GLP-1需要の拡大が栄養強化トレンドを推進するか、ほか|GNGグローバルニュース2024年12月25日号

こんにちは、GNG武田です。

今年も残すところ1週間となりました。
2024年最後のGNGグローバルニュースをお送りします。

今年もウェルネスフード業界でも色々なことが起こりましたね。
毎年、1年を振り返り10のトピックスを選んでいますが、2024年の10大トピックスは以下の通りです。

【GNGが選ぶ、2024年10大トピックス】
1 機能性表示食品初の健康被害を受けた制度改正とエビデンスのあり方への批判
2 米DSHEA施行30周年
3 CBD関連法制化:大麻取締法及び麻薬及び向精神薬取締法の一部を改正
4 女性の健康、ホルモンヘルス市場の躍進(国内・海外)
5 腸の健康:短鎖脂肪酸、腸内細菌、マイクロバイオーム研究加速(国内・海外)
6  AI、パーソナライズ
7 広告規制強化 NO.1広告、ステマ
8 GLP-1、血糖値コントロール(国内、海外)
9 超加工食品(UPF)への逆風強まる(主に海外)
10 代替プロテイン

各トピックスにつきましては、GNGニューズレター新年特別号で触れる予定です。

2024年最後のGNGグローバルニュースでも数多く登場するGLP-1受容体作動薬ですが、食品業界に与える影響は決して小さくなく、時間が経つほど、現実として現れてきていると実感します。

1年前に発刊された“10 Key Trends in Food, Nutrition & Health 2024”では、新たに「メタボリックヘルス」という言葉が間がトレンドに追加されました。

Mega Trend 1: ウエイトウェルネス&メタボリックヘルス

そしてその冒頭に以下のコメントがありました。

WalmartのCEOは、Wall Street Journal紙で、OzempicやWegovy等の新世代の糖尿病治療・減量薬への米国消費者の需要が急増しているため「需要がわずかに減退している」と述べた。Kellanova社(Kellogg社スナック事業の新社名)のCEOもこれに同調し、同社は対応策として「食行動への影響を調査している」と語っている。

これだけを読めば、一過性の現象と受け止められるかもしれませんが、以下のように続きます。

時を同じくして、世界最大の再保険会社であるSwiss Re社が医学誌のBritish Medical Journal(BMJ)と共同で開催した会議で、方程式の別の側面が示された。
「Food for Thought: rising to the challenge of obesity and diabetes」と題された会議には世界最先端の科学・医学研究者が集結した。食生活の改善が利益の向上にもつながることを理解している同社は、多くの研究者や食品業界にありがちな先入観に左右されることなく、何が効果的かを明確に見据えている。そのため同会議では、ウエイトマネジメントや糖尿病の治療法として主流となっているケトダイエット(ケト食)や低炭水化物食に焦点が当てられた。
例えば英国では、10年にわたり低炭水化物食の臨床試験が実施され、51%の糖尿病患者が回復している。診断後12ヵ月間食事療法を行った患者では77%が回復した。彼らは現在、治療薬を使用せず生活しており、最長10年間継続しているケースもあるという。現在2,000人以上の開業医が低炭水化物食のトレーニングを受けている。

これを読めば、現在のGLP-1ダイエットへの関心の高さは必然であることがわかります(日本ではあまり話題になりませんが)。

しかし、“10 Key Trends in Food, Nutrition & Health 2025”では、次のように警告を鳴らしています。

「食品会社はGLP-1ブームに惑わされるべきではない」

そして、“10 Key Trends in Food, Nutrition & Health 2025”の冒頭は、以下のコメントから始まっています。

動物性プロテインのデビューは、今年の最も重要な成長トレンドであり、大きな変化である。 2012年頃から、消費者の 「プラントベース」志向が止められない力になっていると考えている人なら、驚くかもしれない。
しかし我々は驚かない。我々は2011年に初めてプロテインの成長を指摘した。実際には15年近く前から、多くの国の消費者が食生活にプロテインを積極的に取り入れている。その最大の恩恵を受けているのが乳製品で、着実に需要が伸びている。

日本でもプロテインの人気は高く、ホエイプロテインは品不足と価格高騰でビジネス展開に不安の影を投げかけています。

GNGも、2012年から海外の(アニマル)プロテイントレンドを伝えてきました。
しかし、その当時、この情報はあまり重視されずに軽く流されていました。

これが「フロー情報」の怖さです。
定点観測をしていないと、その変化に気付かず、ビジネスチャンスを掴み損ねてしまいます。

GLP-1ダイエットについても、ブームではなくトレンドとして捉え、ビジネスチャンスを掴んで頂ければと思います。

体重、気分、ホルモンの健康など、メタボリックウェルネスという考え方は、ソーシャルメディアによって普及している。今後、メディアや広告でメタボリックヘルスに関する言及が増える可能性がある。

