COVID-19禍における世界の消費者動向とライフスタイル消費者調査、ほか|GNGグローバルニュース2020年6月24日号

こんにちは、GNGの和泉です。

世界的にCOVID-19に関連する規制が段階的に解除されつつありますが、現在ブラジルは大変な状態になっています。米国も、一時期感染率ワースト1だったニューヨーク州がクオモ知事の采配でようやく下火になったと思いきや、規制が緩和された途端に今度はカリフォルニア州そしてフロリダ州での新規感染者数がうなぎのぼり状態だそうです。

このような状況のなか、最近目にする記事は、パンデミック(世界的大流行)が始まった頃の「感染リスク予防」を主とするものから「感染の重症化の予防」に関する内容にシフトしつつあるように思えます。世界ではそれだけ感染が広がっているのだと実感しています。

今号でもCOVID-19に関連する記事が複数取り上げられています。

18日にニュースになりましたが、血液型A型COVID-19の症状が重症化するリスクが高いという研究論文が医学誌「The New England journal of medicine」で発表されました。

ヨーロッパでCOVID-19流行のピーク時に4000人以上の遺伝子を分析したところ、A型の患者では重症化するリスクが他の血液型に比べ45%高く、O型では35%低い可能性があるそうです。イタリア・ミラノのポリテクニコ血液研究センターの医師でこの研究の責任者の一人であるルーカ・ヴェレンティン氏は、血液の主要な遺伝子の一つが感染を重症化させる要因になっていると示唆しています。

さらに米国遺伝子検査サービス会社の23andMe社による、75万人分のDNA情報を用いた調査結果でも、O型の血液型は他の血液型と比較してCOVID-19の感染率が9~18%低かったということです。同様の調査を感染リスクの高い医療従事者に対しても行ったところ、やはりO型の人の感染率は13~23%低かったという結果が出たそうです。

しかしながら日本人の約40%はA型、南米では大半の人の血液型がO型であることなどを考えると、当然ながらCOVID-19重症化にはさらに複雑な要因が絡んでくるのでしょう。
重症化の原因の解明が早急に進むことを願っています。
そして余談ですが、血液型による性格診断が普及しているのは一部のアジア圏だけだそうです。

話は変わり、5月のAFP通信ニュースになりますが、フランス語保護活動で知られる仏国立学術団体、アカデミー・フランセーズ(Aacademie Francaise)が、COVID-19は女性名詞であり定冠詞は「la」を使用するべきだとする指針をウェブサイトで発表しています。

これは「le COVID-19」という、男性名詞としての誤った扱いがフランス国内のメディアや一般の人々に広がっていることから発表されたものだそうです。なお、世界保健機構(WHO)やカナダ政府なども一貫して女性名詞を使用しているとのこと。言語が変わると冠詞についても議論されるのが興味深いですね。

(株)グローバルニュートリショングループ 和泉 美弥子

この記事について

GNGでは、会員向けに世界各国の健康・食・栄養に関するニュースをセレクトし、日本語に要約したものを月に2回、ニューズレター「GNGグローバルニュース」として配信しています。

本日配信したグローバルニュースでは、COVID-19禍における世界の消費者動向とライフスタイル消費者調査、栄養価の高いプランクトン減少で魚のオメガ3レベル低下の可能性、COVID-19禍での妊婦のコリン摂取を推奨、乳児への有害影響を低減:米国研究など15の記事を取り上げています。

この記事では、その会員向けニューズレターの一部を抜粋してご紹介させていただきます。

■GNGグローバルニュース 2020年6月24日号 トピックス

●ヘルス・ウエルネスのトレンド成分は米・英国ともにオメガ3、プロバイオティクス:Buzzback社の消費者調査
●2019年新製品の傾向は、ナチュラル、純粋、Non-GMO
●Natural Products Expo East開催中止
●COVID-19禍における世界の消費者動向とライフスタイル消費者調査
●米国の大学アスリートの大半がオメガ3の推奨摂取量を満たさず
●COVID-19禍のロックダウンにより子供の肥満が悪化
●栄養に関する知識不足が女性アスリートの健康を危機的状況に
●栄養価の高いプランクトン減少で魚のオメガ3レベル低下の可能性
●COVID-19禍での妊婦のコリン摂取を推奨、乳児への有害影響を低減:米国研究
●CBD関連企業7社が外部委託臨床研究のValidCare社と提携し大規模研究を実施予定
●米国最大の非上場スナックメーカーが株式公開へ
●NOW、「米国で最も明るく働きがいのある企業」に
●NPA、粗悪なサプリメント成分に対する輸入警告措置をFDAに要請
●北京保健委員会、TCMへの批判を封じる法案を起草
●食物アレルギー研究機関、FDAのラベル規制緩和を警戒

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[今号のハイライト]
COVID-19禍における世界の消費者動向とライフスタイル消費者調査

[2020/6/15] [toluna-group.com]

調査会社Toluna社が、COVID-19禍での世界の消費者動向と、ライフスタイルの変化に関連する消費者調査を実施した。
同調査は3月31日の第1回から2週間ごとに実施している。今回で5回目の調査となり、2020年5月26日から6月1日にかけて計19か国で行われた。

「過去2週間の生活に対する満足度」に関し、3月の第1回調査時と比較してほとんどのヨーロッパ諸国で満足度が高まっており、オーストラリア(11%)と香港(10%)の増加率が最大だった。米国では大幅に低下(-9%)し、日本でも低下(-6%)という結果が示された。

調査したすべての国において、ダイエタリーサプリメント使用量が2桁台で増加した(平均29%)。増加の主な要因は「免疫強化」と「全体的な健康の向上」だった。
ダイエタリーサプリメントを購入している10か国の消費者の平均29%が、今後2週間でフィッシュオイルまたはその他のオメガ3サプリメントを摂取する予定であるという。
調査対象者の平均33%が、さらに健康への意識を高め、今後数か月はサプリメントを使用すると回答している。

Toluna社は、EPA・DHA市場の発展を目指す非営利業界団体、GOED(Global Organization for EPA and DHA Omega-3)が実施する20カ国以上の市場調査を行っている。

(会員向けニューズレター「GNGグローバルニュース2020年6月24日号」より抜粋)

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