農水省、「みどりの食料システム戦略の策定について」公表、ほか|GNGニューズレター6月1日号

 

本日配信のGNGニューズレターでは、冒頭の巻頭言にて弊社代表・武田が、欧米のキッズニュートリションビジネスを整理しています。

国内ニュースからは、味の素・(国研)国立長寿医療研究センターとの共同開発アプリ「100年健脳手帳™」公開へ、大塚食品、大豆ミート製品をデニーズにて提供開始、女性が選ぶ機能性ヨーグルトランキング、総合満足度第1位は「江崎グリコ」製品、ダイセル、世界初製法によるザクロ抽出物の腸内代謝物を開発、サプリメントメーカーへ発売開始、農水省、「みどりの食料システム戦略の策定について」公表といった話題を取り上げています。

この記事では、その会員向けニューズレターの一部を抜粋してご紹介させていただきます。

こんにちは、GNG武田です。

前号ではNestlé社のM&A戦略についてコメントを書きました。そして、21日(金)のNNBポイント解説セミナーでは、更に詳細にNestlé社のM&A戦略についてお話をさせて頂きました。受講者の皆様からは大変好評でした。
Nestlé社に限らず、グローバルに食品事業を展開している企業は、世界の健康問題解決にむけて積極的に貢献しています。

その活動を評価するものの一つがAccess to Nutrition Index™(ATNI)のGlobal Indexです。このGlobal Indexは、慢性疾患、栄養失調といった肥満や食生活に関連する世界の健康問題において、最も貢献している食品・飲料企業をランキングにしたもので、ビル&メリンダ・ゲイツ財団(Bill & Melinda Gates foundation)が支援しています。第1弾は2013年、第2弾が2016年、そして第3弾が2018年に発行されました。
ランキングは、次の6分野においてそれぞれ評価され、各分野での合計ポイントで選出されます。

・ガバナンス
(ニュートリション戦略、統制&管理、報告の品質)
・商品
(商品設計、栄養プロファイルシステム)
・アクセシビリティ
(商品価格、流通経路)
・マーケティング
(すべての消費者に対するマーケティング、子供に対するマーケティング)
・ライフスタイル
(社員の福利厚生、消費者目線重視の健康的な食生活を推進しているか)
・取り組み
(ロビー活動、ステークホルダーとの関り)

2018年のATNIトップ10は、

  1. Nestlé
  2. Unilever
  3. Danone
  4. FrieslandCampina
  5. Mondelez
  6. Mars
  7. PepsiCo
  8. Kellogg
  9. Grupo Bimbo
  10. Cambell’s

となっています(2016年の世界の総売上高に基づいて、22の世界最大の食品および飲料メーカーが 2018年のグローバルATNIに含まれるように選択されました)。
日本企業では、味の素さんが14位明治さんが17位サントリーさんが19位にランクインされています。

地球規模で高齢化していき、シニアに向けたアクティブエイジングへの関心は高まりますが、一方で、NestléやDanoneは、子供の栄養、キッズニュートリションにも力を入れています
5月21日付日経新聞の1面には『少子化、コロナで加速』と大々的に報じられていました(関連記事も5面に)。「きょうのことば」では「人口動態統計」が解説されており、婚姻数や出生数の減少を指摘していました。
日本にいますと少子高齢化の流れをひしひしと感じざるを得ませんが、地球規模では、今後人口は増え続けます。当然、多くの子供が誕生してきます。

一方で、子どもの肥満の問題は世界的に広がっており、世界中で4,100万人の5歳以下の子どもが過体重・肥満と推定されています。過体重または肥満の5歳未満の子供は2016年で4,100万人超と推定され、過体重の5歳未満の子供のほぼ半分はアジアに、4分の1はアフリカに住んでいると報告されています(WHO)。
Globesity(「過体重と肥満(obesity)の世界的な(global)問題」という意味)の波は、子どもたちにも着実に波及しています。

また、非アルコール性脂肪性肝疾患 (NAFLD) は、世界中の子供たちにとって深刻な栄養問題(dietary problem)となっています。NAFLD は、米国の 10 人に 1 人以上の子供に影響を及ぼし、現在、このポピュレーションの中で最も一般的な慢性肝疾患になっています。 NAFLDは、非アルコール性脂肪性肝炎 (NASH) を引き起こす可能性があります。
少子化の進む日本ですが、子どもの栄養と健康の問題は今まで以上に重要になると思います。
欧米ではキッズニュートリションが日本よりも進んでいます。そのため、成功・失敗の教訓が数多くあります。
本号では、欧米のキッズニュートリションビジネスを整理してみました。

