こんにちは、GNGの和泉です。
12月10日号のグローバルニュースをお届けいたします。
今号ではたんぱく質に関連する複数のニュースを取り上げています。
既にご存知かとは思いますが、世界中の多くの人々が、たんぱく質を、より健康的な生活に繋がる多くのベネフィットを提供する栄養素として位置付けています。この傾向は企業のイノベーションを推進しており、Innova社の調査によると、高たんぱく質を主張する新製品の発売数は、2018年から2020年にかけて12%増加しました。
消費者の健康志向は既に以前から高まっていましたが、COVID-19パンデミックが高たんぱく製品市場の成長に特に影響を与え、消費者は健康および栄養への関心を飛躍的に高め、高たんぱく質食品や飲料を選択するようになりました。
市場調査会社のFMCG Gurusによると、消費者の48%は免疫力を高めるために高たんぱく食品を購入すると回答しています。
さらに、同社が2021年に公表した調査結果によると、48%の消費者がプロテインバーの原料はナチュラルであることが重要だと回答したそうです。本紙の記事でも述べられおり、ご存知の方も多いとは思いますが、ただ高たんぱく質なだけではなく、クリーンラベルも非常に重要な要素であることが分かります。
たんぱく質強化型の機能性飲料のイノベーションも進んでおり、Kerry社が低pH飲料用に開発した、クリーンラベルでアレルゲンフリーの植物性たんぱく質Pro Diem Refreshは、新しいたんぱく質成分処理技術により、飲料水、ジュース、エナジードリンクなどのさまざまな用途で使用可能となりました。
今後も高たんぱく製品の開発がますます進んでいきそうです。
(株)グローバルニュートリショングループ 和泉 美弥子
この記事について
GNGでは、会員向けに世界各国の健康・食・栄養に関するニュースをセレクトし、日本語に要約したものを月に2回、ニューズレター「GNGグローバルニュース」として配信しています。
本日配信したグローバルニュースでは、Kerry社、たんぱく質の認識に関する世界的な消費者調査を公表、コラーゲン需要の急増は、動物性たんぱく質に対する消費者の欲求を示す:NNBレポート、高齢者のたんぱく質高摂取はDNA損傷を引き起こさない、など13の記事を取り上げています。
この記事では、その会員向けニューズレターの一部を抜粋してご紹介させていただきます。
……グローバルニュートリション研究会 会員企業様は、会員サイトにて、すべての記事をお読みいただけます。
■GNGグローバルニュース 2021年12月10日号 トピックス
●コラーゲン需要の急増は、動物性たんぱく質に対する消費者の欲求を示す:NNBレポート
●Mintel社が2022年に向けた消費者動向予測3つを発表
●Kerry社、たんぱく質の認識に関する世界的な消費者調査を公表
●ビーガンの高齢者は、肉を食べる高齢者よりも必要な薬が少なくて済む可能性:研究
●柑橘類由来ポリフェノールが抗肥満に関連する腸内細菌を増加する可能性
●毎日の酢の摂取がうつ症状を最大34%減少
●マグネシウム補給が糖尿病の症状を緩和する可能性
●高齢者のたんぱく質高摂取はDNA損傷を引き起こさない
●腸内細菌叢が食後の血糖反応に影響する可能性
●Starbucks社、サステナブルな調達のためArla Foodsと提携
●APACのプロバイオティクス規制:東南アジア、中国、韓国、中東の動向
●台湾、国内の全加工食品に対しより厳しい栄養表示規制を施行する予定
●CBD食品法案が米国議会へ提出される
[今号のハイライト]
Kerry社、たんぱく質の認識に関する世界的な消費者調査を公表
[2021/11/29] nutraceuticalsworld.com香料をはじめとする食品成分のグローバル企業であるKerry社は、たんぱく質強化食品に関する世界中の消費者の具体的な意識や行動について、大規模調査を実施した。この調査は、北米、欧州、ラテンアメリカ、アジア太平洋地域の12カ国から6,300人以上の健康志向の消費者を対象としたものである。
近年、COVID-19や消費者の健康志向の高まりなどにより、世界の食品・飲料市場は急速に変化している。たんぱく質の様々なベネフィットに関する認識が広まり、購入時の意思決定に影響を与えている。
今回の調査はたんぱく質強化食品・飲料の革新チャンスがどこにあるのかを把握すべく、実施された。
調査によると、世界の消費者の50%がたんぱく質を「健康的な食生活」、46%が「健康的なライフスタイル」と関連づけている。
半数以上がたんぱく質強化食品に10%のプレミアム価格を支払い、15%の消費者は25%ものプレミアム価格を支払うと回答している。
人々が高たんぱく質に惹かれるのは、「健康ハロー効果」によるものだ。さらに、植物性たんぱく質の普及や、品質、クリーンラベル訴求が人気を加速させている。消費者がプロテイン商品を選ぶ際に重視しているものとしては、「味」(65%)、「たんぱく質の品質」(59%)、「天然成分」(57%)、「値段」(55%)、「1食あたりのたんぱく質量」(53%)が上位に挙げられている。
著者らは、「たんぱく質消化率補正アミノ酸スコア(PDCAAS)や必須アミノ酸(EAA)プロファイルなど、その他のたんぱく質の品質に関する特異性は比較的低い順位になっている」と指摘しており、このことは、ブランドがより高品質のたんぱく質を提供し、消費者に対したんぱく質の品質に関する異なる側面について認知を広める機会になると考えている。
著者は様々なたんぱく源に対する消費者の認知度は、国によって大きく異なることを指摘した。さらに植物と動物、両方のたんぱく質を含むハイブリッドたんぱく質は、世界中の消費者にとって非常に魅力的であることが分かったという。
また今回の調査で、たんぱく質を配合したさまざまな飲料についての消費者の好みを分析した結果、飲むヨーグルト(52%)、ミルクシェイク(47%)、スムージー(45%)、栄養ドリンク(44%)、牛乳(43%)、ジュース(42%)が最も人気があった。
一方、たんぱく質を強化した水(30%)、乳製品粉末飲料(30%)、アイスコーヒー(28%)、植物性粉末飲料(27%)、お茶(26%)、炭酸飲料(23%)は、関心が大きく低下していることがわかった。
消費者は栄養成分表示にますます敏感になっており、購入パターンにおいても、クリーンラベルやナチュラル訴求を強く意識している。また、サステナビリティに関する意識も高まっていると著者は指摘した。
現在、プロテインカテゴリーで最も魅力的な訴求内容は、「高品質なたんぱく質」(39%)、「砂糖不使用」(31%)、「すべてナチュラル」(30%)、「砂糖不使用」(28%)、「添加物・保存料不使用」(27%)の5つであった。
(会員向けニューズレター「GNGグローバルニュース2021年12月10日号」より抜粋)
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和泉 美弥子
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