こんにちは、GNGの和泉です。
1月26日号のグローバルニュースをお届けいたします。
今号が2022年最初のグローバルニュースということで、多方面から2022年のトレンド予測が発信されています。前回に引き続き、複数取り上げていますので、ぜひご覧ください。
さて、そのトレンド予測に関するニュースから、『管理栄養士による2022年以降の食に関するトレンド予測』の10のポイントの中で「野菜を食べよう」が選ばれています。COVID-19の影響からますます健康志向が高まり、野菜に注目が集まっていることは間違いありません。
ただし同ニュースでは、加工度の高い食品を制限することも推奨されているため、比較的加工度の高いプラントベース食品については判断が難しいところです。
少し古いデータになりますが、欧州連合(EU)の統計局Eurostatによると、2019年、EUでは3人に1人(33%)が果物や野菜を毎日摂取していないと回答し、EUで推奨される1日5皿(約400g)以上を摂取している人はわずか12%だったそうです。
毎日1~4皿(80~320g)の果物や野菜を食べていると回答したのは、EU人口の55%でした。
EU加盟国の中で、1日に400g以上の果物と野菜を摂取していると回答した人が最も多かった国は、アイルランド(人口の33%)、オランダ(30%)、デンマーク(23%)、フランス(20%)でした。
1日の摂取量が最も少なかったのはルーマニアで、人口のわずか2%、ブルガリアとスロベニア(ともに5%)、オーストリア(6%)がそれに続きます。
日本はというと、厚生労働省の「健康日本21」が推奨している1日あたりの野菜の目標摂取量は350g、果物は200gですが、2019年の日本人の野菜類摂取量の1日あたりの平均値は288g、果実類摂取量は108gで、やはり不足しています(平成29年国民健康・栄養調査)。
ご存知の方も多いかと思いますが、国連は2021年を「国際果実野菜年2021」と定めました。
発展途上国における果実・野菜の消費量は少なく、先進国でも成人1人あたりの平均摂取量は必要量に達していません。また、先進国では消費の過程で、発展途上国では流通の過程で、食品ロス又は廃棄となっている状況も背景となっています。
NNBが2022年10キートレンドで「野菜を便利に」を取り上げているように、野菜を美味しく簡単に摂取できるようなクリーンラベルの製品が、今後さらに求められるようになると考えています。
(株)グローバルニュートリショングループ 和泉 美弥子
この記事について
GNGでは、会員向けに世界各国の健康・食・栄養に関するニュースをセレクトし、日本語に要約したものを月に2回、ニューズレター「GNGグローバルニュース」として配信しています。
本日配信したグローバルニュースでは、COVID-19パンデミック以降の機能性食品トレンドはメンタルヘルス、認知力関連、KeHE社による2022年の10の食品および飲料トレンド、2022年に米国食品および飲料業界が注目すべき法規問題: CBD規制からプラントミルクのラベル表示まで、など12の記事を取り上げています。
この記事では、その会員向けニューズレターの一部を抜粋してご紹介させていただきます。
……グローバルニュートリション研究会 会員企業様は、会員サイトにて、すべての記事をお読みいただけます。
■GNGグローバルニュース 2022年1月26日号 トピックス
●Pascual Innoventures社、細胞培養乳製品スタートアップ支援プログラムに参加する4社を選出
●管理栄養士による2022年以降の食に関するトレンド予測
●2022年に注目すべきカテゴリー、成分、業界の課題: Nutraingredientsの予測
●ライブ配信、テレビ、薬局:2022年に向けたアジア圏のニュートリションブランド販売チャネル戦略
●Kerry社が2022年の年次グローバルテイストチャートを発表
●オミクロン株は日常への復帰を阻むものではない:消費者調査
●Euromonitorによる2022年の世界の消費者トレンドTOP10
●PEAはCBDの代替品になり得るか
●二日酔い治療法の有効性に説得力はない:研究レビュー
●食事の血糖に対する反応予測は慢性疾患の軽減に役立つ可能性
●培養サーモン開発スタートアップ、Wildtype社が米食料品店と販売契約を締結
●KFCが全米でBeyond Meetフライドチキンを発売
●2022年、APACの栄養部門を形成する新しい規制で知っておくべきこと
●米FDA、マグネシウムと高血圧のリスク低減に関する限定的ヘルスクレームを承認
[今号のハイライト]
米FDA、マグネシウムと高血圧のリスク低減に関する限定的ヘルスクレームを承認
[2022/1/10] fda.gov米FDAは、マグネシウムの適正摂取と高血圧リスクの低減に関連する限定的ヘルスクレームの使用を認める判断を、執行裁量の書簡で明らかにした。
請願書およびその他の証拠を検討した結果、FDAは、科学的証拠全体が、従来の食品およびダイエタリーサプリメントにおけるマグネシウムと高血圧のリスク低減との関係についての限定的ヘルスクレームを支持すると判断した。
Nutraingredients-usaによると、これは、CRN(栄養評議会)などがマグネシウム教育研究センターの代理として、長年にわたりマグネシウム摂取と高血圧リスク低減の関連性を強調し、商品のヘルスクレーム表示を認めることを求める嘆願書をFDAへ提出してきた努力の結果とみられる。CRNのAndrea Wong博士は、「高血圧リスク低減へのマグネシウムの働きが認められて大変喜ばしい」と、感想を述べた。
嘆願書と共に提出された研究結果では、90日間のマグネシウム摂取で、被験者の収縮期血圧が平均して149から129へ下降したと報告されている。
食品およびダイエタリーサプリメントに関連する限定的ヘルスクレームは、以下の文言を使用する必要がある:
●「一貫性がなく、決定的でない科学的証拠は、適量のマグネシウムを含む食事が、多くの要因に関連する高血圧(高血圧症)のリスクを低減する可能性を示唆しています」
●「適量のマグネシウムを含む食事を摂取することは、高血圧(高血圧症)のリスクを低減する可能性があります。しかしFDAは、その証拠に一貫性がなく、結論が出ないと結論付けています」
●「適切なマグネシウムを含む食事が、多くの要因に関連する高血圧(高血圧症)のリスクを低減する可能性を示唆する科学的根拠もあります。FDAは、この主張を裏付ける科学的証拠は一貫性がなく、決定的なものではないと結論付けています」
(会員向けニューズレター「GNGグローバルニュース2022年1月26日号」より抜粋)
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和泉 美弥子
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