先週開催されましたNatural Products Expo Virtualの情報整理を、スタッフ総出で実施しています。6月16日(水)13時30分~16時30分にオンラインで報告会を行う事にしました。是非、お時間を確保しておいて下さい。詳細は別途ご案内させて頂きます。

(株)グローバルニュートリショングループ 武田 猛

GNGニューズレター(国内情報) 2021年6月1日 トピックス

<国内ニュース(要約)>

●味の素、機能性表示食品「脳活セブンアミノ」を新発売
●味の素・(国研)国立長寿医療研究センターとの共同開発アプリ「100年健脳手帳™」公開へ
●クレアル、日本初の脳活成分トリゴネリンを配合したアイスコーヒーを夏季限定で発売
●大塚食品、大豆ミート製品をデニーズにて提供開始
●ライオン、ラクトフェリンと葛の葉由来イソフラボンをW配合した機能性表示食品を発売開始
●女性が選ぶ機能性ヨーグルトランキング、総合満足度第1位は「江崎グリコ」製品
●代替肉・代替たんぱく質に関する調査結果を発表、クロス・マーケティング
●ダイセル、世界初製法によるザクロ抽出物の腸内代謝物を開発、サプリメントメーカーへ発売開始
●森永乳業、ビフィズス菌がラクチュロースを利用する仕組みを解明
●農水省、「みどりの食料システム戦略の策定について」公表

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[今号のハイライト]
農水省、「みどりの食料システム戦略の策定について」公表

[2021/5/12] [maff.go.jp]

農林水産省は、5月12日(水)に「みどりの食料システム戦略~食料・農林水産業の生産力向上と持続性の両立をイノベーションで実現~」を策定したことを発表した。
日本の食料・農林水産業は、気候変動や大規模自然災害、生産者の高齢化・減少による地域コミュニティの衰退、新型コロナによるサプライチェーンの混乱・内食拡大といった生産・消費の変化への対応など厳しい課題に直面している。一方、様々な産業で、SDGsや環境への対応が重視されるようになり、食料・農林水産業においても的確な対応が必要になる。また、国際的な議論の中で、アジアモンスーン地域の立場から、新しい食料システムの提案をしていく必要があることから、同戦略の策定に至った。
同戦略では、2050年までに目指す姿として下記の目標を掲げている。
1.農林水産業のCO2ゼロエミッション化の実現
2.化学農薬の使用量をリスク換算で50%低減
3.化学肥料の使用量を30%低減
4.耕地面積に占める有機農業の取組面積を25%、100万haに拡大
5.2030年までに持続可能性に配慮した輸入原材料調達の実現
6.エリートツリー等を林業用苗木の9割以上に拡大
7.ニホンウナギ、クロマグロ等の養殖において人工種苗比率100%を実現 等
今後は、これらの目標の達成に向けて、調達から生産、加工・流通、消費の各段階における関係者からの意欲的な取り組みを引き出し、革新的な技術・生産体系の開発と社会実装に取り組んでいく予定だ。

(会員向けニューズレター「GNGニューズレター2021年6月1日号」より抜粋)

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18年間の実務経験と20年間のコンサル経験を積み、38年間一貫して健康食品ビジネスに携わる。国内外750以上のプロジェクトを実施。「世界全体の中で日本を位置付け、自らのビジネスを正確に位置付ける」という「グローバルセンス」のもとに先行する欧米トレンドを取り入れたコンセプトメイキングに定評がある。世界各地にネットワークを築き上げ、情報活用サービス「グローバルニュートリション研究会」主宰。食品会社、化粧品会社、製薬会社の健康食品部門に対して、商品開発・マーケティング・海外進出などのコンサルティングを行っている。人が幸せに生きるためには健康が第一である。健康食品産業は「幸せ創造産業」である、という信念のもと、クライアントの成功を通じ、消費者に支持される業界を目指し、業界で働く人すべてが自分の仕事に誇りと自信をもてるようにしたいという想いから、業界健全化活動にも取り組んでいる。

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