女性の健康分野は消費者からの信頼の確保が重要：H&B社、ほか｜GNGグローバルニュース2024年2月27日号

こんにちは、GNG武田です。
今号のグローバルニュースでは、英国と米国のWomen’s Healthに関連する記事を取り上げています。

昨年３月に開催されましたNatural Products Expo West 2023では、女性の健康に関連する製品の出展が目立ち、GNGの注目トレンドにも取り上げました。来月開催のNatural Products Expo West 2024ではどうなっているのか、とても楽しみです。

Nutrition Business Journalの調査では、2022年のサプリメント市場における訴求別売上は
Women’s general health 　$2,365
Prenatal/postnatal health   $730
Menopause     $606
でした。対前年成長率は、それぞれ1.7%、-0.4%、4.8%でした。Expo Westでの出展も更年期対応の商品が目立ちましたので、このカテゴリーが今、ホットなんだと思います。

Women’s general healthに対してMen’s general healthサプリメントは$1,478で、約4割市場は小さく、対前年比も0.9%と低い値です。一方、性別訴求をしていないGeneral healthサプリメントは$4,069と規模は大きいものの、対前年比は-1.7%とマイナス成長です。

今後は性別のGeneral healthサプリメントが増える、特にWomen’s general healthサプリメントが伸びるのではないでしょうか？この辺りは、店舗視察をしながら確認をしてきたいと思います。

武田　猛

この記事について

GNGでは、会員向けに世界各国の健康・食・栄養に関するニュースをセレクトし、日本語に要約したものを月に2回、ニューズレター「GNGグローバルニュース」として配信しています。

この記事では、その会員向けニューズレターの一部を抜粋してご紹介させていただきます。

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■GNGグローバルニュース　2024年2月27日号　トピックス

Market News　マーケット
●女性の健康分野は消費者からの信頼の確保が重要：H&B社
●英国でブームの高たんぱく質食品、「ヘルシー」については疑問も
●APACで検索率が高いのは腸の健康に関するトピックス：Google Trend

Products & Technology News　プロダクツ&テクノロジー
●Fazer社、シンガポールでエア・プロテインSolein含有チョコレートを販売開始
●Riise社、パーソナライズド「オールインワン」サプリメントを提供

Science News　サイエンス
●プラントベース食は2型糖尿病リスクを低減する可能性
●豆類が大腸がんを予防する可能性

Company News　企業情報
●Novozymes社とChr. Hansen社の合併が完了し、新会社Novonesis社が誕生
●Perelel社、女性の健康分野で600万ドルの資金を調達
●Verb Biotics社、Evogene社が次世代のプロバイオティクスの開発のため提携

Regulatory News　法規制
●APACにおけるバイオティクスニュースのまとめ
●タイ、食品ラベル表示に関し新規制発表

[今号のハイライト]女性の健康分野は消費者からの信頼の確保が重要：H&B社

[2024/2/2] [nutraingredients.com]

英国のサプリメントサプライヤーの大手、Holland & Barrett社（H&B社）は、女性の健康カテゴリーでは消費者の信頼が不足しており「サービスが行き届いていない社会」での意識や啓蒙を改善するためのキャンペーンを引き続き展開していく意向を示した。

スイスで先週開かれたBiogredia Health & Nutrition Summitで、H&B社のAlex Glover氏は「女性は、更年期障害やその症状について話をするのが気まずく、それが情報交換やサポートの欠如を招いている。我々の優先事項は、こうしたサービスの行き届かないカテゴリーにおいて生活の質を向上させることだ」と意見を述べた。さらに「研究でも男性の生理学が優位で、閉経期周辺の女性に関する研究は少ない。だが、このカテゴリーこそ、消費者主導で関心の集まる分野だといえる」と付け加えた。

同氏によると、女性の健康分野は年齢層、民族、障害、教育、経済状況など、実に多様で、それに応じてニーズも多様だという。例えば、年齢は重要な要素で、若い世代は月経、妊娠、出産、子宮・卵巣関連疾患、尿路感染などへのサポートを必要とし、35歳以上の女性は、閉経周辺期に発生する症状へのサポートを求める。
同氏は「更年期症状と言っても多種多様で、万能薬は存在しない」と強調し、「更年期症状サプリメントの効果は少ないと考える消費者のサプリメントへの信頼の欠如が障壁の一つだ。その他、欧州では法的観点からサプリメントへのヘルスクレームに制限があり、また、科学的エビデンスも不足していることから効果の高いソリューションを消費者に提供するのが困難な状況となっている」と説明した。

H&B社は、こうした状況を打破し、消費者に最良の情報を提供し、その信頼を構築するため大規模キャンペーンを展開しているという。例えば、2019年の「Me, No, Pause」や2022年の「Every Menopause Matters」などでは、商品の宣伝をせずに役立つ情報を届けることに尽力した。
女性の更年期問題を考える際、見逃せないのは心血管系疾患（CVD）のリスク増大であり、これはホルモンの変化による閉経期後の女性の大きな死因となっている。「CVDは発症すると治癒が難しく、だからこそ予防が大切となる」と同氏は語る。

コエンザイムQ10やオメガ3、グレープシードなどのサプリメントは心臓の健康をサポートするとされるが、「消費者に予防の重要性を啓蒙することは困難で、身体の変化を示す兆候や症状がまだ表れていないときはなおさらだ。多くの女性が、シワを見つける前にシワ予防クリームを検討するように、肌だけでなく心臓の健康にも目を向けるよう、業界が導く必要がある」と結んだ。

（会員向けニューズレター「GNGグローバルニュース2024年2月27日号」より抜粋）

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武田 猛（たけだ　たけし）

代表取締役 ： 株式会社グローバルニュートリショングループ
18年間の実務経験と20年間のコンサル経験を積み、38年間一貫して健康食品ビジネスに携わる。国内外750以上のプロジェクトを実施。「世界全体の中で日本を位置付け、自らのビジネスを正確に位置付ける」という「グローバルセンス」のもとに先行する欧米トレンドを取り入れたコンセプトメイキングに定評がある。世界各地にネットワークを築き上げ、情報活用サービス「グローバルニュートリション研究会」主宰。食品会社、化粧品会社、製薬会社の健康食品部門に対して、商品開発・マーケティング・海外進出などのコンサルティングを行っている。人が幸せに生きるためには健康が第一である。健康食品産業は「幸せ創造産業」である、という信念のもと、クライアントの成功を通じ、消費者に支持される業界を目指し、業界で働く人すべてが自分の仕事に誇りと自信をもてるようにしたいという想いから、業界健全化活動にも取り組んでいる。

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