本日配信のGNGニューズレターでは、冒頭の巻頭言にて、タイのバンコクで開催されたVitafoods Asiaの視察およびタイの健康食品市場について解説しています。
国内ニュースからは、高齢長寿地域において豆類の摂取がフレイルリスクの低下と関連、UCC、サステナビリティを追求するハワイ直営農園で作られたコーヒーを国内公式オンラインストアで初めて発売、腸活ブームのなか約2,000万人が『腸活迷子』になっていることが明らかに、No.1表示に関する実態調査報告書などといった話題を取り上げています。
この記事では、その会員向けニューズレターの一部を抜粋してご紹介させていただきます。
こんにちは、GNG武田です。
先月18日~20日、タイのバンコクで開催されたVitafoods Asiaを視察してきました。
Vitafoods Asiaの視察は、2018年にシンガポールで開催された時以来、6年ぶりです。
出展社数は当時の3倍以上になっていたと思いますが、多くが中国企業でした。
他では、韓国企業の出展が目立っていました。
欧州勢も多く、フランスはパビリオンを作り、20社近くの企業が出展していました。
日本企業も約20社出展されていました。
3日間とも会場で視察しましたが、来場者も多く、盛況でした。
しかし、これは良い兆候ではありますが、それだけ競争も激しくなり、マーケティング戦略が問われることを意味します。
GNGでは、20年前から「原料のブランディング戦略」の重要性を提案してきましたが、海外展開をする際は、この「原料のブランディング戦略」は必須となります。
・EpiCor ®:ポストバイオ(酵母発酵物) Cargill
・FloraGLO®:ルテイン KEMIN
・Probio-Tec®:BB-12®菌+LGG®菌(免疫訴求) Chr. Hansen
・BC30™:プロバイオティクス Kerry
・Cognizin ®:シチコリン Kyowa Hakko Bio
・UC-Ⅱ®:非変性Ⅱ型コラーゲン LONZA
・Phase2™:白インゲン豆エキス Ashland
・KSM-66®:アシュワガンダ Ixoreal
など、米国で成功している原料企業は、この「原料のブランディング戦略」を実施しています。
アジア市場を展開する際も同様です。
GNGでは、20年前から「原料のブランディング戦略」について事例研究を蓄積しています。
時代が変わっても、原理原則は不変です。
ご興味のある方は、お気軽にお問い合わせください。
合間を縫って、バンコク市内の店舗視察をしてきました。
タイの健康食品の販売チャネルは、約4割がMLM(マルチレベルマーケティング)、約1割がオンラインとなっていますので、市場の半分が店舗販売と考えて良いと思います。
ドラッグストア
– Siam Drug
– P&F
– Wech Cha Pong (漢方薬)
– Tumrub Thai (タイ伝承薬など)
– Poom Jai Thai (タイ伝承薬、植物Supplement)
– Watson
– Booth
– マツモトキヨシ
サプリメントショップ
– GNC
自然食品店
– Baimiang Healthy Shop
また、スーパーマーケットでプラントベース食品、飲料も観察してきました。
もともと、タイの方は大豆をよく食べますので、プラントベース食品自体、それほど珍しくはないと思います。
豆乳は品揃えが豊富でしたし、アーモンドミルクやオーツミルクも日本よりもブランドが多かったです。
プロテインの人気も高く、1本(300㎖)中に30g含有のRTDも普通に販売されていました。
サプリメントでは、地元のブランド以外には、Blackmoresの存在感がダントツでした。
原料企業さん、ブランド企業さん、それぞれ参入目的は異なると思いますが、決して競争は甘くなく、高い戦略性が求められると、強く思いました。
今号では、ASEANとタイの健康食品市場について、簡潔に整理をしました。
武田 猛
GNGニューズレター(国内情報) 2024年10月1日 トピックス
<国内ニュース(要約)>
NEW PRODUCTS 新商品
●還元型コエンザイムQ10配合商品初の “肌” と “睡眠” にアプローチする機能性表示食品
●オーガニック&ヴィーガンのフェアトレードチョコレートに新フレーバー登場
●UCC、サステナビリティを追求するハワイ直営農園で作られたコーヒーを国内公式オンラインストアで初めて発売
MARKET NEWS マーケット
●腸活ブームのなか約2,000万人が『腸活迷子』になっていることが明らかに
●10~60代のユーザーにサプリの使用について調査
●自宅での食事スタイルに関する調査
●「更年期のメンタル不調に関する実態調査」を実施
SCIENCE NEWS サイエンス
●高齢長寿地域において豆類の摂取がフレイルリスクの低下と関連
●漢方薬素材、酸棗仁に認知症を予防し脳を若返らせる作用を発見
●マヨネーズや乳化状ドレッシングの添加で野菜などの食べやすさが向上することを確認
REGULATORY NEWS 法規制
●No.1表示に関する実態調査報告書
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[今号のハイライト]
高齢長寿地域において豆類の摂取がフレイルリスクの低下と関連
京都府立医科大学 生体免疫栄養学講座(フジッコ株式会社が参画する寄附講座)、 内藤裕二教授、渡辺真通研究員らの研究グループは、高齢長寿地域において豆類の摂取がフレイルリスクの低下と関連することを明らかにした。この研究成果は、日本食品科学工学会第71回大会(会期:2024年8月29日(木)~31日(土))において発表した。
本研究では日本有数の健康長寿地域である京丹後地域の食習慣に着目し、京丹後市在住の高齢者786名(年齢中央値72歳、男性317名、女性469名)を解析対象にした横断疫学研究を行った。
その結果、男女ともにフレイル群と比べ、健常群において豆類および緑黄色野菜以外の野菜(根菜や海藻、きのこを含む)の摂取量が有意に高く、男性において豆類の摂取量増加とフレイルリスクの低下に有意な関連が認められた。栄養面では植物性タンパク質および食物繊維の摂取量増加とフレイルリスクの低下に有意な関連が認められた。
さらに、階層型クラスター分析により京丹後住民の食事パターンを6つのグループに分類し、それぞれフレイルの割合を比較したところ、豆類、いも類、緑黄色野菜、緑黄色野菜以外の野菜および魚介類を高頻度に摂取するグループ(67名、全体の8.5%)において最もフレイルの割合が低いことが明らかになった。
以上より健康長寿地域において豆類を中心とした食事がフレイルリスクを低下させる可能性が示された。特に男性では1日約60 g以上の豆類の摂取によりフレイルリスクの有意な低下が見られた。
(会員向けニューズレター「GNGニューズレター2024年10月1日号」より抜粋)
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