こんにちは、GNGの和泉です。
2月24日号のグローバルニュースをお届けいたします。
今号も、多くの市場調査結果や最新の研究、そして様々な規制の動きなど、海外業界メディアによる最新記事を紹介しています。
特に今号は興味深いニュースが非常に多く、計27本の大ボリュームとなっています。是非ご覧ください。
さて、前号では米国アナハイムで2023年3月7日から開催されるNPEW(ナチュラル・プロダクツ・エキスポウェスト)に関連し、2019年のGNG注目トレンドを振り返りました。
今号の配信文では、2021年の「Natural Products Expo Virtual」におけるGNGの注目トレンドを振り返りたいと思います。
2021年、GNGが注目したトレンドは以下の通りです;
1. COVID-19
2. 多様性(ダイバーシティ)
3. サステナビリティ
1. COVID-19(免疫/プラントベース/メンタル・睡眠サポート)
2020年、健康な体と免疫システムが第一だと認識した消費者は、薬としての食品に目を向けるようになり、食品に機能性を求めるようになった。
2021年4月までの52週間で、天然由来原料を使用した免疫訴求製品で最もシェアを占めたのは「エルダーベリー」で、次に「コラーゲン」、「MCT」と続いた。4位のアップルサイダ―ビネガーサプリメントの年間売上成長率は118%と、成長率は同カテゴリー内でトップだった。
2020 年のプラントベース食品の年間売上成長率は27%増となり、食品全体の売上成長率の約2倍。卵代替品のシェアは低いものの、2020年の年間売上成長率は168%と大きな伸びを見せた。
メンタル・睡眠サポート製品では、規制の不確実性の問題からCBD以外のサプリメントを販売するCBD企業が増加。天然由来原料としてマグネシウムやアシュワガンダ、ヤマブシタケ等のキノコ類を使用した製品が多くみられた。パルミトイルエタノールアミド(PEA)に注目する企業も複数あった。
2. 多様性(ダイバーシティ)
あらゆる食品が、多様化、細分化し続け、いわゆる「フレキシタリアン」の存在感が増している。
特に健康上の問題がなくても「〇〇フリー」製品を摂取することが「ヘルシー」だと信じる消費者が増えた。より新しい概念の製品を進んで取り入れ、プレミアム価格を支払うことに抵抗がない消費者も増加し、ハラル、コーシャ対応製品が以前にも増して多く見られた。
パーソナライゼーションについては、DNAテストに基づく厳密なものは未だ発展途上であり、消費者行動にまだそれほど影響力が現れていない。
3.サステナビリティ
食品・飲料業界のすべての企業にとって綿密に練られたサステナビリティ戦略は不可欠である。
サステナビリティの主なトレンドとして、クリーンラベル、食品・飲料の廃棄物のアップサイクル、再生型農業(リジェネラティブ農業)が挙げられる。
2021年のExpo Virtualでは、様々な方面からサステナビリティに取り組む商品がみられ、特に原材料の生産方法でサステナブルを謳う商品が多かった。
以上、2021年Expo Virtualの注目トレンドを振り返ってみました。
そして今年、2023年のNPEWでGNGが注目する主なトレンドは以下の通りです(順不同)。
1.プラントベース
2.CBD
3.ケト(パレオ)
4.高たんぱく質
5.サステナビリティ・動物福祉
6.ブレインヘルス(認知機能・腸脳相関)
7.腸の健康(プロ/プレ/ポストバイオティクス)
8.睡眠・ムード
9.免疫
10.パーソナライゼーション
現地では、上記トレンドに関連する新製品動向、訴求方法、そして新しいトレンド出現の有無など、様々な角度から確認する予定です。展示会報告レポートを楽しみにお待ちください。
皆様のビジネスのお役に立てますと幸甚です。
和泉 美弥子
この記事について
GNGでは、会員向けに世界各国の健康・食・栄養に関するニュースをセレクトし、日本語に要約したものを月に2回、ニューズレター「GNGグローバルニュース」として配信しています。
本日配信したグローバルニュースでは、Herbalife社が新しい免疫サポートサプリメントを発表、超加工食品の摂りすぎでがん発症リスク、死亡率が増大、FDA、カカオフラバノールとCVDリスク低下の関連を示す健康強調表示に限定的認可の可能性、FDA、米国連邦議会がDSHEAで確立した安全性メカニズムに一石を投じる、など27の記事を取り上げています。
この記事では、その会員向けニューズレターの一部を抜粋してご紹介させていただきます。
……グローバルニュートリション研究会 会員企業様は、会員サイトにて、すべての記事をお読みいただけます。
■GNGグローバルニュース 2023年2月24日号 トピックス
Market News マーケット
●フェムテックの台頭 「無視してはならない急成長産業」
●世界的な消費者調査により、関節の健康が課題の上位に
●ストレスや腸と脳の健康への懸念に応える:Nutiani™市場調査
●プラントベース肉代替品の将来を心配する必要はあるだろうか
●トレンドは急速に変化している:韓国のサプリメント・成分の輸入が20%増加
Products News 商品情報
●高まる消費者の意識とコラーゲン市場の「未知なる可能性」
●「世界初の100%培養ポークステーキ」の裏側
●Herbalife社が新しい免疫サポートサプリメントを発表
●Danone社、医療栄養における植物由来のイノベーションの役割を語る:「私たちが優先するのは、ライフスタイルの選択に応えるエビデンスに基づく栄養学」
Science News サイエンス
●超加工食品の摂りすぎでがん発症リスク、死亡率が増大
●Parabacteroides distasonisがプロバイオティクスとして関節炎を緩和するとの研究結果
