自主点検のための「原材料に関する安全性のチェックリスト」JAOHFAが公表、ほか|GNGニューズレター4月15日号





本日配信のGNGニューズレターでは、冒頭の巻頭言にて、GNGと長年のパートナーである米国のAshish Talati弁護士が業界メディアのNutritional Outlookに寄稿した” The GRAS system at a crossroads”(岐路に立つGRASシステム)の概要を紹介しています。

国内ニュースからは、砂糖の摂り過ぎによる脂質代謝異常の原因菌5つを特定 メタボなどの予防の可能性示す、森永製菓とASAGI Labs 「若返りを科学する ⁻最新研究の社会実装プロジェクト⁻」始動、いわゆる「ダークパターン」に関する取引の実態調査を公表、周知啓発イラスト集もといった話題を取り上げています。

この記事では、その会員向けニューズレターの一部を抜粋してご紹介させていただきます。

こんにちは、GNG武田です。

トランプ大統領の言動に右往左往させられる各国政府、経済界ですが、私たちの業界も他人事ではすみません。
米国業界団体のUNPAからは、先週末、以下の内容のメールが会員に送られてきました(GNG訳)。

優先的に取り組むべき課題は以下の通りです:
1. 除外措置について
 Annex II(別表II)リストの現状、追加の除外が認められる可能性、そして既存の除外が失われるリスクについて。

2. 2025年4月14日(月)午前時点での関税率
 その時点で適用される正式な関税率に関する情報。

3. 中国を除くすべての国に対する関税制裁の90日間の猶予措置
この措置の主な理由は2つあります。1つは、ウォール街、共和党の議会、消費者信頼感の低下に対する懸念の高まり。もう1つは、75カ国との貿易障壁に関する合意を交渉するための商務省およびUSTR(米国通商代表部)の人員不足です。
 現在、DI(ダイエタリー成分)に関して、中国の製造業界の反応について、業界内外の情報を収集中です。米国と同様に、中国でも混乱、不確実性、リスク回避の傾向が強まっています。すでに一部のDIメーカーは米国からの注文を受け付けなくなっています。今後も、注文の減少や資金繰りの悪化等により、弱いプレイヤーが市場から退出する傾向が続くと予想されます。

4. USTRの最近の上院財政委員会での証言の概要
この証言内容は、現政権の政策の方向性を示す重要な予測指標のひとつと見なしています。

5. 社会・文化的側面についての言及
たとえば、中国人留学生のビザ取消、中国政府による米国渡航に関する国民向けの注意喚起など、米中間のあらゆるレベルでの交流・対話の減少を示す動きがみられます。さらに、米国の法律事務所、会計事務所、コンサルティング、エンジニアリングなどのサービス業に対する中国側の“関税”のような制限措置を見越して、米国のサービスプロバイダーが中国市場から撤退しつつあります。また、中国国内では米国系サービスの利用を控えるよう圧力もかかっています。なお、米国はサービス分野の貿易および輸出において世界有数のリーダーであり、ドル換算では米国の輸出収入の約3分の1をサービスが占めています。

これらを総合的に見ると、過去1か月の出来事は、米中関係における根本的な変化を示唆しているといえます。私たちは、これまで長年にわたって築かれてきた対話・協力・商業的関係の継続を引き続き強く訴え、働きかけていきます。

当面、トランプ大統領の言動から目が離せません。

関税、貿易政策とは別に、米国内では食品の安全政策においても混乱が出始めています。

3月10日、保健福祉省(HHS)長官のロバート・F・ケネディ・ジュニアは、FDA長官代行に対し、一般に安全と認められる物質(GRAS)として確立するための自己確認プロセスを廃止するためのルール作りの可能性を探るよう指示しました。
現行のGRAS制度では、適格な専門家の間でコンセンサスが得られている限り、企業はFDAの正式な承認を必要とせずに、ある物質が食品に使用するのに安全であると独自に判断することができます。
このプロセスを廃止すれば、企業はGRASとして物質を販売する前にFDAに通知しなければならなくなります(FDA通知GRAS)。

GRASの枠組みを変えようとする試みは、業界の強い抵抗やリソースの制約など、重大な課題に直面する可能性が高く、規則制定と広範な法制改革の両方を実現するのは困難であろうと業界の専門家は言っています。
GNGと長年のパートナ弁護士であるAshish Talati弁護士が業界メディアのNutritional Outlookに” The GRAS system at a crossroads”(岐路に立つGRASシステム)というタイトルで寄稿しました。

GRASの歴史を踏まえた、とても分かり易い内容です。
https://www.nutritionaloutlook.com/view/the-gras-system-at-a-crossroads

