DHA・EPA・ARAの摂取が日本人高齢者における脳体積の維持につながる可能性 、ほか|GNGニューズレター9月1日号

 

本日配信のGNGニューズレターでは、冒頭の巻頭言にて、武田が消費者庁検証事業実施の背景、経緯、その概要について考察しています。

国内ニュースからは、たんぱく質の摂取に関する調査:40.5%が意識して摂取 、帝人、プロバイオティクスの事業拡大、消費者庁、景品表示法に基づく法的措置件数の推移及び措置事件の概要を公表、DHA・EPA・ARAの摂取が日本人高齢者における脳体積の維持につながる可能性、といった話題を取り上げています。

この記事では、その会員向けニューズレターの一部を抜粋してご紹介させていただきます。

こんにちは、GNG武田です。

先週金曜日、日本ポリフェノール学会第15回学術集会が開催されました。私も「ポリフェノールを機能性関与成分とした機能性表示食品の現状」というテーマで、シンポジウムでお話をさせて頂きました。8月18日現在、機能性表示食品の届出状況は以下の通りです。
総届出数:5,752件
●届出撤回:  570件(9.9%)
●届出件数:5,182件(90.1%)
●販売中:   2,586件(44.9%)
●機能性関与成分:343成分(種類)

一方、ポリフェノールは、
●総届出数:1,809件
●届出撤回: 131件(7.2%)
●届出件数:1,678件(92.8%)
●機能性関与成分:99成分(種類)
です。機能性表示食品におけるポリフェノールの存在感は大きいですね。当日使用したプレゼンテーション資料をご希望の方はご一報いただけましたらお送りしますので、お気軽にご連絡下さい。
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さて、会員の皆様は既にご存じかと思いますが、8月初旬より『日経クロステック』が「機能性表示食品制度の瑕疵」というテーマで、3回にわたって連載しました。同誌の指摘は、
①多重検定
②解析除外者
③掲載ジャーナルの質
④研究レビューの質
です。これらの問題の重要性については、消費者庁が実施した
■「機能性表示食品」制度における機能性に関する科学的根拠の検証 ― 届け出られた研究レビューの質に関する検証事業報告書
■機能性表示食品制度における臨床試験及び安全性の評価内容の実態把握の検証・調査事業報告書
に詳しく記載されています。

そして、「事後チェック指針」のエビデンスに関する項目についても、この検証事業報告書の影響を強く受けていることは明らかです。改めて、検証事業報告書の重要性がクローズアップされました。そこで、急遽、9月5日(月)に検証事業報告書の勉強会を開催することにしました。
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今号では、勉強会に先立ち、検証事業実施の背景、経緯、報告書の概要を整理してみました。機能性表示食品制度がスタートした当時を少し振り返ってみました。

(株)グローバルニュートリショングループ 武田 猛

GNGニューズレター(国内情報) 2022年9月1日 トピックス

<国内ニュース(要約)>

MARKET NEWS マーケット
●江崎グリコ、食生活と糖質に関する意識調査の結果発表
●たんぱく質の摂取に関する調査:40.5%が意識して摂取
●豆乳に関する調査:3割は「コレステロールの低減」期待 

COMPANY NEWS 企業情報
●そのもの株式会社、腸活や食をテーマにした情報発信サイト「ソノモノラボ」開設
●キリンの「プラズマ乳酸菌」シリーズ好調、1~6月の販売金額は前年比約5割増
●帝人、プロバイオティクスの事業拡大
●大塚製薬、PMS軽減に有用な成分を研究 4成分の有用性示唆 
●キリン、日常生活の変化と認知機能に関する調査を男女3,175人に実施

SCIENCE NEWS サイエンス
●明治、カカオ成分が寿命を延長することをショウジョウバエで確認
●東京大学、食品摂取量の推定を目的とした簡易食習慣評価ツール構築 
●プラズマ乳酸菌を使用した新型コロナウイルス増殖・発症抑制の研究がAMED事業に採択  
●コロナの影響、自殺者8千人増 20代女性が最多、東大試算  
●森永乳業、ギリシャヨーグルトの健康効果を検証 体組成の改善に寄与する可能性を確認
●DHA・EPA・ARAの摂取が日本人高齢者における脳体積の維持につながる可能性 

REGULATORY NEWS 法規制
●消費者庁、景品表示法に基づく法的措置件数の推移及び措置事件の概要を公表

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[今号のハイライト]
DHA・EPA・ARAの摂取が日本人高齢者における脳体積の維持につながる可能性

[原文:research-er.jp]

国立研究開発法人国立長寿医療研究センター老化疫学研究部の研究グループは、サントリーウエルネス株式会社との共同研究で、多価不飽和脂肪酸であるドコサヘキサエン酸(DHA)、エイコサペンタエン酸(EPA)、アラキドン酸(ARA)の摂取量が多いと、認知機能に関わる側頭皮質や前頭皮質などの局所脳体積の減少が抑制される可能性を、長期疫学研究の縦断解析により見いだした。

同研究は、愛知県大府市東浦町の地域住民から性・年代別に層化無作為に選出された40歳以上の中高年者を対象に、医学・心理・運動・身体組成・栄養など多角的な観点から老化・老年病予防策を検討するコホート研究である。今回、第6次調査(2008~2010年)の参加者のうち、認知症の既往や認知機能障害の疑いがなく、頭部MRI測定をはじめとした解析に必要な項目を有する60-89歳の男女810名を対象に、2008~2010年(ベースライン)時の多価不飽和脂肪酸の摂取量と2年間の局所脳体積の変化量との関連を縦断的に解析した。脳体積は3次元MRI画像をもとに縦断FreeSurferを用いて算出した。

その結果、日本人の集団において、ARAの摂取量が多いと前頭皮質の体積変化量の減少が小さく(図1)、認知機能低下のリスクも低いことが見いだされました。さらに、DHAやEPAの摂取が少ない集団でのサブグループ解析においては、DHAやEPAの摂取が多いと側頭皮質の体積変化量の減少が小さいことが明らかとなった。同結果は、魚介類の摂取が少ない国からの報告と同じ傾向を示している。これらの結果より、DHA、EPAおよびARAの摂取は、加齢に伴う局所脳体積の減少を抑制し、高齢者の脳の健康の維持につながる可能性が考えられる。

(会員向けニューズレター「GNGニューズレター2022年9月1日号」より抜粋)

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18年間の実務経験と20年間のコンサル経験を積み、38年間一貫して健康食品ビジネスに携わる。国内外750以上のプロジェクトを実施。「世界全体の中で日本を位置付け、自らのビジネスを正確に位置付ける」という「グローバルセンス」のもとに先行する欧米トレンドを取り入れたコンセプトメイキングに定評がある。世界各地にネットワークを築き上げ、情報活用サービス「グローバルニュートリション研究会」主宰。食品会社、化粧品会社、製薬会社の健康食品部門に対して、商品開発・マーケティング・海外進出などのコンサルティングを行っている。人が幸せに生きるためには健康が第一である。健康食品産業は「幸せ創造産業」である、という信念のもと、クライアントの成功を通じ、消費者に支持される業界を目指し、業界で働く人すべてが自分の仕事に誇りと自信をもてるようにしたいという想いから、業界健全化活動にも取り組んでいる。

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