●ブドウポリフェノールがアッカーマンシアの濃度を高め、腸内環境を改善する可能性
●脳の老化における腸内細菌叢の役割を明らかにする研究結果
●ベリー果実の健康効果に関する意見交換:シンポジウム
●アメリカンフットボール選手におけるオメガ3用量反応に関する研究
●個人最適化の新戦略:エリートアスリートにおけるマイクロバイオームモニタリングの力
●更年期症状に「魔法の治療法」はない
●「不眠症にはCBDとTHCの組み合わせが最適」とする研究
●ホエイ、食事とは無関係に筋力と持久力を促進すると業界研究が結論づける
Company News 企業情報
●2023年も代替たんぱく質関連スタートアップに投資資金が集中
●Kellog社がプラントベース事業を救う: MorningStar Farms®にとって最高の親会社
●Amazon社、FDAの措置を理由にNMNサプリメントを削除
Regulatory News 法規制
●培養肉に関する規制状況:イスラエル、EU
●FDA、カカオフラバノールとCVDリスク低下の関連を示す健康強調表示に限定的認可の可能性
●FDAは、依然としてダイエタリーサプリメント監査におけるcGMPの「欠陥」に懸念を示す
●FDA、米国連邦議会がDSHEAで確立した安全性メカニズムに一石を投じる
●ESSNAの洞察:スポーツニュートリション業界向けのCBDの開発
[今号のハイライト]
FDA、米国連邦議会がDSHEAで確立した安全性メカニズムに一石を投じる
[2023/2/13] [naturalproductsinsider.com]
FDAは最近、法律による新規栄養成分通知(NDINs:new dietary ingredient notifications)の枠組みが、特にCBD製品では、潜在的に安全でないダイエタリーサプリメントから国民を保護するのに十分だとは考えていないことを示唆した。
Consumer Healthcare Products Association(CHPA)の法務・政府関連・政策担当SVPであるDavid Spangler弁護士は2019年、FDAに対しCBD含有サプリメントの市場参入経路の策定を求める市民請願(Citizen Petition)を提出したが、FDAは最近これを却下し、同時に、Council for Responsible Nutrition(CRN)およびNatural Products Association(NPA)が提出した同様の2つの請願も却下した。
CHPAは市民請願の中で、FDAに対しCBD含有サプリメントの市場参入経路を作るよう要請し、FDAがCBDブランドに対し、新規栄養成分通知(NDINs)を通じて製品の安全性を立証するよう要求することを提案した。
しかし、2019年当時、FDAのODSP(Office of Dietary Supplement Programs)ディレクターだったSteven Tave氏は、全てのNDIを正確に測定する方法がないことを示唆し、必要なNDINの25%以下しかFDAに通知されていないと推定した。同氏は、「市場が拡大しているにもかかわらず、DSHEAの制定以来、4,600件以上のNDI通知がされるべきところ、約1,200件にとどまっている」と述べている。
FDAはガイダンス草案を通じて通知件数を増やす方向で動いているが、当局は最近、潜在的に安全でないダイエタリーサプリメントから国民を保護するには、現在の法的枠組みが適切だとは考えていないことを表明している。
食品安全・応用栄養センター(CFSAN:Center for Food Safety and Applied Nutrition)の規制問題担当副センター長Douglas Stearn氏は、「現行法の下では、FDAは新規ダイエタリーサプリメントがいつ市場に導入され、NDINの要件に適合しているかどうかを知る体系的な方法がない」と、CHPAの市民請願に対するFDAの回答書に記述している。
Stearn氏はさらに、FDAがNDINのレビュー後に安全性等の懸念を示したにもかかわらず届出者がその成分の上市を進めた場合、FDAは製品が「不純物」であることを示すために「リソース集約型の強制措置」を取り、「立証責任」を負う必要があるため、「その間、安全でないサプリメントが市場に残り続ける可能性がある」と述べた。
同氏は、「FDAがCBDについて提起した安全性の懸念により、現在の規制枠組みの下では、CBD製品のNDINはダイエタリーサプリメントとしての安全基準を満たさないだろう」とし、「現実問題として、FDAは、この爆発的な市場のすべての違反製品に対して強制措置を取るためのリソースを持っていない。市民請願が提案するアプローチは、FDAのリソースを他のサプリメント製品を犠牲にしてCBD製品に集中させることになるため、公衆衛生に害を及ぼすだろう」と付け加えた。
FDAの回答に対しSpangler弁護士は、NDINプロセスが公衆衛生を守るには不十分であるというFDAの結論に違和感を覚えたという。「FDAは、議会が制定し、企業が使用する独自のシステムを直接攻撃している」
FDAのリソースについては、不適合なCBD製品に対するFDAの執行は警告書に限られていると、複数の業界関係者が述べている。
Spangler弁護士はさらに、FDAがNDINで製品の同一性や安全性の懸念を提起したにもかかわらず成分を販売する会社は、「多くの原告団から訴訟を起こされる」ことになると付け加えた。
(会員向けニューズレター「GNGグローバルニュース2023年2月24日号」より抜粋)
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和泉 美弥子
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