課題に取り組むFreedom Food Allianceが共同で実施したもので、主に英国におけるSNS上の栄養誤情報の実態に焦点を当てています。
レポートでは、誤情報の中心的な発信源となり、大量に情報を拡散する人物やアカウントを「スーパー・スプレッダー」と呼び、その特徴を「The Doc(権威なりすまし型)」「The Rebel(反体制・陰謀論型)」「The Hustler(営利誘導型)」の3類型に分類しています。
また、拡散戦略として主に以下の2つが指摘されています。ひとつは「Sprinkling(自然な埋め込み)」と呼ばれる手法で、正確な情報や日常的な投稿の中にごく自然に誤情報を混ぜることで、信憑性と親近感を高めるものです。もうひとつは、「Fear-mongering(恐怖喚起)」および「Joy-mongering(喜びの演出)」と呼ばれる感情操作の戦略で、共感や不安といった感情を刺激することで、情報の拡散力を高めています。
さらに、拡散されている誤情報の内容は、「加工食品の悪玉化」「自然信仰に基づくナチュラル志向」「因果関係の単純化」の3分類に整理されます。
こうした構造的な分析により、誤情報がなぜ信じられ、なぜ広がるのかについて、私たちが自分の頭で考えるためのヒントが詰まった内容となっています。

レポートの内容を整理する中、私自身、今の時代において「正しい情報」と「そう見える情報」の境界がこれほどまでに曖昧になっていることに、強い危機感を覚えました。
また、ロイター研究所が今月発表した「Digital News Report 2025」によれば、ソーシャルメディアは今やテレビを抜き、ニュースの主な情報源として最も利用されるメディアとなりました。特に日本では、若年層を中心にSNSからの情報取得が一般化しており、こうした背景も、栄養に関する誤情報の広がりを後押しする構造的な要因のひとつと考えられます。
SNS時代の誤情報は、もはや“無知の問題”ではなく、「信頼を装い、感情を操作し、商業につなげる」という高度な情報戦の様相を呈しています。
このような状況において、ニュートリション業界に関わる私たち一人ひとりが、情報が氾濫するいま、私たちは何を信じ、どう伝えるべきなのか —— この問いに向き合うための一助となれば幸いです。

武田 猛

GNGニューズレター(国内情報) 2025年7月1日 トピックス

<国内ニュース(要約)>

NEW PRODUCTS 新商品
●キリン初「プラズマ乳酸菌」入り子ども専用健康飲料「キリン つよいぞ!ムテキッズ」 エリア限定で新発売
●ファミマから植物性由来ハンドタイプスイーツなどシリーズ商品5種類発売
●吉野家と歯科総合商社共同開発、2種類の「牛丼の具」を歯科医院向けに販売開始
●日本の伝統をプレミアムなスナックに、「サクポリ納豆スナック香るわさび味」カンロが新発売

MARKET NEWS マーケット
●食と健康の意識調査レポート:最適化栄養食はウェルビーイング度の高さに貢献する可能性
●更年期世代のニーズ探索調査:更年期症状、医薬品やサプリメントなどの対処はわずか27%
●食品表示に関する消費者意向調査報告書:機能性表示食品の正しい理解や届出DBの認知度は2割以下

SCIENCE NEWS サイエンス
●牛丼とグアー豆食物繊維の同時摂取により食後の腸内環境を整え代謝改善や筋量維持を促進することを発表
●アサヒ食品とメタジェン「乾燥ビール酵母」と「パン酵母由来の酵母細胞壁」の腸内環境改善効果確認

COMPANY NEWS 企業情報
●伊藤忠、センサス社の水溶性食物繊維「イヌリン」の国内独占販売権取得
●タカマがサラシアエキス末を自主回収 委託先の製造過程でエフェドリンが混入
●日清食品の「完全メシ」が米国市場に進出、減量薬ユーザーの需要にマッチ


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[今号のハイライト]
食品表示に関する消費者意向調査報告書:機能性表示食品の正しい理解や届出DBの認知度は2割以下

[引用元:消費者庁 お知らせ]

消費者庁は6月20日(金)、食品表示に関する消費者意向調査の報告書を公表した。
調査については、受託者である株式会社ロイヤリティマーケティングにてインターネットによるアンケートを実施した。 対象者は全国の満15歳以上の日本国籍を有する一般消費者、合計10,000人である。
機能性表示食品の認知度は、「聞いたことはあるが、どのようなものか知らない」と答えた人が約6割で最も多かった。摂取経験については、「現在摂取している」と「以前摂取していたが、今は摂取していない」を合わせると約3割となった。一方、「これまで摂取したことはなく、今後も摂取する予定はない」と答えた人が41.5%となった。「機能性表示食品」を摂取している理由については、「特に理由はない」を除くと、「表示されている機能(機能性)を期待しているため」が60.2%と最も多く、次いで「表示されている機能(機能性)にかかわらず、商品自体を気に入っているため」が18.1%、「安全性が担保されているため」が16.7%、「人から勧められたから」が7.5%であった。
食品購入時に参考にしている「機能性表示食品」の表示事項について、「表示は確認していた(参考にしていない)を除くと、「機能性(例:おなかの調子を整えるなど)の表示」が30.1%と最も多く、次いで「一日当たりの摂取目安量」が17.4%、栄養成分の量および熱量(栄養成分表示)」が16.4%、「機能性関与成分名」が14.1%となった。
機能性表示食品の説明について、正しい説明(事業者の責任において、科学的根拠に基づいた機能性を表示したものである)を選択した人の割合は18.1%となった。「機能性表示食品」の届出情報について、消費者庁ウェブサイトで確認できることを知っている割合は14.5%となった。

(会員向けニューズレター「GNGニューズレター2025年7月1日号」より抜粋)

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18年間の実務経験と21年間のコンサル経験を積み、39年間一貫して健康食品ビジネスに携わる。国内外800以上のプロジェクトを実施。「世界全体の中で日本を位置付け、自らのビジネスを正確に位置付ける」という「グローバルセンス」のもとに先行する欧米トレンドを取り入れたコンセプトメイキングに定評がある。世界各地にネットワークを築き上げ、情報活用サービス「グローバルニュートリション研究会」主宰。食品会社、化粧品会社、製薬会社の健康食品部門に対して、商品開発・マーケティング・海外進出などのコンサルティングを行っている。人が幸せに生きるためには健康が第一である。健康食品産業は「幸せ創造産業」である、という信念のもと、クライアントの成功を通じ、消費者に支持される業界を目指し、業界で働く人すべてが自分の仕事に誇りと自信をもてるようにしたいという想いから、業界健全化活動にも取り組んでいる。

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