Talatiさんの許可を得ましたので、今号ではこの寄稿の内容をお伝えします。
ただし、長い内容ですので、ニューズレターでは3ページほどの概要とさせていただきました。
全文の日本語訳文を希望される方は、事務局までご一報ください。
「FDAはSelf-GRAS経路を完全に廃止するよりも、最もリスクの高い物質を特定し禁止することに力を注いだ方がよいかもしれない。」
とTalatiさんは指摘しています。
米国経済が世界に与える影響の大きさを知ることになったトランプ関税ですが、ニュートリション業界においても米国の影響の大きさは同様です。
米国市場で存在感を示すことがグローバルビジネスにおいて大きな意味があることはこれからも同様だと思います(むしろ強化されたかも)。

武田 猛

GNGニューズレター(国内情報) 2025年4月15日 トピックス

<国内ニュース(要約)>

NEW PRODUCTS 新商品
●「ビヒダス ヨーグルト 便通改善 1日分の鉄分 ドリンクタイプ」全国で新発売
●キンミズヒキ成分で世界初の機能性表示食品「ウェルエイジ プレミアム」新発売
●クラシエ、現代人のための新感覚の和漢ドリンク新発売

MARKET NEWS マーケット
●シニア世代とその子世代の健康意識に関する調査、筋力低下対策の必要性が明らかに
●2025年2月のドラッグストア販売額、「健康食品」は前年同月比1.3%減少

SCIENCE NEWS サイエンス
●砂糖の摂り過ぎによる脂質代謝異常の原因菌5つを特定 メタボなどの予防の可能性示す
●ビフィズス菌が、ヒトミルク由来オリゴ糖で増殖するウェルシュ菌の抑制に寄与する可能性
●オーツミルクに空腹感抑制のセカンドミール効果確認

COMPANY NEWS 企業情報
●大正製薬とリクサスが運送業者を対象とした睡眠に関する実証実験を共同で実施
●森永製菓とASAGI Labs 「若返りを科学する ⁻最新研究の社会実装プロジェクト⁻」始動

REGULATORY NEWS 法規制
●JAOHFAら健康被害情報の提供に係る留意事項を公表へ
●いわゆる「ダークパターン」に関する取引の実態調査を公表、周知啓発イラスト集も
●自主点検のための「原材料に関する安全性のチェックリスト」JAOHFAが公表

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[今号のハイライト]
自主点検のための「原材料に関する安全性のチェックリスト」JAOHFAが公表

[引用元:一般社団法人健康食品産業協議会 新着情報]

一般社団法人 健康食品産業協議会(以下 JAOHFA)は、事業者の健康食品原材料の自主的な安全性点検の一助とすることを目的に「原材料に関する安全性のチェックリスト」を作成し、JAOHFA のホームページに掲載した。
健康食品の原材料の安全性に関しては、「令和6年3月11日通知」をはじめとする様々な行政資料が周知されるが、事業者における具体的な対応が読み取りづらいなどの課題があった。そこで、JAOHFA健康食品原材料・製品の製造・品質分科会は、「健康食品の原材料に起因する健康被害をいかに未然に防ぐか」という視点のもと、原材料設計における品質・安全性確保ための管理手順に沿った「原材料に関する安全性のチェックリスト」を作成した。
このチェックリストを使用することで、事業者は自社で販売する原材料の安全性に関する情報が揃っていることを一覧で確認できる。最終販売業者や受託加工会社にとっても、製品設計や原材料受け入れ時に必要な安全性情報を把握しやすくなるという。
本チェックリストは、チェックリスト説明書、チェックリスト解説書、チェックリストのフロー、チェックリスト(運用版)、別紙(文献調査報告)、回答例、QA、参考URLで構成されている。

(会員向けニューズレター「GNGニューズレター2025年4月15日号」より抜粋)

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18年間の実務経験と21年間のコンサル経験を積み、39年間一貫して健康食品ビジネスに携わる。国内外800以上のプロジェクトを実施。「世界全体の中で日本を位置付け、自らのビジネスを正確に位置付ける」という「グローバルセンス」のもとに先行する欧米トレンドを取り入れたコンセプトメイキングに定評がある。世界各地にネットワークを築き上げ、情報活用サービス「グローバルニュートリション研究会」主宰。食品会社、化粧品会社、製薬会社の健康食品部門に対して、商品開発・マーケティング・海外進出などのコンサルティングを行っている。人が幸せに生きるためには健康が第一である。健康食品産業は「幸せ創造産業」である、という信念のもと、クライアントの成功を通じ、消費者に支持される業界を目指し、業界で働く人すべてが自分の仕事に誇りと自信をもてるようにしたいという想いから、業界健全化活動にも取り組んでいる。

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