“10 Key Trends in Food, Nutrition & Health 2024”には、上記の一文が示されています。

武田 猛

この記事について

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この記事では、その会員向けニューズレターの一部を抜粋してご紹介させていただきます。

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■GNGグローバルニュース 2024年12月25日号 トピックス

Market News
●培養肉産業の成功には宗教、文化との融合が必要:パネル会議
●対極にある2つのトレンドが勢いを増すとき
●食品・飲料産業を支配する5つの健康トレンド
●機能性キノコへの期待、次世代のキノコは?
●「健康寿命」に目を向けた商品開発を:Euromonitor Internationalの分析

Products & technology News
●Cell Fusion Cが「食べる日焼け止め」の2商品を販売
●AGSの質を評価する方法に最適なのはFIA-MS:スペインの研究
●GLP-1需要の拡大が栄養強化トレンドを推進するか

Science News
●サケたんぱく質が毛髪や皮膚などの健康に有効な可能性
●マイクロプラスチックが腸の健康を阻害する可能性
●MFGM、タウリン、ビタミンB含有ホエイたんぱく質が認知機能を改善する可能性:BYHEALTH研究
●腸内細菌叢の臨床研究の課題:Yakultシンポジウム

Regulatory News
●不正な食品表示で欧州の消費者は混乱:ECAレポート

[今号のハイライト]
GLP-1需要の拡大が栄養強化トレンドを推進するか、ほか|GNGグローバルニュース2024年12月25日号

[2024/12/6] [nutraingredients.com]

オゼンピックなどのGLP-1受容体作動薬の需要が急激に伸びており、この波は米国から欧州へと広がっている。
医療現場では抗糖尿病薬として使用されているが、GLP-1受容体作動薬は食欲を抑え、食事量を減らすことから、ダイエット薬として人気急上昇中である。だが、食事量が減るため、必須栄養素の摂取不足が心配されてもいる。そのため、食品に栄養素を加える、いわゆる「栄養強化」がトレンドに挙げられるようになった。
食品の栄養強化トレンドは、特に若者世代では本流となっている。例えば、市場調査会社、Mintel社の調査によると、ドイツでは、16~34歳の79%は「過去3か月に栄養強化あるいは機能性食品・飲料を利用した」と答え、55歳以上の34%と比べると大きな差が出ている。「インヘラント(本来備わっている)栄養、強化、パーソナライズドニュートリションの3つへの関心が高まっている」と、原料大手のCargill社は分析した。
同社の独自調査によると、消費者の4人に3人は「薬効や治癒効果のある」栄養素を配合した食品・飲料を求めているのだという。特に、筋肉や満腹感保持をサポートするたんぱく質は、空腹感をまぎらわせ、過食を防ぎ、健康な体重を維持することで、GLP-1受容体作動薬服用中だけでなく服用をやめた後も関心が集まり、パスタやパン・菓子類、栄養バーなどへの強化が望まれている。
この他、GLP-1受容体作動薬ユーザーは服用中、消化器系の不調などの副作用にみまわれることがあるため、食物繊維が豊富な食品も無視できない。GLP-1受容体作動薬需要の拡大が栄養強化トレンドを押し上げる要因になりそうだと、専門家はみている。

 (会員向けニューズレター「GNGグローバルニュース2024年12月25日号」より抜粋)

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18年間の実務経験と21年間のコンサル経験を積み、39年間一貫して健康食品ビジネスに携わる。国内外800以上のプロジェクトを実施。「世界全体の中で日本を位置付け、自らのビジネスを正確に位置付ける」という「グローバルセンス」のもとに先行する欧米トレンドを取り入れたコンセプトメイキングに定評がある。世界各地にネットワークを築き上げ、情報活用サービス「グローバルニュートリション研究会」主宰。食品会社、化粧品会社、製薬会社の健康食品部門に対して、商品開発・マーケティング・海外進出などのコンサルティングを行っている。人が幸せに生きるためには健康が第一である。健康食品産業は「幸せ創造産業」である、という信念のもと、クライアントの成功を通じ、消費者に支持される業界を目指し、業界で働く人すべてが自分の仕事に誇りと自信をもてるようにしたいという想いから、業界健全化活動にも取り組んでいる。

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